受注もないのに、人だけは揃っていた。4年経営してわかった「会社を大きくする」ということ
会社を始めたら、できるだけ早く軌道に乗せたい。
売上を増やしたい。
お客様を増やしたい。
人を増やして、もっと事業を大きくしたい。
経営者なら、一度はそんなふうに思ったことがあるのではないでしょうか。
私もそうでした。
というより、今だって会社を大きくしたいと思っています。
でも、もうすぐ経営5年目を迎える今、始めた頃とは少し考え方が変わりました。
大きくしたいからこそ、一足飛びにはいかない。
経営には、近道がなかったんです。
この記事を書いている人
アンドヴィオラ株式会社代表・石井智美です。
上場企業で約20年間、社長秘書を中心に経験した後、社内ベンチャーから会社を立ち上げました。
現在は、経理・労務・採用・秘書業務などを支援するバックオフィス支援会社を経営しています。
経営の知識ほぼゼロから会社を立ち上げ、もうすぐ5年目。現在は国家資格キャリアコンサルタントにも挑戦中です。
このnoteでは、会社員、秘書、起業、経営を経験する中で感じてきた、仕事やキャリアのリアルを書いています。
こんなお悩みありませんか?
事業をもっと早く成長させたい
売上を増やすなら、先に人を採用した方がいいのか迷っている
経営について相談できる人が欲しい
専門家やコンサルタントの言うことを、どこまで信じていいのかわからない
最後は自分で決めなければならないことに、ときどき疲れる
会社を経営している人だけの話ではないと思います。
独立してキャリアコンサルタントとして活動している人も、オンライン秘書として仕事をしている人も、フリーランスも個人事業主も。
規模は違っても、自分で仕事をつくり、誰と仕事をするかを決め、その結果に責任を持つ。
ある意味、みんな「自分の仕事の経営者」です。
今日は、私自身が約4年間経営してきて、ようやくわかってきたことを書いてみたいと思います。
結論。経営に近道はありませんでした
私は会社を大きくしたいと思っています。
もっと売上を伸ばしたい。
もっとたくさんのお客様のお役に立ちたい。
会社としてできることも増やしたい。
だから「小さいままでいい」と思うようになったわけではありません。
むしろ逆です。
大きくしたいからこそ、焦ってはいけない。
そう思うようになりました。
売上、人、仕組み、サービス、そして経営者自身。
全部が一度に成長するわけではありません。
一段上がったら、そこで新しい課題が出てくる。
それを解決したら、また次へ進む。
経営って、その繰り返しなんだと思います。
受注もないのに、人だけは立派に揃っていました
私の起業は、一般的な一人起業とは少し違います。
社内ベンチャーから生まれた会社だったので、最初から「会社として成長させること」が求められていました。
だから、営業をする人。
管理をする人。
現場を担当する人。
最初からそれぞれ配置しました。
今だから言えますが、
受注も十分にないのに、人だけは立派に揃っていました。
当然ですが、人を雇えば給与が発生します。
仕事が少なくても給与は発生します。
そして人が増えると、採用、教育、勤怠管理、マネジメント、社内調整……。
「人がいるから発生する仕事」も一気に増えました。
当時の私は、経営についてほとんど何も知りませんでした。
会社を大きくする。
↓
人を増やす。
そんなふうに考えていたところもあったと思います。
でも、実際に経営してみると全然そんなに単純ではありませんでした。
人を増やせば、会社が大きくなるわけではなかった
もちろん、事業を成長させるためには人が必要です。
私自身、今もスタッフや業務委託のメンバーに支えてもらっています。
一人では今の仕事はできません。
ただ、経営してみてわかったのは、
人を増やすことと、会社が成長することは同じではない。
ということでした。
仕事が増える。
自分たちだけでは回らなくなる。
業務を整理する。
人にお願いする。
任せてみる。
うまくいかなければやり方を変える。
そして、また仕事を増やす。
この繰り返しです。
一気に10段上がれる階段なんてありませんでした。
私も、最初につくった組織をそのまま維持してきたわけではありません。
仕事量や役割、会社の状況を見ながら、何度も体制を見直してきました。
「せっかく採用したから」
「会社なんだから、この役割の人が必要だから」
ではなく、
今の会社に、本当にこの体制が必要なのか。
を見るようになりました。
一見すると成長が遅くなったように見えるかもしれません。
でも今は、足元を整えることも会社を大きくするための仕事だと思っています。
早く成長したいときほど、「答えを知っている人」を探してしまう
そしてもう一つ。
起業したばかりの頃の私は、
自分より経営経験のある人は、私より何でも知っている
と思っていました。
だって、本当に何も知らなかったんです。
営業も。
財務も。
採用も。
マネジメントも。
わからないことだらけでした。
だから「教えてくれる人」がいると、本当に心強かった。
先輩経営者だったり、コンサルタントだったり、専門家だったり。
いろいろな人の話を聞きました。
もちろん、その中には今でもお付き合いしている、本当に信頼できる方もいます。
でも一方で、
「あれ?」
と思う人もいました。
最初の小さな「あれ?」を、私は見ないふりしていました
例えば、約束していたことが守られない。
言っていたことと、実際にやっていることが違う。
最初は、本当に小さなことです。
「あれ?」
と思う。
でも、
「忙しかったのかな」
「他にも仕事があるもんね」
「私より経験がある人だし」
そんなふうに、自分の中で理由をつけていました。
今振り返ると、
相手を信じていたというより、
私自身が、その人を頼りたかったのだと思います。
経営についてわからない。
誰かに教えてほしい。
間違えたくない。
だから、少し違和感があっても目をそらしていた。
でも今は、それをしなくなりました。
「あれ?」から目をそらさない
もちろん、一度約束を忘れたから、その人とは付き合わない。
そんな話ではありません。
誰だって失敗します。
私だって間違えます。
大事なのは、その後だと思っています。
間違えたときにどう対応する人なのか。
言葉と行動が一致しているか。
こちらを尊重してくれているか。
付き合っていく中で、
「あれ?」
「あれ?」
が重なるなら、その感覚をなかったことにしない。
今はそうしています。
経営者になると、
誰と付き合うのかを決めることも、経営の仕事です。
経営者になると「誰を信じるか」も自分で決める
会社員だった頃は、仕事で付き合う人を自分だけで決めることは、ほとんどありませんでした。
でも経営者は違います。
誰と仕事をするのか。
誰に相談するのか。
誰からサービスを買うのか。
誰を会社に入れるのか。
誰とは距離を置くのか。
全部、自分で決めます。
これは会社経営者だけではありません。
オンライン秘書として独立した人も。
キャリアコンサルタントとして自分で仕事を始めた人も。
副業を始めた人も。
自分で仕事をつくるようになると、いろいろな人が近づいてきます。
「集客できます」
「売上を伸ばせます」
「ブランディングしましょう」
「これをやれば仕事が取れます」
魅力的な言葉はいくらでもあります。
でも、その人にお願いするかどうかを決めるのは自分です。
そして、うまくいかなかったときに、
「○○さんがそう言ったから」
では済まない。
最後は自分の責任です。
だから経営者には、全部の専門家になる必要はなくても、
自分で判断できるだけの知識は必要なのだと思います。
私は「経営者の孤独を救いたい」と思っていました
私が今のバックオフィス支援の仕事を始めたとき、
「経営者の孤独を救いたい」
という気持ちがありました。
約20年間、社長秘書として経営者の近くで仕事をしてきたからこそ、経営者には誰にも言えないことがたくさんあると思っていたからです。
でも、自分が経営者になってみて、今は少し考え方が変わりました。
最近は、
経営者は孤独でいいんじゃないか。
と思っています。
最後に決めるのは、自分だから
売上が足りない。
人を採用するか。
この仕事を受けるか。
撤退するか。
投資するか。
誰と仕事をするか。
どれだけ周りに相談しても、最後に決めるのは経営者です。
その判断が正しかったのかどうかも、すぐにはわからない。
そして結果に責任を持つのも、自分です。
そこだけは誰にも代わってもらえません。
だから経営者には、どうしても孤独な部分があります。
むしろ、それを誰かに全部埋めてもらおうとすると、判断まで人に委ねてしまうことがあるのかもしれません。
私自身、起業した頃に「頼れる人」を求めすぎた経験があるから、余計にそう思います。
でも、「孤独」と「孤立」は違う
経営者は孤独でいい。
でも、
一人ですべてを抱える必要はありません。
税務なら税理士。
法律なら弁護士。
労務なら社労士。
わからないことがあれば、その道の専門家に聞けばいい。
社内のスタッフに相談することもできる。
信頼できる経営者仲間に話してもいい。
そして、日々のバックオフィスや業務整理なら、それを一緒に考えて、実際に手を動かしてくれる人がいてもいい。
大切なのは、
誰かに答えを決めてもらうことではなく、自分が判断できる状態をつくるために人の力を借りること。
今はそう考えています。
だから私たちの会社も、
「経営者の孤独をなくす会社」
ではなく、
孤独に決断する経営者を、孤立させない会社でありたい。
そう思うようになりました。
経営に近道はない。でも、一人で歩く必要もない
会社を始めた頃の私は、もっと早く大きくしたかった。
そして今も、会社をもっと大きくしたいと思っています。
もっと売上を伸ばしたい。
もっとお客様のお役に立ちたい。
もっとできることを増やしたい。
その気持ちは変わっていません。
でも、約4年間経営してみて、魔法の方法はないことがわかりました。
人を増やしたら、一気に会社が大きくなるわけではない。
すごい人に出会ったら、経営が全部うまくいくわけでもない。
一段上がって。
失敗して。
戻って。
直して。
また一段上がる。
その繰り返しでした。
だから、今まさに事業を始めた方や、これから事業を大きくしようとしている方に、私自身の失敗から伝えたいことがあります。
今日からできる3つのこと
1.「人を増やす=成長」になっていないか考える
今、本当に人が必要なのか。
仕事量、売上、利益、業務の整理まで一度見てみる。
採用以外にも、業務をやめる、仕組みを変える、外部に任せるという選択肢があります。
2.「あれ?」と思いながら付き合っている人がいないか考える
違和感を無理に正当化していないか。
「この人に頼りたいから」という理由で、見ないふりをしていないか。
一度だけ、自分に聞いてみる。
3.「答えをくれる人」ではなく「判断できるようにしてくれる人」を探す
いい専門家や支援者は、経営者の代わりに経営をする人ではないと思っています。
必要な情報を出してくれる。
選択肢を整理してくれる。
専門的な立場から意見をくれる。
そして最後は、経営者自身が決める。
そんな関係の方が、長く続くように思います。
私自身、まだまだ経営の途中です。
5年目に入ったからといって、経営がわかったなんて、とても言えません。
これからも失敗するでしょうし、
「あの判断、違ったな」
と思うこともきっとあります。
それでも、始めた頃より一つだけわかったことがあります。
経営に、近道はなかった。
でも、遠回りに見えた経験も、失敗したことも、今の経営にはちゃんとつながっています。
そして、
経営者は孤独でいい。
でも、孤立する必要はない。
もし、バックオフィス、人のこと、業務の仕組みづくりなど、
「これは自分一人で抱え続ける仕事ではないかもしれない」
と思うことがあれば、お気軽にご相談ください。
経営者に代わって、答えを決めることはできません。
でも、経営者が本来考えるべきことに時間を使えるように、実務の側から支えることはできます。
それが、今の私が考える「経営者を支える」ということです。
