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尾括/頭括/双括



3つの主な形式

小論文の形式として、「尾括型」「頭括型」「双括型」と呼ばれるものがあります。


尾括型(帰納的)

  • 具体的な事例  

  • そこから考察

  • 最後に結論

このように、具体 → 一般 で進む型を尾括型 と言います。個別の事象から抽象的な見解を導くので、「帰納的な推論形式」になりやすい書き方です。


頭括型(演繹的)

  • 最初に結論

  • その理由や具体例を補足

こちらは、一般 → 具体 で進む型で、頭括型 と言います。抽象性・一般性のある意見から始まり、個別の事象にあてはめていくので、「演繹的な推論形式」になりやすい書き方です。

どちらであっても「小論文の成立に必要な条件(主題・主張・論証のセット)」を満たします。

500字程度の短い小論文であれば、このどちらかで書くことが多くなります。


双括型

さて、最初のほうにも最後のほうにも「結論的意見」がある形式を「双括型」と言います。

  • 最初のほうで結論を述べる

  • 真ん中で論証する

  • 最後にもう一度まとめる

ということです。

実際の小論文入試は、この「双括型」で書くことが多くなります。全体のパラグラフが3つ以上になる場合には、「双括型」で書くことが基本だと考えましょう。

前述した「尾括型」をベースとする場合には、最後にある「結論」の紹介を最初に書いておけば「双括型」になります。

「頭括型」をベースとする場合には、最初のほうにある「結論」を最後に再提示すれば「双括型」になります。

尾括型ベース(帰納的)

  • 問題提起 + 結論

  • 個別の事象

  • そこからの考察

  • 結論の再提示

頭括型ベース(演繹的)

  • 問題提起 + 結論

  • 理由説明

  • それに合う具体例

  • 結論の再提示


「結論的意見」の1回目と2回目は同じ重さで書かない

「双括型」の場合、「結論的意見」が2回出てくることになるので、まったく同じ「重さ」になることは避けましょう。

一般的には、「序論」で端的に言い切って、「結論」で多少の補足をしたり、言い換えたりして表現することになります。そのため、「結論」のほうが少し長めになることが多いです。


アブダクション

「帰納的な推論」について補足します。

「1つの事例から意見を出す」ことは、厳密には帰納法ではありません。これは アブダクション と呼ばれる推論です。

  • ある事象を見て

  • 「こう考えられるのではないか」と仮説を立てる

という思考です。


アブダクションからの仮説演繹

「アブダクション」は、「少ないサンプル」から仮説を出す推論なので、その仮説があてはまる事例を出せると説得力が強まります。

それを「仮説演繹」と呼びます。

個別の事象(経験)
  ↓(アブダクション)
考察・仮説
  ↓(仮説演繹)
社会的事実・一般例
  ↓
結  論

このとき、

  • 最初の「個別の事象」=土台

  • 後半の「個別の事象」=例証

という役割の違いがあります。


わりとよく見られる形式

「アブダクションからの仮説演繹」という思考経路は、小論文ではわりとよく求められるものです。

たとえば、「あなたの実体験を土台にして論じなさい」という設問がある場合、「実体験」をまず最初に書いて、そこから導かれる「考え」を書いて、「別の事例にあてはめる」という書き方ができます。

経験 → 意見 → 社会的事実

という流れです。

「まず身近な経験から考え、そこから意見を立て、それを支える一般的な事実を置く」ということですね。

「設問」に素直に応じると、この「アブダクションからの仮説演繹」という形式になることがけっこうあります。「アブダクション」の説得力を高めるには「仮説演繹」を付け足すとよい、と考えておきましょう。


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