いまさら聞けない「チャレンジ」~「チャレンジします!」って、実は大変なの?~
こんにちは。わたさん◇創作絵日記作家です。
「いまさら聞けない」シリーズ。
普段何気なく使っているけれど、
改めて「それってどういう意味?」
と聞かれると、意外と説明できない。
そんな言葉や知識を、
今さらながら調べてみようという
シリーズです。
今回のテーマは、
「チャレンジ」
です。
「最優先でチャレンジさせていただきます!」
海外からのお客様を
商談ブースに迎え、
私は意気込んでいた。
今日は契約を取るための
最終確認。
……といっても、
話はすでに水面下でほぼ合意している。
あとは細かい条件を確認して、
無事に契約。
そんな予定だった。
ところが、
なぜか今日は部長も来ている。
私は課長と顔を見合わせ、
<大丈夫かな……>
と、アイコンタクトを交わした。
そして商談が始まった。
お客様が英語で話す。
『概ね合意した内容で
問題ないのだが、
試作品を3か月後ではなく、
2か月後に納めてほしいんだ』
技術部からは、
"あと1か月後には試作品を出荷できる"
と聞いている。
もちろん問題ない。
私が答えようとした、そのとき。
部長が、
「今、何て言ったんだ?」
と聞いてきた。
「試作品を3か月後の予定から
2か月後に出してほしい
と言っています」
すると部長は、
お客様に向かって拙い英語で
こう言った。
『もちろん、最優先で
'チャレンジ'
させていただきます!』
お客様は少し驚いた顔をして、
『そこまで難しいのであれば、
納期を延ばしてもいいんだよ』
と言ってくれた。
私は慌てて、
『いえ、2か月後で問題ありません』
と答えた。
お客様は納得した様子で
帰っていった。
課長は、
呆れた顔で部長を見ている。
商談が終わると、
部長が私に聞いてきた。
「君は何で言い直したんだ?」
すると課長が、
「部長……」
「なんだ?」
「英語で言う『challenge』は、
単純に『やってみます』という
意味だけではないんですよ」
「えっ? 普通に
『やってみます』
って意味じゃないの?」
「もちろん
『挑戦する』という意味ですが、
そこには困難なことや難しいことに
挑むというニュアンスがあります」
「……」
「今回の場合、お客様は
『2か月後でお願いしたい』
と言っただけです。
技術的にも問題ないんだよな?」
「はい」
「それなのに部長が
『最優先でチャレンジします』
と言ったので、お客様は
『え? そんなに難しいの?』
と思ったんですよ」
「だから、
あんな顔をしていたのか……」
部長は納得したようだった。
私は課長と顔を見合わせた。
そして、
<やれやれ……>
というアイコンタクトを交わした。
「チャレンジ」は日本語と英語で少し違う
日本語の「チャレンジ」は、
「新しいことに挑戦する」
「とりあえずやってみる」
というように、
比較的軽い感覚でも使います。
たとえば、
「新しい料理にチャレンジしてみよう」
「資格試験にチャレンジします」
「未経験だけどチャレンジしてみます」
などですね。
一方、英語の challenge は、
「困難なことに挑む」
というニュアンスが強くあります。
そのため、
「2か月後に納品できます!」
という場面で、
「チャレンジします!」
と言ってしまうと、
「かなり難しいけど、
頑張ってみます」
という意味に受け取られる
可能性があるのです。
今回の部長の発言も、
「余裕でできます!」
のつもりが、
「かなり厳しいですが、
何とか挑戦します!」
になってしまったわけですね。
まとめ
日本語の「チャレンジ」は、
「やってみる」という
軽い意味でも使われます。
でも、英語の challenge は、
「困難なことに挑む」
という意味合いが強い。
つまり、
「できます!」
と言いたいところで、
「チャレンジします!」
と言ってしまうと、
「できるかどうかわからないけど
頑張ります!」
になってしまうことがあるのです。
言葉って、
同じように見えても、
国境を越えると微妙にニュアンスが
変わるものです。
部長にはぜひ覚えてもらいたい。
「チャレンジします!」の前に、
本当にチャレンジする必要が
あるのかを考えましょう。
明日、誰かが
「チャレンジしてみます!」
と言ったら、
「それ、英語では
結構大変なことになってるよ」
と教えてあげよう。
ちょっとだけ、英語通ぶれます。
#いまさら聞けない #チャレンジ #challenge #英語 #英単語 #カタカナ語 #日本語 #言葉の意味 #言葉の違い #英語表現 #雑学 #豆知識
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ、応援よろしくお願いします。いただいたチップは娘のグミ代になります🙂。お父さんも食べます。