PMP合格体験記
こんにちは。
最近仕事でProject Management(プロジェクトマネジメント)の話をさせて頂く機会が少しあり、PMPが話にあがりました。そこで、PMPの受験を考えている方、プロジェクトマネジメントを勉強されている方のお役に立てればと思い、私のPMP合格までの道のりをまとめてみました。
なにか少しでも皆様の参考になれば幸いです。
まとめ
試験結果
2025年3月に全てのドメインをAbove Targetで合格

PMP取得までにかかった費用(2025年時点)
約16万円 (思ったよりお金かかってた。)
費用の内訳は
35PDU獲得のためのトレーニング 1,800円
独学のための書籍 計36,826円
問題集と模擬試験 計24,225円
PMI会費 計32,152円
PMP受験費用 64,176円
PMI会費とPMP受験費用が費用の半分以上を占めていますね。費用の詳細は後半の教材の部分に書いておきます。
PMPのための勉強期間
約4ヶ月 (2024/12~2025/3)
細く長く、コツコツと勉強。基本的には平日の早朝か夜に勉強をしていました。
PMPのための勉強時間
おおよそ80時間程度くらいではないでしょうか。
試験1ヶ月前くらいからは1日あたり1~1.5時間くらい勉強していたと思います。この期間は問題集(後述)を解くのがメインでした。模擬試験も実施しました。
それ以前の3ヶ月は、35PDU獲得のための動画を見たり、受験対策の本を読んだりしていました。毎日勉強をしていたわけではありませんし、勉強時間が30分程度の日もありました。
ここから詳細に入っていきます。
前提
メーカー勤務のエンジニア(≠IT職)。PMやテクニカルリードとして、PMの考え方、ツールを日常的に使用。
Scrum Masterとして1年程度実践経験あり(試験時点)。
仕事で日常的に英語を使用。メール、会議、社内プレゼンなど。
この中で、PMP取得に対してアドバンテージになったと感じたのは2。アジャイル関係(試験の問題の半分程度の割合を占める)の理解が容易でした。
背景
なぜPMPを取得しようと思ったか?
以下の3つ。
当時、PMあるいはそれに類似するポジションでプロジェクトに関わることが増えてきたため、国際標準のプロジェクトマネジメントの方法論を学び、効率的に仕事をしたいと考えた。
同僚、後輩にプロジェクトマネジメントに関する相談を受ける機会が増えてきたため、"正しい"知識を提供したかった。
単純に知識欲を満たしたかった。
学習方法と教材
学習方法
以下の流れで学習を進めました。その時点での主観的な理解度も合わせて書いています。
1) 認定トレーナーによる35PDUの公式研修(Udemy)を受講。 PMBOKの概要を理解。受験資格の35PDU獲得。この時点では、内容を聴いたときには「うんうん、なるほどな。」と、理解した”つもり”になっているものの、数分後には忘れている、くらいの記憶への定着度でした。(私は記憶力がよくないので。)
2) 試験対策本を読む。
ここでPMBOKの理解を(少し)深めました。実際には1)と並行していた時期もあります。「あー、そういえば動画でもそんなこと言ってたな。」「ここは何回も出てくるから大事なんだろうな。」くらいの定着度でした。例えばITTO(Input/Tools/Techniques/Output)のつながりはこの段階では記憶していません。書かれている内容を見ると、理解できる、といった段階です。
3) 問題集をひたすら解く。間違えた部分は、PMBOK、実践ガイドを確認し納得する。
この段階で、理解したつもりの部分があぶり出されました。問題を間違える→解説を読むと全然理解・知識が定着していないことに落胆する、を繰り返してました。落胆してても仕方ないので、間違えた問題は、解説を読んで、その根拠をPMBOKや実践ガイドを参考に確認しました。
問題を解く→間違える(落胆する)→解説やPMBOKを読んで理解を深める→問題を解く→…
このプロセスを繰り返して知識を定着させていきました。泥臭い学習方法でしたが、結局はこれが一番知識の定着に役立ちました。ただし、問題/回答のなかには、解説を読んでも納得できない問題/回答がちらほらあるように感じました。それらは「問題/回答が間違っている。その理由付けはセンスがない。」と諦める勇気も必要でした 笑
また、Study Hall(後述)には、「この難易度の問題を間違わずに回答できていれば、本番も受かるよ」といった先人の定性的な試験受験の基準もあったため、それを理解度の参考にもしました。
4) 模擬試験。
理解を深めるというよりは、本番の試験で自分の回答に迷わないために、自信をつけるためのステップでした。試験時間は短いので、回答に迷っていたり、不安になるとその後の問題に影響が出ます。
ここでもStudy Hall関連の情報が、自信をつける上で役に立ちました。個人的おすすめの教材です。
教材
私の使用した教材とその費用、おすすめ度をまとめています。
勉強の仕方や好みは人それぞれだと思いますので、私の評価が低くても、皆さんにとって役に立つ可能性は十分あると思います。
1) 認定トレーナーによる35PDUの公式研修 PMP Certification Exam Prep Course
費用: 1,800円
おすすめ度: ★★★★
全編英語ですが、圧倒的に安い。日本語の認定トレーナーによる35時間の公式トレーニングが数万~十数万であることを鑑みるとこの値段は破格。
内容は全てカバーしつつも重要な箇所は強調してくれている。
"マインドセット"のチャプターはPMIの理想像(PMIイズム)を言語化してくれている。試験では、これに沿った振る舞いに対応する回答が正解になりやすい。(私も試験前に何回かこのチャプターを見返しました。)
申請書類の書き方が参考になる。
私はこの動画を全て見た後、マインドセットのチャプターのみ何回か見返しました。それ以外のチャプターは1度見ただけです。
2) 試験対策本
図解即戦力 PMBOK第6版の知識と手法がこれ1冊でしっかりわかる教科書
費用: 2,178円
おすすめ度: ★★★☆
ウォーターフォールの5つのプロセス群と10の知識エリアに関してわかりやすくまとめられている。
次に紹介する2つの本と比較し、PMBOKで定めているウォーターフォールの概要を掴みやすいと感じた。一方で、ここに書かれている内容だけでは、試験対策としては十分でない。(もともとPMP試験の足掛かりを提供するために書かれた本とのことなので、当たり前なのですが。)
個人的にはおすすめの本です。何となく、夜寝る前にだらだら読もう、くらいのノリで購入した本ですが、説明が一番頭に入ってきやすかった本です。この本だけでは試験対策として十分ではありませんが、分量も少ないので、ウォーターフォールの基礎固めとして一読の価値はあると思います。
PMP完全攻略テキスト
費用: 4,378円
おすすめ度: ★★☆☆
ある程度の用語間の関係性を補足してくれる解説があった上で、用語がまとめられているので虎の巻と比較し理解しやすかった。
問題(実際の試験問題と比べるとやや難の印象)も豊富にあり、理解度の確認ができた。
こちらの本も公式トレーニングと同様、1周しただけです。繰り返し読み込むことはありませんでした。この本だけでは、全然理解度が足りていないと不安になったので、もう一冊対策本を購入しました(それが次に紹介する本)。
PMP試験合格虎の巻
費用: 3,520円
試験への役立ち度: ★☆☆☆
試験で重要となる用語とその解説がまとめられているが、それぞれの関係性は見えにくいと感じた。(そのため知識が定着しなかった。)
問題は豊富にあった。
多くの人がおすすめされていたので購入しましたが、私には合わない本でした。記憶力に自信のある方にとっては良い本なのかもしれません。
3) PMI公式本
PMBOK第7版
費用: 11,900円
おすすめ度: ★★☆☆
練習問題を繰り返し解く段階から使用し始めた。回答の解説を理解する際の根拠の確認。それ以前の段階では全く読んでいない。
PMBOKの内容を直接頭に叩き込むために読む、といった使い方はしていない。
どんな試験対策本、講義であれ、PMBOKに書かれている内容と整合性がとれているはずです。ですので、PMBOKに書かれている内容を理解しておくことは決して無駄ではないと思います。
アジャイル実務ガイド
費用: 7,590円
おすすめ度: ★☆☆☆
あまり活用せず。
Certified Scrum Masterを取得した際の知識、およびScrumを実践する際に勉強した知識がベースにあったため、ほとんど読みませんでした。
PMPの試験対策においては、Scrumのフレームワークを知っているか否かで、試験問題に書かれているシチュエーションの解像度が全く変わってくると思います。とりあえずScrumがどんな感じか理解する上でおすすめする書籍はこちら。
これをざっと読んでおけば、アジャイルガイドや問題の解説も理解しやすくなるかもしれません。
プロセス群 実務ガイド
費用: 7,260円
試験への役立ち度: ★★★☆
PMBOKと同様、練習問題を繰り返し解く段階から使用し始めた。回答の解説を理解する際の根拠の確認。それ以前の段階では全く読んでいない。
PMBOKと同様、内容を直接頭に叩き込むために読む、といった使い方はしていない。
(特にウォーターフォールの)問題を解く際に、問題文に書かれている状況が、どのプロセスで、どの知識エリアに関する質問か想定できると回答しやすいため、この本の内容が頭に定着しはじめてからは、自信をもって問題に答えられるようになった。
一見内容(ページ数)の多さに圧倒されましたが、よくよく見てみると、ここに書かれている内容が全て自分にとって目新しいものではないことがわかりました。私の会社のプロジェクトマネジメントのプロセス、ツールなどもここに書かれている内容をベースにしているようでしたので、「会社だとこれが対応するのか」のような感じで記憶に定着させていきました。とはいえ、自分が普段扱っていないドキュメント、関与していないプロセスもありましたので、そこは練習問題を間違えて復習するプロセスを通じて、記憶の定着を図りました。
4) 問題集
ここに書いている教材なしには合格は不可能でした。その意味でどちらもおすすめです。
PMP問題集+模擬試験
費用: 15,900円
おすすめ度: ★★★★
全て回答。練習問題の正解率90%以上になるまで繰り返し回答(とはいえ多くても2回)
回答もその解説も納得できるものがほとんど。問題の内容も比較的実際の試験に近いように感じた。
模擬試験は2回分実施。模擬試験は練習問題をセットにしたようなもので、繰り返しとなる為、全ては実施せず。(既に復習で解き直していたため。)
試験当日約1ヶ月前くらいから着手し始めました。この問題集の回答、解説、根拠となるPMBOKの内容、プロセス群の内容の確認を通して知識が定着していく実感がありました。また扱われている問題も実際の試験に近かった印象を受けました。
模擬試験以外は、約10題で1小テストのような構成なのですが、正答率が低いとその結果を見て都度落ち込んでいた記憶があります 笑
Study Hall
費用: 8,325円
おすすめ度: ★★★★
PMI公式の学習プラットフォーム。
最後の仕上げとして、模擬試験は2回実施。PMPに合格された先人達からの情報で、模擬試験の正答率が70%以上であれば、試験に合格できるレベルという目安があり。正答率が70%を超えていたので自信をもって試験に臨んだ。
Expertの問題は、その回答とその解説が納得できないものが結構あり。(実際に高難易度のような問題は試験に出てきませんでした。)
Moderateくらいまでの難易度の問題は、回答も解説も納得できるものがほとんどでした。実際の試験の問題の難易度としては、Moderateくらいものが大半だったような感覚でした。Difficultくらいのものは少しあったかもしれません。Expertのものは、まず本番では出題されなかったと思います。
Lessons Learned
自分のPMP取得の為の学習方法を振り返って
よかったこと
問題集とStudy Hallを使用して沢山の問題を解いたこと。問題集→解説→復習のプロセスで知識が定着した。
Udemyのe-learningを使ったこと。お金を節約できたし、学習時間の自由度も高かった。
いきなりPMBOKを読み込もうとしなかったこと。ここから学習をはじめていたら、たぶん心が折れていた 笑
先人の合格体験記や合格者の勉強方法に関する情報に目を通すこと。自分の勉強方法や教材探しの参考になった。
こうすればよかったこと
書籍は、ウォーターフォールは「図解即戦力 PMBOK第6版の知識と手法がこれ1冊でしっかりわかる教科書」、アジャイルは「Scrum Boot Camp The Book」だけ読んで、あとは問題集と公式本での復習に時間を費やせば時間的にも、金銭的にも効果的だった。
最後に
PMPを取得してから、すぐになにか大きく変わったかというと、もちろんそんなことはありません。しかし、日々の業務がPMBOKというスキームを通じて見られるようになったことで、プロジェクトで出くわす様々な状況に以前より柔軟に対応できるようになった実感はあります。また、周りからアドバイスを求められたときにも、自信をもってアドバイスできるようになったと思います。PMPを受験・取得した目的は達成できたと思います。
長々と書きましたが、今後PMPを受験される方、プロジェクトマネジメントを勉強中の皆様の一助となれば幸いです。
