Excel考古学⑤ 先人の思考
前任者たちが残したExcelファイルを読み解く「Excel考古学」。
過去へ遡るにつれ、それぞれのファイルに「作った人の思考の痕跡」が色濃く残っていることに気づく。
シートの並び方や、集計のプロセスが年によって微妙に異なっているのだ。
実務をしていると、前任者のファイルを見て「自分には合わない」と感じることはよくある。
そして、自分が一番分かりやすいようにカスタマイズしてしまう。
「この人はこういう手順で考えたのだろう」
「この集計方法が好きだったのだな」
そんな先人たちの頭の中を想像しながらセルを読み解いていくのは、少し不思議な体験だ。
過去の仕事の痕跡が、地層のように重なっている。
しかし、決定的に欠けているものがある。
その思考は、必ずしも「次の人」に伝わるとは限らないということだ。
Excelというファイルは残る。
しかし、「なぜその形で作ったのか」という理由は残らない。
だからこそ、人が変わった瞬間、そのExcelは誰にも理解できない遺跡へと化す。
同じ思想で作られてきたわけではなく、担当者が変わるたびに表面的な作り直しの連鎖が起きていた結果。
行き着いた先は、永遠に出典にたどり着けない「無限遺跡」だったのだ。
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