走り去った時間と珈琲の香りと 「旧車とハンバーグ」|南阿蘇 #27
11月に入り朝晩の気温がぐっと下がってきた。
秋の行楽日和。どこへ行こうか迷ったが、たまには定番の場所へ行ってみるのが良いかもしれない。
いつもの国道を走る。竹田市までは走り慣れた道だ。
市街地を抜ける途中から、左折して高森方面へ山間部の道に入っていく。ここから交通量もぐっと減って、バイクで走るのは快適だ。車も地元の方か林業関係者、あとは私と同じ南阿蘇方面へ走るバイカーだけだ。
狭い蛇行を繰り返す道を慎重に進む。山を抜けて、南阿蘇へ向かう国道にぶつかると、そこから峠を下ってカルデラの中へ下りていく。

無事に南阿蘇にある道の駅についた。
南阿蘇方面にドライブやツーリングに来たときは、必ず立ち寄る場所だ。利用しやすく敷地内にお店もいろいろあり、ベンチに座って、南阿蘇の山々を眺めるだけでもリラックスできる良いところだ。

自家焙煎のコーヒー専門店でホットコーヒーをテイクアウトした。一杯一杯丁寧にハンドドリップで入れて貰える。
店内にはレーサーレプリカバイクが飾ってあった。マスターの通勤車両だそうだ。きれいに手入れされていてバイク愛を感じた。マスターの愛車自慢を聞きながら、ふわっと薫るコーヒーの香りを楽しんだ。

ベンチでコーヒーを飲んだあと、少し近くを散歩した。
ドッグランも併設されており、愛犬を連れたカップルや家族連れも多かった。リードを外された犬たちが飛び出していく。いろいろな犬種が見れて楽しかった。
私の好きなウェルシュ・コーギーもいた。短い足を一生懸命動かしてボールを追いかける姿がとても可愛らしい。
昔好きだった「カウボーイ・ビバップ」という作品に出てきたアインという犬がコーギーで、それ以来犬を飼うならコーギーがいいと思い続けているが、実現できてはいない。

道の駅から10分ほど走ったところに、車好きなオーナーさんが経営しているカフェがある。お店の前の広い駐車場にバイクを停めてお店に入る。
玄関を入ると正面はカウンターと厨房で、車関係の小物やグッズがたくさん飾られている。壁には昔の宣伝用のポスターも飾られ、いかにも車好きのお店だ。
お店の真ん中には、日産スカイラインが飾られている。オーナーの所有車でナンバーがついており、イベントなどに参加する際は、自走で目的地まで行くそうだ。
50年以上前の車とは思えないほどきれいな車だった。


メニューが豊富で何を食べようか迷ったが、今回はハンバーグステーキセットを頼んだ。
しばらく待つと、熱々の鉄板の上にたっぷりのデミグラスソースに身を包んだふっくらしたハンバーグが運ばれてきた。
匂いだけでも美味しいのが分かる。
ハンバーグをナイフで半分にすると、透明な肉汁が流れ出してソースに溶けた。小さく切り分け、肉汁とソースをたっぷり絡めて口に運ぶ。しっかりとした肉の味と、濃厚なデミグラスソースがたまらない美味しさだった。
付け合わせと一緒にあっという間に食べてしまった。
食後のコーヒーを飲みながら、オーナー夫婦と談笑。
まるで実家に帰ってきたような、温かいお店だった。

南阿蘇から家路につく。遠くに見える山の上がだいぶ紅葉してきていた。これから冷え込んでくると、低地でも一気に紅葉がすすむのだろう。
寒くなるとバイクに乗るのが億劫になるので、できるだけ秋が長く続いて欲しい。
年々短くなっていく秋にため息をついた。
