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走り去った時間と珈琲の香りと 「雨と晴」|南阿蘇 #9

雨の日が待ち遠しかった。
小学3年生から、サッカーを始めた。
練習は毎週3回。グラウンドをソフトボール部と交代で使って練習があった。

当時、私は走ることは得意だったが、球技の才能が全くなく練習もかなりきつかったので、だんだんモチベーションがなくなっていった。

雨が降ると、グラウンドが使えないので練習がない。
だから、雨が降って欲しかった。


本格的な梅雨入り前の6月。
南阿蘇にあるツーリングスポットで有名な場所へ行ってみることにした。

いつもの国道から自動車専用道路を使って一気に竹田市へ。
市街地の途中から高森方面に交通量の少ない県道を進む。
私は道を覚えるのが苦手で、いつもナビが手放せないのだが、よく利用するグーグルマップが少々曲者だ。

自動車用の市販ナビは、だいたい広い幹線道路をメインに案内してくれるが、グーグルマップは時折とんでもない道を案内してくる。車がすれ違えないような狭い道を平気でルートに入れてくるので、初めて行く場所を走るときはだんだん民家が減って道幅が狭くなると気が気でない。

それでも他のアプリを使わないのは、それはそれで面白いと思ったからだ。ただの休日がちょっとした冒険になる。

グリーンロード南阿蘇(ケニー・ロード)休憩所

ひたすら山道を進み、休憩所が見えてきた。
何台か車やバイクも止まっている。グリーンロード南阿蘇、通称ケニー・ロードと呼ばれるワインディングだ。

展望所からの景色

天気はあいにく曇りだったが、日差しが遮られた方が、暑すぎずに快適に走れる。
阿蘇ミルク牧場の近くまで、難解な道を楽しんだ。
私のバイクは車体が大きく小さいカーブがあまり得意ではないので、無理せずのんびり走った。腕に力が入りすぎて痛くなるのは、まだまだ技術不足なのだろう。

道の駅に併設しているモンベル

一回りして、道の駅くぎので休憩。
ここはとても人気がある所で、駐車場も広く物産館だけでなくレストランやカフェも充実していて何度訪れても楽しい。
モンベルの大型店舗が併設されているのも珍しい。

阿蘇は登山やハイキングで訪れる人も多いようで、店内はお客さんで賑わっていた。毎回、限定デザインのTシャツを買おうか迷って、未だに買ったことがない。

人気のプディングのお店

帰りがけ以前から気になっていたお店に立ち寄った。
レンガ地のおしゃれで可愛らしい外観のお店だ。
駐車場が砂利なので、転ばないように端にバイクを停めて店内に入る。

ショーケースの中には、いろいろな種類のプリンが並んでいた。全部食べてみたかったが、バイクだと持ち帰るのが難しかったので、1つ選んでその場で食べて帰ることにした。

キャラメルプリン

悩んだ末、今回は看板商品のキャラメルプリンを購入。
木陰に停めたバイクのシートに腰かけ、瓶に入ったプリンを口に運ぶ。ミルクと卵の素朴な味と、キャラメルの甘くてちょっと苦い風味が、なめらかな触感と共に口いっぱいに広がる。

初夏の風はまだ湿気を帯びておらず心地よく、プリンの甘い香りがふわりと辺りに漂う。
阿蘇の恵みが詰まった素晴らしいプリンだった。

すくすく育つ稲


晴れの日が待ち遠しかった。
バイクに乗るようになってから、天気予報をこまめにチェックするようになった。週末の天気で日々のモチベーションはまるで違う。
梅雨が明けると茹だるような暑さが待っているとわかっていても、やはり晴れの日がいい。もう雨を願わなくてもいい。

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