ことば観察 | お母さんヒス構文が食パンから生まれる瞬間を体感した話
先日、買ってきた食パンを2日に分けて食べようと思った。その2日目、結構しっかりカビていた。
ひとえに梅雨入り前の季節をナメていた私の責任である。
見事なまでのお母さんヒス構文
めちゃくちゃ美味しかったので、2日目を楽しみにしていた娘がしょんぼりしている。
私「ごめーん」
私「ごめんてば」
娘は相変わらずしょぼん。
私(ごめんて……)
私「とりあえずさ……冷凍パン焼くから待ってや」
私(まだしょぼくれとる……ごめんやって……もうええやろ……)
私「はいはいすみませんでしたまだ行ける思って冷凍せんかったオカンが悪かったですぅーすみませんでしたぁぁあー」
これである。
お母さんヒス構文爆誕の瞬間。
心の岩戸が閉まるまで
うちの母もお母さんヒス構文をよくカマしてきた。
その度「理不尽やな……」と子供心に思っていた。
そしてそこから数十年。
「親の心子知らず」とは、昔の人はよー言うたもんだと思う。まさにこれだ。
親になってみると、単純に自分のことだけ考えてれば良い、とは本当にならない。
一人娘だけど、朝の身支度、時間管理だって成長に伴いラクにはなったとはいえノータッチというわけにはいかない。
そして子供が大きくなるほど心配事のカテゴリーも変わるわけで、脳のリソースがそれに喰われてる。
そこに
トラブル発生
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フォロー入れる(不発)
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代替案(不発)
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謝る(これまた不発)
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「いやあとどないせぇってゆーの??」
完全にキャパオーバー。
いやもう謝ったやん?
しかも解決にむけて全力尽くしましたけど何?
あなたは歩み寄ってくれないんですね分かりましたよーひとえに私が悪うござんしたぁー!と心の岩戸を閉ざしてしまった。
きちんと胸の内を整理することもせずに。
私は三姉妹だったので、うちの母は単純計算でこれの3倍をこなしていたわけだ。
母の大変さを今思うと「ヒェッ・・・」となる。
娘「言いたかっただけ」
ゆーて娘は、「しょぼくれ」ムーブ楽しんでただけに思える。
特に解決なんぞ求めてない。
「しゃーない」が理解出来ないわけでもない。
現に、ケロッとして焼きあがった冷凍パンを食べながら、今日は放課後誰と遊ぶかという話をしている。
そしてこんなことは一度や二度じゃないのにその度必死こいて解決しようとしてしまう自分がいる。
多分、母として、親として、「ちゃんとせな」みたいな意識がどうしても働いてしまう。
そして目の前の大量のタスク。
この、ちゃんとせな意識が「もうここは私が悪いってことでええから早よしょぼくれ終わらせて次行かせてくれ」というモードになって現れて、お母さんヒス構文を私に吐き出させたのだ。
感情圧縮ファイル「お母さんヒス構文
言葉って「その人が何を考え、どう切り分けたか」が詰まっていると思う。
お母さんヒス構文も、ただヒステリックになってるわけじゃなくて、忙しい毎日の中どうコントロール出来ないものに向き合い続けたかが圧縮されてる。
額面通りに受け取れば、卑屈になって雑に終わらせようとしてるだけに見えるけど、そこには全オカンの苦労が詰まってるのかもしれない。
世間、ちょっと寛容になってあげなければいけないのでは……?
ただ食パンがカビてただけでそこまで思考を飛躍させてる私は、まだ元気だと思う。
次はちゃんと冷凍しよ。
そして次、実家に帰る時は高級食パン買って母を労おう。
オチついた度 ⭐⭐☆
