壁の向こうの隣人 【拝啓文芸部】
(オッタ―ヴァ・リーマ)
壁の彼方なる隣人よ、汝、葡萄酒を置く。
舘(たち)の灯、ほのかに揺らぎたり。
かつて満ちし、園の光を、
人の火は、ついに真似得ず。
汝、知り給え――おのが隣人を。
その胸奥、いかなる棘を宿すやを。
我ら、同じ門より逐われしが、
互いの顔さえ知らぬなり。
黄昏れ道に落つるとき、我、汝の咳を聞く。
しかして、凍みる石の黙すままなり。
土なお重くす、我らの歩みを。
失せし庭の名、何人も呼ばず。
汝、告げ給え——祈るや、否や。
さもなくば、かかる戦に刃を研ぐや。
その刃、いずれを斬り払うものぞ。
我らを逐いし、見えざる門か。
ご覧いただきありがとうございました。#拝啓文芸部にてテーマをくださったMr.Q様にもこの場を借りてお礼申し上げます。
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