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人を変えられるのか、という問い

上司も他人。その他人である人が「人を変えられるのか」

組織でマネジメントに関わっていると、どうしても立ち上がってくる問いだ。
課題に感じる部下がいるとき、
「自分たち上司の関わり方次第で、その人は変わるのだろうか」
そんな問いを、何度も自分に投げてきた。

正直に言えば、
「かならず人を変えられる」と明言できるほどの自信は、私にはない。


人は簡単には変わらない、という前提

これまでの経験を振り返ると、
「誰でも変われる」「人は必ず成長する」
といった言葉には、どうしても違和感が残る。

すべての人が変わった、という事実を私は知らないし、
そうしたエビデンスにも出会ったことがない。

現実的には、

  • 課題がやや和らぐ

  • 強みが少し伸びる

  • 行動の振れ幅が小さくなる

といった 「調整」や「強化」 に近い変化がほとんどだと感じている。

たとえば、
勇者タイプの人が聖者タイプに完全に入れ替わる、
そんな根本的な属性変化が起きることは、ほぼない。
人にはもともとの傾向や気質があり、それが劇的に反転することは稀だ。


それでも「変わる人」がいる理由

一方で、
ごく一部ではあるが、明らかに変化した人を見たこともある。

その共通点は何だったか。

それは、
外から変えられたのではなく、内側から変わった という点だ。

  • 価値観が揺さぶられた

  • このままではいられない、という必然性が生まれた

  • 自分自身で「変わるしかない」と腹落ちした

こうした 内発動機に根ざした自己変容 が起きたとき、
人は確かに変わる。

ただし、それは
研修を受けたから、
上司に言われたから、
制度が変わったから、
という単純な因果では説明できない。


教育研修は、本当に人を変えているのか

ここで、どうしても次の問いが起動する。

教育研修を価値として提供している組織は、
本当に「変化」を生み出せているのだろうか。

もちろん、
内発動機を刺激する「きっかけ」としての研修は、必要だと思う。
考える材料を与え、視点を広げる役割は間違いなくある。

ただし、
研修後に 実際に変化した社員がどれくらいいるのか
その割合を、私たちは把握できているのだろうか。

  • 何割が行動を変えたのか

  • どの程度の期間、その変化は持続したのか

  • 変わらなかった人は、なぜ変わらなかったのか

こうした問いに、答えられている組織は多くない気がする。


「変容率」は測れないのか

もし、
人財投資の効果を 変容率のような形で可視化 できたらどうだろう。

  • 研修参加者のうち、行動変化が確認できた割合

  • 周囲からの評価が変わった人数

  • 自己認識が更新された兆し

完璧な測定は不可能でも、
一定の指標を持つことは、投資判断を助けるはずだ。

「やっている感」ではなく、
「何がどこまで起きたのか」を問い続ける姿勢こそが、
人財投資の質を高めるのではないかと思う。


人財投資は、思想の表れか

会社によって、
人財への投資が大きいところと、そうでないところがある。

それは、
トップリーダーの考え方なのか、
企業風土なのか、
あるいは過去の成功体験なのか。

この問いを起点に、
「人は変えられるのか」
「変わるとすれば、何が必要なのか」
そんなテーマに、もう少し向き合ってみたいと思った。

答えはまだ出ていない。
ただ、問いを持ち続けること自体が、
マネジメントの責任なのかもしれない。

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