戦略のあり方を考えてみる #34
企業は、社会にとって意味がなければ存在し続けることはできません。
これは当たり前のようでいて、とても重い前提です。
ドラッカーは「企業の目的は顧客の創造である」と言いました。
言い換えれば、企業は“価値を求められ続ける存在”でなければならないということです。
そのために必要なのが、差別化です。
他社とは違う価値を持ち、それを「欲しい」と思ってもらえる形で届けること。
このシンプルな営みの積み重ねが、企業の存在意義をつくります。
■ それでもうまくいかない理由
ただ、現実はそんなに単純ではありません。
いまはVUCAの時代。
何が起きるか分からず、正解も見えづらい。
環境は常に揺れ続けています。
この中で「価値を届け続ける」ことは、想像以上に難しい。
だからこそ必要になるのが、マネジメントです。
マネジメントとは、状況を見ながら目的に向かって舵を切り続ける力です。
■ 戦略は“4次元”で考える
そのマネジメントの中核にあるのが戦略です。
戦略とは、一般的に、
企業の目的や目標を達成のために、現状とのギャップを埋めるために、持ち得た経営資源を活用して、どの様に取り組むべきかの方向性
です。
ここで一つ大事にしている考え方があります。
それは「戦略は4次元で考える」ということ。
点では足りない。
線でも足りない。
面でもまだ浅い。
立体になって、ようやく形になります。
そして最後に、そこに時間軸を加える。
戦略とは、
多角的かつ俯瞰的に捉え、さらに時間軸も考慮した思考で捉えなければなりません。

■ 戦略は仮説であり、複数持つ
戦略に絶対はありません。
だからこそ、複数のシナリオを想定することが重要となります。
✅ 横の戦略:同時並行で動かす複数の施策
✅ 縦の戦略:メイン戦略がうまくいかない場合の次の一手
理想は、横の戦略 3つに、それぞれ、縦の戦略2つを備えたカタチです。
これによって、失敗した際のリスクヘッジ策としての耐性が高まります。

■ 戦略設計は「因数分解」で考える
戦略は“思いつき”ではなく、「因数分解」で論理的に設計する必要があります。
まず前提にあるのは、目的・目標(Goal)です。
そして、それを具体的に測れる形にしたものがKGI(重要目標達成指標)です。
さらに重要なのはここからです。
✅ KGIを分解して、戦略としてのKSF(主要成功要因)を導く
✅ KSFをさらに分解して、戦術としてのKPI(重要業績評価指標)に落とし込む
つまり、Goal → KGI → KSF → KPI という構造で、戦略と戦術はつながっています。
この構造を理解していないと、「KPIは回しているのに成果が出ない」という状態に陥ります。

■ 実は一番難しいのは「実行」
ここまで戦略の話をしてきましたが、実は一番難しいのはシンプルに「やり切ること」です。
PDCAで言えば、DO(実行)です。
戦術であるKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)をやり切ること。
「戦術の失敗は戦略で補えるが、戦略の失敗は戦術で補えない」と言われますが、半分正しくて、半分危険です。
なぜなら、やり切らなければ、それが戦術の問題なのか戦略の問題なのかすら分からないからです。
■ 失敗の扱い方がすべてを決める
だから、失敗を恐れる必要はありません。
そのためにリスクヘッジ策も布いています。
むしろ重要なのは、失敗をどう扱うかです。
失敗から学び、修正し、PDCAを回し続けることです。
その繰り返しの中でしか、戦略は磨かれていきません。
失敗は終わりではなく、次の施策の精度を上げる材料と捉えたいところです。
■ 戦略のあり方
企業には、社会に存在する理由が必要です。
その存在意義を実現するために、戦略があります。
しかし、仮説である戦略には絶対はあり得ません。
戦略は、実行することにより、仮説は検証され、軌道修正することで、より正しい方向に導かれます。
しかし、どんなに優れた戦略であっても、社会環境が変化する可能性もあります。
戦略に必要なのは、変化の中でも妥協することなく自らの存在意義を見失わず、状況に応じて何度でも 軌道修正できる知力 と、それを、やり切る実行力 なのだと思います。
この2つを持てるかどうかで、企業の未来は大きく変わります。
