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アイデア出しに適したDAWソフトを考える


はじめに

普段このnoteでは音楽の話を書いていますが、それは主に「音楽を聴く」方のことを書いています。

しかし今回はDAWソフトの話なので、「作る」方の話となります。
いつも読んでくださっている方には、おそらくつまらない話題になってしまうかもしれません。その点、ご了承ください。

ところで、noteというサイトはまさにノート的な意味がありまして、書くことで自分の考えがまとまることがあります。
とはいえ、誰かに読まれることを前提に書く以上、独りよがりでなく、ある程度は裏を取りながら書くようにしています。

すると不思議なことに、今まで知っていたこと以上のことが頭に入るということがあります。
そこで今回は、自分にとってまだ未熟な分野について、あえて書いてみようと思い立ちました(もちろん、きちんと裏は取ります)。

アイデアを出すためのDAWとは

普段、曲の全部をいきなり作ろうとするアマチュア音楽家はあまりいないのではないかと思います。
なんとなく良いベースができた、とか、ドラムパターンができた、メロディだけできた、いいコード進行ができた、なんてことから曲を作り始めることが結構あると思います。

プロの音楽家の場合、マーケティング上の方向性やクライアントの要望に沿わないものは即ボツかもしれませんが、アマチュアの音楽家の場合は自由にアイデアを練って曲が作れると思います。

この場合、それぞれのアイデアを合わせてみて、合うか合わないかを実験したい、ということがあると思います。
そんなとき、どのDAWソフトウェアを使うべきなのかを考えてみたいのです。

DAW候補を絞る

いきなり結論ですが、主にCubase、Studio Pro、Abletonの3つを軸に考えたいと思います。
「え?DAWソフトって他にもっといろいろあるでしょ?」と思われるでしょう。
しかし、現行のすべてのDAWソフトの比較を書こうとした試みたところ、文章量が膨大になってしまう事に気づきました。
さらに、それぞれの機能比較を始めると、言いたいことの焦点がぼやけてしまいます。

まず、上記3つのソフトに絞った理由を簡単に説明します。
理由その1. Windows用だから
理由その2. EDMアーティストによく使われているから
理由その3.操作が独特でなく(個人的に)理解しやすいから
以上の3点です。

1つ目に関しては、Macだったら当然Logic Proが候補に上がりますが、個人的にMacを使う気があまりないのと、もし使ったとしてもWindowsのDAWとの連携がしづらいので除外します。

2つ目は、単なる好みの問題ではありますが、ちゃんと理由があります。
まず歌ものやバンド音楽をやりたい場合は、今回の記事は読む必要がそもそもあまりない気がします。
なぜなら、ソロのシンガーソングライターでない限りは、バンドのメンバー間でデータのやり取りをすることのほうが、DAW選定において重要になると思うからです。
さらに、生音系の音楽をつくる人の場合、DAW上で色々なアイデアを試すよりは、さっさと楽器を使って録音していけばよいと思うのです。
詳しくはないのですが、おそらくPro Tools、Samplitude、Digital Performerなども候補になると思います。
生音でも「できた録音物をループ素材にして組み立てていきたい」、という場合はやはりEDM的発想ができたほうが有利でしょう。

3つ目は、FL Studioを候補から外した理由ともいえます。FL Studioは所有しているのですが、どうも他のDAWとは設計思想が違うような気がします。使ったことのない人に説明するのは難しいのですが、複数のシーケンサーを同時に走らせているような感じです。
Ableton Liveも多少当てはまるのですが、Abletonの半分(アレンジメント・ウィンドウ)は他のDAWと似ています。
やはりある程度古風なシーケンスソフト的な所もあったほうが、理解しやすいと思います。
ReasonやREAPERも設計思想が違う感じがするのと、個人的に触ったことがないので除外しました。

CubaseとStudio Proは旧来のシーケンスソフトの延長だと思いますので、いままで何かしら使ったことがあれば理解しやすいと思います。

Ableton liveについて

まずAbleton liveは、単純にセッションビューというものでアイデアを出していけばよいと思います。

Liveのセッションビュー

画像のように、出来たアイデアをピアノ1,ピアノ2、3...と縦に(列に)並べるだけです。
それらを他の楽器と試験的に合わせられます。

たとえばピアノ候補2とベース候補4というのがあったとして、それを合わせてみたかったら、両方の「行」を同じにして再生するわけです。

とてもわかり易い反面、これは旧来のシーケンサーに慣れている人からすると、理解しづらいかもしれません。

逆に、これを面白いと思う人はAbletonから離れられなくなる可能性が高いです。
なお、Liveから派生したBitwig Studioというソフトでも「クリップランチャー(Clip Launcher)」という同様の機能があるそうです。

Cubaseについて

Cubaseの場合、2通りのアイデア出しが考えられます。
まず、リアルタイム録音の場合、「MIDIサイクル録音モード」内の「スタック(Stacked)」というものが使えます。
これは本来、何回も録音し直したものの中で、「何テイク目が一番良かったか?」を比較するものなのです。

これを利用して、自由にメロディやソロを弾いてみます。その後で、どれが曲に最も合うかを選ぶ、という事ができます。

2つ目はトラックバージョンです。
これはまさにアイデア出しツールなのですが、たとえばドラムパターンをVersion1からVersion4まで用意して、どれが合うか試せます。



ただし、Abletonのようにループの組み合わせ実験という雰囲気はありません。
ある程度の曲の形が決まってから、差し替えて使うもののような気がします。

ところでこの機能、昔のCubaseには無く、Cubase 7.5(2014年)から導入されたものです。
どうやらPro Toolsのプレイリスト機能を真似て後から作られたっぽいです。

同じくこれに影響に受けた、Digital PerformerやREAPER、Reason、Samplitudeなどにも似た機能は存在するらしいです。

当然Logicにも取り入れられることになったため、Logic Pro X 10.3(2017年)以降には同様の「トラックオルタネティブ」があるそうです。

ところで、こういう機能がなかった昔はどうしていたのでしょうか?。
それは、単に空いたトラックに、没アイデアを避難させていただけだと思います。
あるいは、アレンジ画面の最初の数小節を、実験場として使っていたと思います。
「だったらそれでいいじゃん。つーか、今でもそのほうがわかり易くない?」と言われてしまうと、それまでのことなのですが・・・。

Fender Studio Proについて

Studio Pro (旧PreSonus Studio One)には、ランチャー、スクラッチパッド、トラックレイヤーの3つのアイデア出し機能があります。

ランチャーは比較的Abletonのセッションビューに似ていて、セルというループの単位を、効果音のポン出し的に試せます。
Abletonのセッションビューの縦横が逆になったような感じでしょうか。と言ってもわかりにくいですよね。
画像だとこんな感じです。

Bitwig Studioの「クリップランチャー」にも当然似ています。というか同じものだと言っても良いかもしれません。
実はLogicにも2020年にLive Loopsという類似の機能が追加されています。

次のスクラッチパッドというものは、アレンジを入れ替えたりできるものです。曲のアイデアというよりは、曲の構想そのものです。
「AメロのあとにBメロが来てサビが来るのがよいか、いきなりサビが来てからAメロに入ったほうがいいか・・・」なんてのを実際に比較して試せるわけです。大きな区切りで実験するわけですね。

実はCubaseにもアレンジャートラックという似たような機能があるのですが、Studio Proのほうが細かく無制限に出来る分、やや柔軟な気がします(要検証)。

最後のトラックレイヤーは、先程のCubaseのトラックバージョンと同じと考えて良いと思います。
たとえばピアノ伴奏トラックに、別の伴奏パターンを数個入れておいて、どれが合うか曲に当てはめてみることができるわけです。

結論

以上のことから考えると、機能の多いStudio Proが最強に思えるのですが、そうとも限りません。
なぜなら、複数DAWの使い分け、という方法もあるからです。

たとえばアイデアを出すことに特化すれば、やはりAbleton Liveは視認性が一番良いと思います。

また候補から外したFL Studioも、DAWではなくパターンシーケンサーだと考えた場合、遊び半分でアイデアをいじり倒す使い方には向いていそうです。
また、僕は使ったことはありませんが、Bitwig Studioもいいと思います。

この辺は精神面なども影響すると思います。
「AKAIのMPCがないと始まらない」という人もいるわけですからね。
自分にとって気が楽なものを優先したいところです。

出来あがったアイデアを、今度は大規模なアレンジにしたい、というときは、またそれに適した他のDAWソフトに移動すると良いと思います。

いちいちDAWを切り替えずに色々試したい人にはStudio Proが良い気がします。
あるいは、「トラックのアイデアの候補を、複数確保できれば良い」というだけの場合は、どのDAWでも問題ないかもしれません。

おそらく、自分なりのやり方を見つけるほうが、スペックよりも大事なのだと思います。
「曲を作るぞ!」と意気込まなくても、DAWソフト自体をゲームをやるような感覚でいろいろ試してみたら面白いのではないか、とも思います。
体験版で一つ一つ試してみるのも手かもしれません。


今回の記事はここまでとなります。
参考になりましたら幸いです。
とはいえDAWはとても奥が深いですので、あくまでも参考のひとつ程度に思っていただければと思います。
それではまた!


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