昔の景色が、今を思い出させてくれた―#疑問が学びに変わるとき―
学びって、
何かを教わった時にだけ
起こるものなんやろうか。
わたしの場合は、
子どものひとことに
「あれ?」
と思ったところから
ひとつの学びが始まった。
ある日、
フリースクールの学童へ
子どもを送っていく途中、
約束していた勉強道具を
家に置いてきたことを知った。
「え?!」
となったわたしは、
基礎的なことは
学んでおいた方がいいと思う。
そんな自分の考えを
子どもに話した。
今思えば、
子どもの未来を心配して
「今、やっておいた方がいい」
という気持ちが
先走っていたんやと思う。
子どもは
言葉少なに聞いていた。
そして、
フリースクールに着く頃には、
さっきまで前を歩いていた足が
だんだん重くなっていた。
「行くのが怖くなった」
涙目で
そう言った。
あぁ。
わたしが
いらんこと言うたからやな。
すぐに氣づいた。
子どもは、
行きたい。
でも行きたくない。
帰りたくない。
「ずっとここにいる」
と言って、
道の真ん中から
動かなくなった。
「ママが居ないし」
その姿を見た瞬間、
ずっと前に見ていた
行き渋りの頃の景色が
目の前に
戻ってきたようだった。
でも、
後戻りしたとは
思わなかった。
なんだか、
忘れていた大切なことを
思い出すために、
昔の景色を
もう一度
見せてもらっているように感じた。
何もなく、
楽しそうに
フリースクールへ行ってくれること。
安心して
わたしから離れて
過ごせる場所があること。
あんなに
願っていた景色やったのに、
わたしはいつの間にか
それを当たり前にしていたんやな。
そして、
その当たり前の上に立って
もっと学んだ方がいい。
今やっておいた方がいい。
いつの間にか
その先の未来を見ていた。
少し前に、
「いつも自分の未来のために生きたい?」
という文章を書いた。
まだ見えない未来のために
今を選び続けるより、
今ここで感じていることも
大切にしたい。
そんなことを
書いたばかりだった。
なのに今日、
子どもの未来を心配して
「今やっとくべき!」
ってなってるわたし。
自分で書いた問いに、
自分で引っかかっていた。
その時、
思った。
問いから見えた景色って、
氣づいたら
それで終わりじゃないんやな。
一度わかったつもりになっても、
日常の中で
また出逢い直す。
むしろ、
問いの続きを
日常が見せてくれるのかもしれない。
わたしは、
自分の感情が先走って
傷つけてしまったことを謝った。
そして、
どれだけ大切に思っているかも
伝えた。
しばらくして、
今日は行かないことにして
一緒に帰り道を歩いた。
その後は、
もともと行く予定だった
買い物へ。
一緒におもちゃを見たり、
お菓子を見たりして
楽しく過ごした。
その帰り道、
子どもが言った。
「今日行かんことになって
こっちで良かったかもしれへん」
そして家に帰ると、
本来なら
フリースクールへ行っていて
会えなかったはずのクラスメイトが
遊びに来た。
夕方まで
めちゃくちゃ楽しそうに
遊んでいた。
今日行かなかったから
出逢えた時間もあった。
そして夜。
子どもが突然、
「勉強する」
と言い出した。
楽しそうに
自分から勉強している。
朝のわたしが
あんなに心配していたことを、
夜になった子どもが
自分のタイミングで
勝手にやっていた。
時間にしたら
10分ほど。
でも、
自分から
「やろう」と思って、
自分で始めて、
楽しみながら学んだ10分。
わたしには、
とても貴重な
経験のように見えた。
「学ぶ」ということは、
大人が必要だと思った時に
子どもを動かすことだけでは
ないのかもしれない。
未来のために
今を動かそうとしなくても、
今を生きたその先に
また何かが
巡ってくることもある。
そして子どもは、
10分ほどで勉強を終え、
満足そうに
ゲームへ戻っていった。
笑。
今日という一日は、
うまくいかなかった一日でも
前に進めなかった一日でもなく、
未来ばかり見ていたわたしに、
昔の景色が
「今ここにあるもの」を
思い出させてくれた一日だった。
あの日から、
「将来のために、
今を動かすこと」
について、
時々立ち止まって考えるようになった。
疑問って、
すぐに答えを出すためだけに
あるんじゃないのかもしれない。
自分が当たり前だと思っていたことに
「あれ?」と立ち止まる。
そこから、
今まで見えていなかったものが
少しずつ見えてくる。
問いの答えは、
書いた言葉の中だけに
あるんじゃなくて、
こうして
暮らしの中を巡りながら、
何度でも
出逢い直していくものなのかもしれない。
わたしにとって、
疑問が学びに変わる時は、
何か新しい答えを
手に入れた時というより、
当たり前だと思っていた景色を
もう一度見直した時なのかもしれない。
今日も、
問いが光った🌳✨
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