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【南アルプス南部】赤石岳・聖岳・上河内岳・茶臼岳|62.9km・3日間でつなぐ南アルプスの稜線

天気予報は、最後まで悩ましいままでした。

それでも選んだのは、南アルプス。

沼平から椹島へ入り、赤石岳、聖岳、上河内岳、茶臼岳をつないで3日間。

最後に待っていたのは、それまでのモヤモヤを一気に晴らしてくれる青空でした。


はじめに

夏の山は、天気予報とのにらめっこから始まります。

2026年のお盆休みも、台風の影響などで予報が安定しません。

どこへ行くか悩んだ末、今回は南アルプス南部を歩くことにしました。

理由はいくつかあります。

ひとつは、これまで分けて歩いていた区間を、今回はひとつにつなげてみたかったこと。

もうひとつは、ちょうどTJARの開催期間と重なっていたことです。

日本海から太平洋まで、南アルプスを含む長大な山域を選手たちが進んでいます。

同じ山域を歩きながら、その姿を応援できるのも今回の楽しみでした。

ルートは、

沼平 → 椹島 → 荒川小屋 → 赤石岳 → 聖岳 → 聖平小屋 → 上河内岳 → 茶臼岳 → 沼平

という3日間の縦走。

距離は62.9km。

累積標高は6,057m。

決して楽な行程ではありませんが、南アルプスらしい深い山と長い稜線をまとめて歩くことができました。

この記事では、実際に歩いて感じたコースの特徴や注意点、3日間の様子をまとめます。

赤石岳から聖岳、さらに上河内岳・茶臼岳までつなげて歩いてみたい方の参考になればと思います。


赤石岳・聖岳・上河内岳・茶臼岳とは

今回歩いたのは、南アルプス南部を代表する山々です。

赤石岳は標高3,121m。

南アルプスを代表する高峰のひとつで、日本百名山にも選ばれています。

聖岳は標高3,013m。

こちらも日本百名山で、南アルプスの南側に位置する3,000m峰です。

その間には小赤石岳、百間平、中盛丸山、小兎岳、兎岳など、いくつものピークが連続します。

さらに聖平から南岳、上河内岳、茶臼岳へ進むと、南アルプス南部から静岡側へとつながっていきます。

上河内岳からは赤石岳や聖岳を振り返ることができ、歩いてきた稜線を一望できるのが大きな魅力。

茶臼岳まで来ると、深南部の山々もぐっと近く感じられます。

一座だけを目指す登山とは違い、歩いてきた山々を振り返りながら次の山へ進んでいく。

今回の縦走では、そんな南アルプスらしい山歩きを楽しむことができました。


山行概要

山名:赤石岳・聖岳・上河内岳・茶臼岳ほか
山域:南アルプス南部
日付:2026年8月14日(金)〜16日(日)
天候:

1日目:曇り・一時雨
2日目:曇り・ガス
3日目:晴れ

コース:

1日目:
沼平→椹島→赤石小屋→小赤石岳→荒川小屋【テント泊】

2日目:
赤石岳→百間平→中盛丸山→小兎岳→兎岳→聖岳→小聖岳→聖平小屋【テント泊】

3日目:
南岳→上河内岳→茶臼岳→茶臼小屋→横窪沢小屋→ウソッコ沢小屋→ヤレヤレ峠→沼平

行動データ

距離:62.9km
累積標高:+6,057m/−6,055m
実際の行動時間:30時間10分

標準コースタイム:39時間25分

体力度:★★★★★

3日間で距離62.9km、累積標高6,000m超となるため、体力だけでなく天候や時間を見ながら進む判断も必要になります。

おすすめ度

★★★★★

おすすめしたい人

・南アルプスの長い稜線を歩きたい人
・赤石岳〜聖岳を縦走したい人
・複数の山をつないで歩くのが好きな人
・テント泊で長距離縦走を楽しみたい人


コース全体図

YAMAPより抜粋

沼平から東俣林道を歩いて椹島へ入り、赤石岳方面へ登ります。

荒川小屋で1泊。

2日目は赤石岳から聖岳まで稜線をつなぎ、聖平小屋で2泊目。

3日目は南岳、上河内岳、茶臼岳を経て沼平へ戻ります。

南アルプス南部を大きく周回するようなルートです。


この山を選んだ理由

今回、一番悩んだのは行き先でした。

夏の山は天気次第。

台風の影響もあり、予報を見てもなかなか決めきれません。

それでも最終的に選んだのは南アルプスでした。

南アルプスなら、天気が多少すっきりしなくても深い山を歩く楽しさがあります。

そして今回は、もうひとつ楽しみがありました。

TJARの開催期間と重なっていたこと。

日本海から太平洋まで、山を越えて進む選手たちと同じ山域を歩くことになります。

応援できるのも楽しみでした。

そして何より、これまで何度かに分けて歩いてきた区間を、今回は3日間かけてひとつにつなげてみたかった。

山を一座ずつ登るだけではなく、地図の上で途切れていた線を実際に歩いてつなぐ。

今回も、そんな自分なりの山歩きです。


コースの様子と感想

沼平〜椹島|約16kmの長いアプローチ

午前2時29分。

まだ暗い沼平を出発します。

近くで準備しているグループを見ると、見覚えのある顔が。

なんと、1年前に北アルプスの平ノ小屋でお会いしたグループでした。

まさか1年後に南アルプスで再会するとは。

お互いに驚きながら出発します。

そこからは長い東俣林道。

赤石ダムを通過し、ひたすら歩きます。

約16km歩いて、ようやく登山口。

ここからが本番です。

長い林道を歩き、ようやく登山道に入ります

椹島〜赤石小屋〜小赤石岳

登り始めてしばらくすると、颯爽と下ってくる方がいました。

見覚えがあります。

なんと、ちょうど1年前に黒部を周回した際にお会いした方でした。

またしても南アルプスで再会。

山を歩いていると、思いがけない場所で知り合いに会うことがあります。

そんな偶然も、長い縦走の楽しみのひとつです。

途中で冷えたゼリーとどら焼きをいただき、赤石小屋で少し休憩。

富士見台まで来ると、雨が降る前に荒川小屋へ着きたいという気持ちが強くなります。

最後のひと登りに入ったところで、予定より少し早く雨。

急いで進みます。

すると登山道にライチョウが。

こちらも突然の出会いに驚きました。

予定より少し早く雨が…

小赤石岳〜荒川小屋|TJARの選手と出会う

小赤石岳へ向かっていると、初めてTJARの選手とスライドしました。

一人でもくもくと歩いています。

日本海からここまで、自分の足だけで進んできた。

その姿を間近で見ていると、想像以上に孤独な闘いなのだと感じました。

さらに荒川小屋へ向かう途中でも選手とすれ違います。

日本海からここまで歩いてきたと思うと、本当にすごい。

自分も同じ山域を歩いているからこそ、その距離の長さを少しだけ想像することができました。

荒川小屋に到着してテントを設営。

夕食はアルファ米だけでは少し味気ないので、トマトハンバーグとカレー肉味噌を追加しました。

山で食べると、これがなかなかいい。

その後、TJARの選手を見送りました。

帰りの車で選手たちの後ろ姿を追い越したとき、ここまで歩いてきた距離を思い、込み上げてくるものがありました。

赤石岳へ登るTJARの選手

2日目|赤石岳〜聖岳

午前3時39分。

2日目も長いので、まだ暗いうちに出発します。

朝一番から小赤石岳への登り返し。

なかなか手強い。

赤石岳に到着しましたが、湿気が多く、雨が降りそうな空模様です。

避難小屋でレインウェアを着て先へ進みます。

このあたりを歩くのは5年ぶり。

以前歩いたはずなのに、すっかり忘れている場所も多く、新鮮な気持ちで歩くことができました。

湿気が多い中、百間平を目指します

百間平〜百間洞山の家

百間平はガスの中。

標高を下げていくと、少しずつガスの下へ出て視界が開けてきました。

百間洞山の家に到着すると、また見覚えのある方が。

厳冬期の光岳でお会いした男澤さんでした。

以前の山行を覚えていてくださり、嬉しかったです。

写真を撮っていただき、

「光小屋で飲みましょう」

とお別れ。

こういう再会があると、長い縦走も少し楽しくなります。


中盛丸山〜小兎岳〜兎岳

百間洞山の家から登り返して中盛丸山へ。

さらに小兎岳、兎岳とアップダウンが続きます。

途中、またライチョウに遭遇。

今度はオスが2羽。

しばらく足を止めて眺めてしまいました。

兎岳を越えると、さらに険しい印象になります。

赤い石が多く、南アルプスらしい景色。

白いタカネビランジも咲いていました。

ライチョウのオスが2羽

兎岳〜聖岳〜聖平小屋

最後に待っていたのが聖岳への登り返し。

ここがなかなか手強かったです。

それでも登り切って聖岳へ。

標高を下げていくと、少しずつ晴れ間が見えてきました。

聖平小屋に到着。

テントを張って、ようやくひと息です。

夕食は白米にカレー肉味噌。

シンプルですが、山で食べるとこれがいい。

明日に備えて休みます。


3日目|南岳〜上河内岳〜茶臼岳

午前3時48分。

テントを出ると、雲海の上に富士山が見えています。

今日は期待できそうです。

地平線には雲が多く、日の出に間に合うか微妙なところ。

それでも南岳へ向かって歩きます。


南岳の日の出

なんとか日の出に間に合いました。

南岳から見る日の出。

富士山の左側から太陽が昇ってきます。

2日間すっきりしなかった天気が、ここで一気に変わりました。

青空が広がります。

昨日までのモヤモヤが、一気に晴れていくようでした。

南岳から見る日の出

南岳〜上河内岳

光岳、そして深南部の山々。

見慣れた山々が見えると、やっぱり嬉しくなります。

山友さんが、

「上河内岳が影になっているよ」

と教えてくれました。

山に大きな影が落ちています。

振り返れば、聖岳、兎岳、赤石岳。

昨日まで歩いてきた山々が大きく見えます。

3日間の縦走だからこそ見られる景色。

上河内岳に到着すると、深南部の山々がぐっと近くなったように感じました。

大きな聖岳と、さっきまでいた南岳を見下ろします。

富士山と白根南嶺の稜線も綺麗に見えました。

大きな聖岳と、さっきまでいた南岳を見下ろします

上河内岳〜茶臼岳

さらに進むと茶臼岳が大きく見えてきます。

振り返れば、

兎岳、聖岳、上河内岳。

3日間かけて歩いてきた山々が、一つの景色としてつながっていました。

茶臼岳からは、大無間山、大根沢山、信濃俣など、深南部の山々も近く感じられます。

ここまで来ると、今回の縦走も終わりが見えてきました。

深南部の山々

茶臼岳〜沼平

茶臼小屋では、ITJへ一緒に参加した山友さんと再会。

最後に嬉しいひと時でした。

ここから一気に下山します。

途中の階段は、年々悪くなっているような印象。

ヤレヤレ峠まで来ると、

「何回歩いてもヤレヤレするな」

と思います(笑)。

そして個人的に最後の難関を越え、沼平へ。

東俣林道を少し歩いてゴールです。

下山後は白樺荘へ。

温泉で汗を流し、カツ丼をいただきました。

温泉で汗を流し、カツ丼をいただきました

コース状況・注意点

東俣林道

沼平から椹島までは約16km。

長い林道歩きになるため、ここだけでもかなり体力を使います。

今回、東俣林道は歩行可能でした。

ただし、林道の通行条件は変わる可能性があるため、必ず最新情報を確認してください。

椹島〜赤石小屋

登山口から赤石小屋までは登りが続きます。

途中に「1〜5」の標識があり、登りの目安になります。

赤石小屋〜小赤石岳

富士見台を越えた後、最後にもうひと登りあります。

斜度が一段上がるため、疲れているところでは意外と堪えます。

荒川小屋の水場

今回、水量が少なく感じました。

水場の状況は季節や天候によって変わるため、事前に最新情報を確認した方が安心です。

赤石岳〜聖岳

今回の縦走で体力的に大きなポイントになる区間。

百間平から中盛丸山、小兎岳、兎岳、聖岳と、アップダウンが何度も続きます。

特に聖岳への最後の登り返しは、疲れた脚には堪えます。

上河内岳

登山道から少し外れて山頂へ向かいます。

ただし、山頂からの眺望は素晴らしく、天気が良ければ立ち寄る価値の高いピークです。

茶臼岳〜沼平

茶臼岳から先は長い下山。

途中には急な階段や沢沿いの区間もあります。

最後まで気を抜かずに歩きたいところです。


コース状況まとめ

道迷いリスク:★★★☆☆

体力必要度:★★★★★

危険箇所:★★★★☆

眺望:★★★★★

静けさ:★★★★☆

おすすめ季節:7月〜9月

※2026年8月時点の情報です。
林道の通行状況、水場、登山道の状態などは変化する可能性があります。山行前に必ず最新情報を確認してください。


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振り返り

今回の3日間は、天気に悩みながら始まりました。

1日目は雨。

2日目はガス。

それでも最終日は、そんなモヤモヤをすべて吹き飛ばすような青空でした。

南岳からの日の出。

上河内岳からの大パノラマ。

茶臼岳から振り返った、赤石岳、聖岳、そして歩いてきた稜線。

3日間かけて歩いたからこそ、ひとつひとつの景色に「ここまで歩いてきた」という実感がありました。

そして今回は、山だけではなく、人との再会も印象に残りました。

1年前に北アルプスでお会いしたグループ。

黒部でお会いした方。

厳冬期の光岳でお会いした男澤さん。

そして茶臼小屋で再会した山友さん。

さらに、TJARの選手たち。

山を歩いていると、思いがけない場所で人と再会することがあります。

それも、長い縦走の楽しみのひとつなのかもしれません。

これまで分けて歩いていた区間を、今回は3日間かけてひとつにつなぐことができました。

天気に悩みながら選んだ南アルプスでしたが、終わってみれば、とても思い出深い3日間。

素敵な3日間をありがとうございました。


おわりに

静岡の山を中心に、
毎週末、稜線を歩いています。

派手な山よりも、
静かな山・深い山・条件を読む山行が好きです。

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