【北アルプス】黒部五郎岳|新穂高から50.3km・ラーメンと絶景を求めて黒部五郎小舎へ
「今日は登らないほうがいいかな」
黒部五郎小舎に到着したときは、どんよりとした空でした。
翌朝の天気予報は良い。
だから、黒部五郎岳は明日の朝に登ればいい。
そう思ってテントで昼寝をしました。
目を覚ますと、空には青空が広がっていました。
「今、行かなければ後悔する」
そう判断して、夕方から黒部五郎岳へ向かいました。
結果は大正解。
雲ノ平を見下ろす絶景と、黒部五郎小舎のラーメン。
今回は、その二つを目的に歩いた50.3kmの山行です。
はじめに
黒部五郎岳は、北アルプスの奥深くにある標高2,839mの日本百名山です。
今回は新穂高を起点に、わさび平、鏡平、双六岳、三俣蓮華岳を経由して黒部五郎小舎へ。
そこでテント泊をして、天候を見ながら黒部五郎岳へ登りました。
当初は翌朝のサンライズ登頂を予定していましたが、午後になって天候が急回復。
夕方から山頂へ向かい、雲ノ平を見下ろす素晴らしい景色に出会うことができました。
翌朝は予報通り、黒部五郎岳がガスの中。
山では、計画通りに歩くことだけが正解ではありません。
その日の空を見て、歩くタイミングを変える。
今回は、そんな判断が印象に残った山行でした。
黒部五郎岳とは
黒部五郎岳は、富山県と岐阜県の県境付近に位置する標高2,839mの山です。
日本百名山の一座で、山頂周辺からは薬師岳、水晶岳、鷲羽岳、三俣蓮華岳、槍ヶ岳など、北アルプスを代表する山々を広く見渡せます。
特に印象的なのが、山頂から眺める雲ノ平。
北アルプスの名峰に囲まれた雲ノ平を高い位置から俯瞰でき、山深い場所まで歩いてきたことを実感できます。
そして黒部五郎カールの雄大な地形も、この山の大きな魅力。
黒部五郎小舎と合わせて、山頂だけではなく「そこまで歩く過程」も楽しみたい山です。
山行概要
山名: 黒部五郎岳
標高: 2,839m
山域: 北アルプス
日付: 2026年8月22日〜23日
天候: 曇り・晴れ・ガス
コース: 新穂高〜わさび平〜鏡平〜双六岳〜三俣蓮華岳〜黒部五郎小舎〜黒部五郎岳 往復
宿泊: 黒部五郎小舎テント場
行動データ
距離: 50.3km
累積標高: +3,807m/−3,810m
総時間: 22時間37分
実歩行時間: 約17時間38分
標準コースタイム: 26時間09分
体力度
★★★★★
長距離を歩く体力が必要です。
おすすめ度
★★★★★
おすすめしたい人
北アルプスの奥深い場所を歩きたい
雲ノ平を上から眺めたい
双六岳・三俣蓮華岳と合わせて歩きたい
テント泊をしながら長距離を歩きたい
コース全体図

この山を選んだ理由
今回、黒部五郎岳を選んだ理由はシンプルです。
ひとつは、黒部五郎岳からの景色を見たい。
もうひとつは、黒部五郎小舎のラーメンを食べたい。
以前、山友さんからおすすめされていた黒部五郎小舎のラーメン。
「山の中で食べるラーメンって、どんな味なんだろう」
そんな興味もありました。
最近は南アルプスを歩くことが多かったので、今回は少し気分を変えて北アルプスへ。
天気予報も北アルプスのほうが良さそうだったため、黒部五郎岳を目指しました。
新穂高から鏡平、双六岳へ
今回は鍋平高原の登山者用駐車場からスタート。
まだ暗い早朝に新穂高へ下り、わさび平を目指します。
左俣林道を歩き、そこから小池新道へ。
小池新道はよく整備されていて歩きやすい一方、そこへ至るまでの林道が長い。
鏡平まで登ると、少しずつ視界が開けてきました。
笠ヶ岳が大きく見え、振り返れば乗鞍岳や焼岳。
さらに進むと槍ヶ岳が姿を見せます。
双六岳へ登ると、稜線の先に槍ヶ岳。
何度見ても、この景色はいい。
そこから三俣蓮華岳へ向かいます。
次第にガスが増えてきました。
それでも三俣蓮華岳からは、水晶岳、鷲羽岳、雲ノ平、そして薬師岳。
北アルプスの奥深さを感じる景色が広がっていました。

双六岳から三俣蓮華岳へ
三俣蓮華岳山頂からは水晶岳と鷲羽岳が大きく見え、その奥には雲ノ平。
さらにその向こうには大きな薬師岳。
雲ノ平には雲ノ平山荘が小さく見えています。
北アルプスの奥深さを感じる景色です。

黒部五郎小舎で念願のラーメン
三俣蓮華岳から一気に下り、黒部五郎小舎へ。
ここまで来れば、今回の目的のひとつまであと少しです。
そして念願のラーメン。
山の中で食べるラーメンは、やっぱり美味しい。
まずは目的をひとつ達成しました。
テントを設営し、次に考えるのは黒部五郎岳へ登るタイミングです。

黒部五郎岳へ行くか、明日にするか
到着したときは、どんよりした曇り空。
この状態で登っても、眺望は期待できそうにありません。
そこで、いったんテントで昼寝をしました。
当初考えていたのは、
到着した日の午後
サンセット
翌朝のサンライズ
の3パターン。
出発前の予報では、翌朝が一番良さそうでした。
ところが、目を覚ますと空が変わっています。
青空が広がっていました。
「これは行かないと後悔する」
明日のことは明日考えることにして、夕方から黒部五郎岳へ向かいました。

黒部五郎カールを越えて山頂へ
登っていくと、稜線に出たところで薬師岳が大きく見えてきました。
黒部五郎カールも素晴らしい。
夕方の光に照らされたカールは、昼間とはまた違った雰囲気です。
サンセットにも間に合いそうでした。
そして黒部五郎岳の山頂へ。

黒部五郎岳から雲ノ平を見下ろす
今回、一番見たかった景色です。
山頂から雲ノ平を見下ろします。
水晶岳、鷲羽岳、三俣蓮華岳。
その奥には大きな薬師岳。
さらに遠くには剱岳や立山も見えています。
北アルプスの名峰に囲まれた雲ノ平を上から眺めると、
「黒部五郎岳って、絶好の雲ノ平展望台なんじゃないか」
そんなことを思いました。
ここまで歩いてきた距離も、疲れも、一度忘れてしまうような景色。
「登ってきて良かった」
素直にそう思いました。

山頂で天気予報を確認すると……
山頂では電波が入りました。
そこで翌日の天気予報を確認します。
すると驚いたことに、予報が変わっています。
出発前は良いはずだった翌朝が、ガス予報に。
「昨日登っておいて本当に良かった」
山の天気は変わります。
だからこそ、現地で空を見て判断することも大切なのだと思います。
月明かりの中を黒部五郎小舎へ
山頂から下る頃には、すっかり暗くなっていました。
月明かりが綺麗だったので、しばらくヘッドライトを点けずに歩きます。
静かな山の中。
月明かりだけを頼りに歩く時間も、なかなかいいものです。
黒部五郎小舎に戻ると、小屋の方から「どこから来られたんですか?」と心配されてしまいました。
ご心配をおかけしました。
無事にテントへ戻り、そのまま眠ります。

翌朝、黒部五郎岳はガスの中
予報通り、黒部五郎岳はガスに包まれていました。
雲ノ平は見えているのに、山頂付近だけがガスの中。
まるで緞帳が下りたようです(笑)。
今回は無理に登り返さず、そのまま下山することにしました。
三俣蓮華岳と双六岳も、ガスの状況を見て巻き道を選択。
「せっかく来たから全部歩く」
だけが正解ではありません。
その日の状況を見て、歩く場所を変える。
今回もそんな判断をしました。

少しずつ晴れていく北アルプス
双六小屋を過ぎる頃には、少しずつガスが晴れてきました。
雲の切れ間から槍ヶ岳が姿を見せます。
鏡平山荘に着く頃には、かなり良い天気に。
槍ヶ岳もはっきり見えました。
今年歩いた穂高の稜線を眺めながら、
「また来ます」
と心の中でつぶやきます。
長い山行の最後に、もう一度北アルプスの景色を見せてもらえました。

コース状況・注意点
左俣林道
新穂高からわさび平までの林道はかなり長く感じます。
大きく標高を上げる区間ではありませんが、距離があるため地味に体力を使います。
小池新道
よく整備されていて歩きやすい登山道です。
ただし鏡平まではしっかり登るため、序盤だからとペースを上げすぎないほうがよさそうです。
双六岳
双六岳には巻き道があります。
天候、体力、時間に応じてルートを選択できます。
三俣蓮華岳〜黒部五郎小舎
三俣蓮華岳から黒部五郎小舎までは一気に下ります。
逆方向では、その分だけ登り返すことになります。
黒部五郎岳
黒部五郎小舎から山頂を往復する場合、天候によって景色が大きく変わります。
今回のように、時間に余裕があれば天候を見ながら登頂タイミングを考えるのもひとつの方法だと思います。
ただし、夕方からの登山や暗くなってからの下山は、十分な装備と経験、余裕を持った計画が必要です。
鍋平高原の登山者用駐車場
無料
約600台
トイレあり
今回はここからスタートしました。
コース状況まとめ
道迷いリスク:★★☆☆☆
体力必要度:★★★★★
危険箇所:★★★☆☆
眺望:★★★★★
静けさ:★★★☆☆
おすすめ季節:7月〜10月頃
※2026年8月時点。登山道・駐車場・山小屋などの状況は変わる可能性があります。最新情報を確認してから入山してください。
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振り返り
今回の目的は二つ。
黒部五郎小舎のラーメンを食べること。
そして、黒部五郎岳から雲ノ平を見ること。
ラーメンは予定通り。
黒部五郎岳は、予定を変更して夕方に登りました。
最初から決めた通りに歩くのではなく、そのときの空を見て判断する。
今回の山行では、それがうまくいきました。
翌朝の予報が変わっていたのを山頂で知ったときは、
「昨日登っておいて本当に良かった」
と思いました。
山では、予定通りにいかないことがあります。
だからこそ、少し余白を残しておく。
そして、そのときの状況を見て決める。
そんな歩き方も悪くないなと思います。
今回はラーメンと絶景。
二つの目的を、どちらも無事に達成できました。
素敵な二日間をありがとうございました。
おわりに
静岡の山を中心に、
毎週末、稜線を歩いています。
派手な山よりも、
静かな山・深い山・条件を読む山行が好きです。
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