見出し画像

【人材育成: 汎用的基礎スキル構築シリーズ】 第5回

人材育成(人財づくり)の今回のテーマは「論理思考を身につける」です。
SE時代から現在に至るまでに経験してきたツールの紹介を交えながら、論理思考の必用性や利用する場面の例などを綴りたいと思います。
 
(1)「論理思考」  って何?
   あなたの強みはなんですか? と尋ねられたときどうしますか?
 持っている知識や経験の中から特に秀でているものを強調して説明しようとすると思います。このときに、何を、どのように組み立て、どこを重点的に(強調して)話そうか? と頭の中で組み立てると思います。 そこには生い立ち(時間軸)、興味・趣味などその強みが生まれた背景将来の目標などで組み立てたりしますね。 更に、信頼度を高めるためにライセンスや師匠(学びの館)なども付け加えたりします。 また、どのような質問が飛んでくるか? どのように応えるか? いろいろと構えてしましますね。 頭の中をぐるぐると思いが巡り、説明の手順や関連付けなどを一瞬のうちに組み立てますね。 これが論理思考です。
 簡単な事柄であれば即席で組み立てられますが、複雑なものになれば事前に論理を組み立て資料に纏めると思います。
ニーズや場面によっても論理展開の形が異なります。
 
(2)どのような場面で使えるのか?
 実務で論理思考が威力を発揮する場面はしばしば発生します。 そのいくつかの場面を紹介します。
 👉️問題解決・原因究明(Where / Why / How)
「何が起きているか(構造化)」を捉え、「なぜ起きたか(因果関係)」を特定し、「どうするか(策の立案)」へと段階的にアプローチする場面。
日常的・継続的カイゼン活動の場面で大活躍します。
 👉️意思決定・資源配分(トレードオフの評価)
 限られた予算や時間、人材をどこに投下すべきか、複数の選択肢を比較・評価する場面。普段の買い物(スマフォ、PCなど高付加価値のものなど)をするときに比較検討していますね。
 👉️合意形成・交渉(理由と主訴の一致)
 立場の異なる関係者に対し、感情論ではなく「前提・根拠・結論」のセットを提示して納得を得る場面。お客様へのプレゼンの場面。 社内関係部門へのプレゼンなど。
 👉️新規企画・戦略立案(全体像と依存関係の把握)
 未知の市場や新規事業において、要素同士がどう影響し合っているかモデル化する場面。 検討漏れ(不足)の発見。
 経験や知見がない分野にチャレンジする場合、仮説の検証を積み上げながら全体像を組み立てていくような場面。
 
(3)そもそも論理思考の「必要性」とは何か?
  ツール(樹木図や表)を作成すること自体は目的ではありません。
  項番(1)(2)で述べたことから概ね理解していただけたと思いますが、論理思考の必要性(根底にある本質的な)は、次の3点に集約されそうです。
 Ø  認知のバイアス(思い込み)の排除
  人間は直感や経験則に頼ると「都合の良い情報だけを集める(確認バイアス)」傾向があります。論理思考は、前提条件を客観的に検証し、誤った判断を防ぐ安全装置です。
  網羅性の向上(品質評価尺度などを網羅的に整理)
  ・・・ 設計、製造、検査など後工程に欠点のあるものを流さないための評価基準に。
 Ø  「再現性」のある意思決定
  「なんとなくうまくいった」では再現できません。成功や失敗の理由を構造化して言葉に残すことで、組織として再現可能な知見(ナレッジ)へと変換できます。どうすれば成功するか(どうしたら成功したのか)・・・記録を残す。
 Ø  コミュニケーション品質の向上(認知負荷の軽減)
  論理的に整理された情報は、受け手の脳の処理負荷を劇的に下げます。主観や感覚のズレによる手戻り・摩擦をなくすために必要です。 ここでも5W3Hが活きてきます。
 
(4)どのようなツールがあるのか?
  図1に代表的なツールを紹介します。

  👉️ロジックツリー/ピラミッドストラクチャー(物事を深堀り)
  細分化の切り口: 要素/ 機能/ 特性/ 方法などで細分化
  ・Whatツリー:物事を要素に分けて分解する。組織図などが該当する
  ・Whyツリー :問題の根本原因を探る場合に活用。「なぜ?」で原因を分解する
  ・Howツリー :解決策や改善策を導く場合に活用。下位になるほど具体的な行動になる。

 👉️ グルーピング(類似するものを束ねる)
バラバラになっている文字などの情報をある要素で括り束ねる
 ・グループ化の要素: 機能/ 特性/ 地域/ 組織 など
 

  👉️プロセスフロー(手続きの順序を明示)
  ・各プロセス(機能)を実行する順序を決定。
  ・各プロセス間の関係性を示す。
   シリアル実行: 前プロセス、後プロセスの明確化
   パラレル実行: 同時進行可能なプロセスの明記および前後の関連プロセス
 
(5)更に、論理思考を深める方法
今までに挙げたツールは「要素分解」や「整理・分類(フレームワーク)」の領域に位置します。これらとは異なるアプローチで論理思考を捉える視点や学習法があります。

 《思考のパラダイムを広げるアプローチ》
 
 👉️仮説思考(Hypothesis Thinking)
情報を集めてから分解するのではなく、「まず仮説(仮の答え)を立て、それを検証するために必要なデータだけを集める」逆算型の思考法です。分析の無限ループを防ぎ、スピードを飛躍的に高めます。

  👉️批判的思考(クリティカル・シンキング)
 枠組みに当てはめる前に、「そもそも問いの設定は正しいか?」「隠れた前提条件(アンコンシャス・バイアス)はないか?」と、思考の前提そのものを疑う姿勢です。

  👉️システム思考(System Thinking)
 要素を要素へ細かく分解(要素還元主義)するのとは対照的に、「要素同士の相互作用やループ構造(因果ループ)」全体を捉える思考法です。Aを直すとBが悪化するような、複雑な問題の解決に用いられます。
 
今回は、以上になります。
次回は、「コミュニケーション力の向上」と「仕事の受け方」について書きたいと思います。
ありがとうございます。

いいなと思ったら応援しよう!