🌟 なぜカースティ・マッコール『Kite』はUKロック史に残る名盤なのか? 🌟
🎧 まずはこの一曲!『Kite』を象徴する、夕暮れに溶ける極上のカバー・ソング 🎧
ザ・キンクスのレイ・デイヴィスが書き、彼女が歌うことで完成したと言われる名曲。透明感のある歌声と、重なり合うハーモニーが、過ぎ去った日々(Days)への感謝を美しく綴ります。英国ポップスの良心が詰まった、完璧な3分間です。
「Days」
カースティ・マッコールとは?:ザ・スミスを支えた「天使の歌声」
カースティ・マッコール(Kirsty MacColl)は、英国フォーク界の巨匠イワン・マッコールを父に持つシンガーソングライターです。 彼女は自身の活動に加え、ザ・ポーグスの名曲「ニューヨークの夢(Fairytale of New York)」でのデュエットや、ザ・スミスの名曲「Ask」や「Bigmouth Strikes Again」でのコーラスワークでも知られています。その天性のハーモニー・センスは、80年代のUKロックに欠かせない「彩り」でした。(2000年に不慮の事故により41歳の若さで他界)。
1. モリッシーとジョニー・マーを繋ぐ、もう一つの才能
1989年にリリースされた本作『Kite』は、彼女のキャリアにおける最高傑作です。 特筆すべきは、ザ・スミスのモリッシーの相棒であったギタリスト、ジョニー・マーが全面的に参加している点です。彼は2曲を共作し、アルバム全体でギターを弾いています。ザ・スミス解散後のジョニー・マーが、自身のギター・サウンドを最もポップな形で昇華させた作品の一つであり、スミス・ファンにとっても必聴の「裏名盤」となっています。
2. 夫スティーヴ・リリーホワイトによる、完璧な「ギター・ポップ」
プロデュースは、当時の夫であり、U2(#92)やXTC(#109)を手掛けた名匠スティーヴ・リリーホワイトが担当しています。
彼の特徴であるドラムサウンドの抜けの良さと、ジョニー・マーの煌びやかなジャングリー・ギター、そしてカースティの多重録音されたボーカルが見事に融合。歌詞には彼女特有の鋭い皮肉(ウィット)や、サッチャー政権下の英国社会への批判(「Free World」など)が込められており、単なる女性ポップスとは一線を画す「芯の強さ」を持っています。
3. 皮肉と優しさが同居する、英国流ポップ・ソング
「Free World」 「これがあんたの言う自由な世界なの?」と、資本主義社会を痛烈に批判するロック・ナンバー。軽快なメロディとは裏腹な辛辣な歌詞は、エルヴィス・コステロ(#132)にも通じる切れ味があります。
「Don't Come the Cowboy with Me Sonny Jim!」 「カウボーイ気取りで騙そうとしても無駄よ」と歌う、ユーモア溢れるカントリー・ポップ。彼女のコメディエンヌとしての才能と、ストーリーテラーとしての魅力が詰まった一曲です。
「No Victims」 ジョニー・マーとの共作。彼のトレードマークであるアルペジオ・ギターが美しく響く中、力強く歌われるメロディは、ザ・スミスの名曲群と並べても遜色のない輝きを放っています。
結論
『Kite』は、「名脇役」として愛された彼女が、真の「主役」として輝いた瞬間を捉えたアルバムです。ここにあるのは、モリッシーのような孤独ではなく、人生の不条理を笑い飛ばすような強さと優しさです。彼女はもうこの世にいませんが、このアルバムの中で、その歌声は永遠に瑞々しいまま生き続けています。
本記事で紹介したアルバム
バンド名:カースティ・マッコール(Kirsty MacColl) /アルバム名: Kite
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