夢
夢と言っても「I have a dream」の夢ではなく、眠った時に見る「睡夢」の方です。
ワタシの言うところの「夢」とは、夢や希望といったところの前向きで将来的な目標のような夢ではなく、酔夢や邯鄲の夢のようなぼんやりしてて儚く霧散する夢の話の方がしっくりきます。
さて、つまりはただ「睡眠中に見た夢」の話をしようと思っているのですが、ワタシの場合、睡眠障害、特に入眠障害を長く患っております。
で、そうすると時々、脳が覚醒しているにも関わらず夢を見ている、という状態になることがあり、その時の夢というのが、まるで現実感があり、さも体感しているかのようなんですよ。
たぶん金縛りとおんなじような感覚です。
睡眠中というのは記憶の整理がされています。
具体的なメカニズムは下記の記事などで明らかですが、レム睡眠中では脳は活発に記憶部分を整理しています。
つまり、この時の脳と言うのは、早朝の物流センターのように大量の神経伝達物質たちが、せっせと個包装された記憶パケットを、巨大な収容棚に出し入れしたり、出荷してトラックに積んだりしているということなんですが、ワタシの場合、そこで働くバイトたちの一人ひとりに主観的になりきり、あるいはその記憶パケットの中身まで断片的に体感できるということです。
なので、これを体験するとめちゃくちゃ汗をかき、身体がぐったり、手足がしびれ、脳の疲労もとれません。
本人はただ目をつぶっていただけなので、寝てなくてただ起きたという感覚なのですが、一応頭はすっきりしています。
なんというか、睡眠と覚醒の境界線がないんです。
あ、前置きが長くなってしまいました。
記述したいのはこの後で、何かいつもそうなんですが、不思議な夢だったので、なるべく記述したいと思ったのです。
では、よければおつきあいください。
主題歌は宇宙刑事ギャバン
https://www.youtube.com/watch?v=71xRkHSdMtk
にじり寄り、這い出て、絡み上がり、引き摺られ、そして電柱に昇る…
鈍重な何物でもない存在は、夜道のちっぽけな外灯を映す水たまりより出て、薄暗いアパートのブロック塀ににじり寄り、狭い階段を重い足取りで這いあがり、細い鉄骨の柱と梁に絡みつきながら登り、多重にだらしなく架かる電線を伝わりながら、電柱までにじり寄ると、水浸しの外套のように重力に引き摺られながら、電柱の頂点に昇り、月を眺める。
よくある商店街のアパートの一室で取り交わされる闇の取引
月明かりにぎりぎり照らされるアパートだが、その部屋には光は届かない。
そんな部屋の一室で取り交わされる謎の取引。
いったい何の契約なのだろうか…。
オレは泥から産まれた底辺のヒーロー
どうやらオレは、特撮ヒーローの最新作の主役に抜擢され、ちょうど撮影中のようだ。
撮影現場は怒号が飛び交い、演技指導はとても厳しく、手足を動かしただけで「違う!」と否定される。
演出がとにかくめちゃくちゃで、何が要求されているかがまるで分からないのに、理不尽に厳しく、その意図も理由も全く説明がないが、右を向いても左も向いても否定される。
ただ一つ言われた指示は、「お前は泥から産まれた底辺のヒーローだ!そのつもりで演技しろ!」
意味の分からない指示で戸惑う。
意味がつかめず体が強張る。
過分な緊張と不明な要求で、体は裂けて四散する。
壁を剝げ!すべてを捲り返して飛び降りろ!
撮影はアパートの一室にて展開される。
激しい叱責とプレッシャーの中、本番の撮影が始まる。
どうやらここは、敵のアジトということらしい、と言うこと以外は何も分からない。
頭はもやで充満し、全身が強張り、精神は追い詰められる。
オレは、というより世界は突然、全てがひっくり返った。
部屋の壁は消失し、その向かいのマンションの外壁も全てめくれ上がった。
そのマンションに生活する全住民の生活が暴かれる。
そこの住民は全員、秘密の日常が露になる。
そこから、監督はオレに「飛び降りろ!」という命令を下す。
アパートのはずが、何故かマンションの最上階からオレは無我夢中で飛び降りていた。
それも、何度も何度も。
カチンコの残響がいつまでも木霊する。
住宅街での爆破!これはNGじゃない!
記憶が曖昧なまま、撮影らしいシーンは急にオレから離れ、クレーンカメラからの視点になっていた。
終盤はお決まりの連続する爆破シーンだ。
ただし、撮影なら普通はどこかの採石場などで行われるはずだが、そこは明らかに住宅街。
ああそうか、これはきっと、夢なんだ。
やっと、ここでそう認めることができた。
なので、あとは破れかぶれ、しっちゃかめっちゃか。
夢の中であれば、何が起きても夢である。
夢の中なら、何をしても夢で済む。
なので、ここでやっと演技は絶好調となり、オレは役者として完成した。
このシーンが放送されたかどうかは知らない。
咽返るような寝汗の残り香だけが現実
撮影がとても大変だったという印象と、寝汗でぐっしょりしたTシャツの重みを感じ、ワタシはいた。
ワタシは、ただつぶっていた目を開き、すでに覚醒していた頭をもたげ、改めて起きた。
いやあ疲れた。
カラダはぐったりしてて、手足に痺れを感じるけど、頭はすっきりしているなあ。
ホントはもっと断片的な体験だったのですが、ナラティブに再編しました。
で、そうすると、ちょっとリアルさに欠けるかも…て後から読んでそう思いました。
難しいなあ…。
