電卓からAIペットへ!カシオ@20260724日経
かわいらしさと色に目が留まった。
紹介されていたのは、カシオ計算機のAIペットロボット「Moflin(モフリン)」である。2024年11月の発売以来、累計販売台数2万匹を超えるヒット商品となっているそうだ。これまで展開されてきたシルバーとゴールドに続き、2026年9月には3色目となる新色「さくら色」が発売されるという。
私にとって「カシオ」といえば、男性4人兄弟による創業ストーリーや、質実剛健で地味な色の電卓、そしてタフなG-SHOCKのイメージが強い。扱う商品の範囲やコンセプトの変化に合わせて社名を変える企業も多いなか、同社は一貫して「カシオ計算機」を掲げ続けている(創業当初は「樫尾製作所」であったが)。その初志貫徹とも言える愚直さとインパクトが好きで、以前から関心を寄せていた企業のひとつだ。従来の「無骨なカシオ」というイメージとの大きなギャップがあったからこそ、この記事が強く心に残ったのだろう。
現在も関数電卓や時計といった主力事業は好調のようだが、今回の「Moflin」にも、まさに時計事業で培われた「超小型化」や「精密メカ設計」の技術が存分に活かされているという。メンタルヘルスや癒やし(メンタルウェルネス)に対する需要の高まりに着目し、触れ合いによって感情が育つAIを搭載している点が興味深い。
今回の新色であるピンク系のカラーリングは、特に、女性層に広く受け入れられそうである。カシオのウェブサイトを覗いてみると、この企画を手掛けたのは2名の女性社員とのことだ。
https://www.casio.co.jp/topics/article/2026/K-195/
カラー表記ひとつをとっても、単に「ピンク」とするのではなく「さくら」と表現している点に感銘を受けた。モフリンが持つふわっとした柔らかさや優しさが、その一言に表れている。こうした細やかなセンスや感性こそが、ヒット作を生み出す原動力なのだろう。
少子高齢化が進む現代においてペットを飼う人は増えているが、いずれAIペットの存在感が実際のペットを凌駕する日が来るのかもしれない。人はちょっとした存在にでも愛着を抱くものだ。(最近、私は大切にしていたマスコット(?)を落としてなくしてしまい、傷心中である。)ましてや、自分の心に寄り添い、感情を読み取ってくれるようなAIペットであればなおさらである。かつて50年前に映画の世界で描かれていた未来が、着々と私たちの日常へと溶け込んできている。技術の進化とともに、AIがより身近な存在になっていくのを実感せずにはいられない。
最後に、カシオといえば忘れられない記事がある。 読売新聞の連載コーナー「[時代の証言者]電卓4兄弟 樫尾幸雄」だ。
https://www.yomiuri.co.jp/serial/jidai/20190203-OYT8T50001/
全30回に及ぶ長丁場の連載であるが、同社の歩みとモノづくりにかける情熱が描かれており、非常に深く感動した。モノづくりや企業の歴史に興味がある方には、ぜひ一読をお勧めしたい名連載である。
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