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いつからデザイナーって名乗っていいの?

デザインスクールに入って数ヶ月。受講期間もいよいよ後半戦に突入した。

とはいえ、世の中のプロみたいに洗練されたポートフォリオがあるわけでもなければ、自分の名前の横に「デザイナー」と入った名刺すら持っていない。

そんな自分が大手を振って「デザイナー」を名乗るなんて、なんだか自分を大きく見せているみたいで、どうにも気恥ずかしい。

そんな私の心を見透かしたような出来事が、少し前にあった。

週に1回の講師との個別レッスンで、課題の進捗を聞かれたときのこと。
私は何気なくこう言った。

「無職で時間はあるので、がんばります」

仕事を辞めて絶賛無職の身だから、せめて時間だけは人一倍注ぎ込んで頑張らなきゃ、という焦り混じりの言葉だった。

だけど、画面の向こうの講師は、私の言葉を聞いて苦笑いしながらこう言った。

「いやいや。WEBデザイナーです」

えっ、そうなの?! わたし、もうデザイナーなの?!

そう言われたとき、嬉しいというより、なんとも言えない恥ずかしさが込み上げてきた。

だって、私はまだ何の実績もない。誰かからお金をもらってデザインをしたこともなければ、世の中に自分の作ったものがリリースされたわけでもない。

ただ、PhotoshopやIllustratorが少し使えるようになっただけの人だ。

ツールの使い方にいちいち躓くし、フォント選びの迷子になりながら、一つのデザインに何時間もかけて泥臭く格闘している。それが今の私の現実だ。

とてもじゃないけど、自分が「デザイナー」なんて、おこがましくて名乗れない。

じゃあ私は、どうなれば自分をデザイナーだと思えるんだろう。

実績ができたら? 誰かに依頼されたら?
それとも、自分でそう思えたら?

考えてみても、答えは出ない。
たぶん、まだ自信がないからだ。

そもそも、デザイナーっていつから名乗っていいんだろう。

医師や弁護士とは違って、デザイナーには国家資格がない。

つまり、「ここからがスタートです!」という始まりの合図は、誰も鳴らしてくれない。

名刺を持ったら、あるいはスクールを卒業したら、自動的にデザイナーになれるわけじゃない。

誰かが「今日からあなたはデザイナーです」と線を引いてくれるわけでもない。

講師があのとき「WEBデザイナーです」と言ってくれたのは、ツールをどれだけ使えるかとか、実績がいくつあるかとか、そういうことじゃなかったのかもしれない。

少なくとも講師は、あのときの私を「WEBデザイナー」と呼んだ。

そのことだけは確かだ。

まだ技術は未熟だし、名刺も白紙のままだ。

だけど、真っ白なキャンバスに向かって「どうすれば伝わるかな」と頭を悩ませている時間は、間違いなく増えた。

デザインを見れば、「なんでこの色なんだろう」「なんでここに余白を取ったんだろう」と考えるようにもなった。
少し前までの私とは、見えているものも変わってきた気がする。

それでも、「じゃあ今日からWEBデザイナーを名乗ります!」と言えるかと聞かれたら——やっぱりまだ、ちょっと恥ずかしい。

結局、いつからデザイナーと名乗っていいのか、その答えはまだ分からない。

いつか私自身が、同じ言葉を迷わず言える日が来るんだろうか。

その日がいつなのかは、まだ分からない。

それでも、とりあえず今日もデザインをしている。

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