I'm in here.とl'll just wait here.に見るhereの語法 ━━映画『タイタニック』より
映画『タイタニック』再鑑賞を契機にこれまでいくつか投稿してきましたが、ここでもう一つ気になっていた語法に関するnoteを。
これは氷山衝突から沈没がはじまったタイタニック号の一室に手錠をかけられて閉じ込められているジャック(レオナルド・ディカプリオ)を救出にローズ(ケイト・ウィンスレット)が向かうシーン。
I'm in here.
(ここにいる。)
閉じ込められた室内から叫ぶジャックの台詞。
ここで中学のときに習うhereの語法を考えると違和感がありませんか?hereは副詞で「ここへ」とか「ここに」の意味だから、Come to here.じゃなくてCome here.のように使うんだよと。その理屈でいくとここは、I'm here.の方が正しいのでは?
実は、hereには名詞としての用法もあるんですね。そのことを辞書ではこう説明しています。
It's hot (in) here.
この中は暑いね(1)inを略すとhereは副.
(2)部屋などの内的空間を意識するときはinがある方が普通)
『タイタニック』のこのシーンは、ローズの声だけが部屋の外から聞こえて姿が見えず、ジャックは閉じ込められたまさに内的空間を意識していたと思われます。なのでin hereなんですね。
それからジャックの居る部屋を突き止めてローズは中に入るも、柱に結びつけられた手錠の外し方が分からない。そこでジャックは外に助けを求めてくるようローズに言います。その直後に、
I'll just wait here.
(ここで待ってるから。)
と言います。
ここではinがなくhereだけになっているのですが、お互いに居場所の分かっている今は内的空間への意識は薄くなっているから単にhereなのでしょう。
短いながら印象的なシーンの中でin hereとhereの使い分けが観られ興味深かったのでここで紹介しました!
