アメリカの線維筋痛症最新研究とオンラインクリニックSwing Care
2025年5月24日に行われたライブ配信より、線維筋痛症(Fibromyalgia)に関する最新の知見や実践的アプローチについてのまとめとなります。
こんばんは。今日は私の視覚過敏対策で少し画面が暗くて申し訳ないです。気圧の変動が激しい中、体調がすぐれない方も多いかもしれません。そんな夜に、ライブにお越しいただきありがとうございます。実は私自身、来月締め切りの原稿を執筆しなければならず、そのための科学的な根拠やソースを集めている最中です。今夜はその一環として、さきほど見つけた非常に興味深い対談をご紹介します。
今回注目したのは、線維筋痛症に関する専門的な情報を発信している「Fibro Show」YouTubeチャンネルでの対談です。チャンネルを運営しているのは、線維筋痛症に特化した情報を発信しているリプタン先生とシャロン先生。このお二人がホストとなり、初めてのゲストに迎えたのが、麻酔科出身のアンドレア・チャドウィック先生。彼女は現在、カンザス大学メディカルセンターの線維筋痛症および集中疼痛研究ラボの所長として活躍しておられます。
チャドウィック先生は、もともと手術室で麻酔を担当する医師でした。手術では、患者と深く関わる機会は少なく、「はい、眠りますよ」「はい、終わりましたよ」というやり取りだけで完結することが多く、コミュニケーション能力の物足りなさを感じていたそうです。しかし、外来でさまざまな慢性痛の患者を診るようになり、特に線維筋痛症という疾患においては、ヘルニアや狭窄症のような脊椎疾患と比べて、治療方針が定まらず、患者さんと一緒に悩みながら進んでいく過程に強く惹かれたとのこと。その後、彼女はUCLAを離れ、家族と過ごしやすい環境を求めてカンザス大学へ移り、疼痛研究の新しいプログラムを立ち上げました。彼女の情熱は国立衛生研究所(NIH)からも高く評価され、助成金を得て、"FACE Lab"という慢性痛研究施設を設立。特に線維筋痛症患者に多く見られる中枢性感作や、末梢神経刺激装置の応用、ホルモン変動と痛みの関係、さらには性的マイノリティの人々における慢性痛の問題など、多岐にわたる研究を進めています。
また、彼女はバーチャル診療サービス「Swing Care」を創設しました。これは、米国初の線維筋痛症専門のオンラインクリニックとして、複数の州でサービスを展開しており、物理的な距離や地理的制約により適切な診療を受けられなかった患者たちに、新たな希望を提供しています。
Swing Careでは、FDA承認済みの非オピオイド治療薬に加えて、CBT(認知行動療法)やACT(アクセプタンス&コミットメントセラピー)などのデジタル療法も導入。医師・看護師・心理士・栄養士が連携し、包括的なチーム医療を提供しています。患者がスマートフォンでセラピーを受けることができる点も、画期的です。
中でも印象深かったのは、トランスジェンダーや性的マイノリティの患者が、一般よりも高い40-50%の頻度で慢性痛を抱えているという事実です。彼らの経験する「社会的ストレス」や「認知的不協和」が、心身の痛みに強く影響しているのではないかとされており、現在チャドウィック先生たちは、性ホルモン療法が痛みにどのような変化をもたらすかについても研究中です。
リプタン先生のお子さんもトランスジェンダーだっていうことらしくて。この研究してくれてありがとうと感謝を伝えています。
アメリカの大統領が今トランスジェンダー関連の研究をすべて辞めさせようとしている動きに対して影響を受けましたか?と質問してます。
現時点では作業停止命令は受けていません。いつも通り。これはLGBTQのコミュニティより広いコミュニティにとって何を意味するのかを知っている人々から内部的なサポートを受けて継続できればと思っています。今のところの研究費は大丈夫だけれども、何かあっても続けていきます。
今、前例のない狂気の時代だと言えますね。私は科学があるべきように政治から自由なままであり続けることを期待し続けています。知識の追求はアメリカの人々を助けるだけじゃなくて、私たちが行う研究が世界的な影響を与えると考えています。
今直面している前例のない時期が落ち着いて穏やかな状況が訪れることを私たちは、心から望んでいます。みんな一日一日を生きている。一日一日を丁寧に過ごしているので、集中力は失われません。そしてあなたは、わたしがやっている研究が有意義であることを知っています。
もし、彼らが助成金を取り上げた場合もあなたはわたしの研究の恩恵を受け取ることはできます。だって彼らが、私の科学を奪うことはできないもの。必要な仕事を続けます。線維筋痛症の患者さんはさまざまな性自認・性別・性的指向を持っているから。つまり、線維筋痛症は誰でも発症する可能性があります。だから研究が必要。全ての性別にとってマイノリティだけでなくて全ての性別の人にとって重要な話ですねと。
だって!男性も女性も
みんなホルモンを持ってるんだよ!
(3人大盛り上がり)
いつも患者さんに打ちのめされた時に打ちのめされないように希望を持ち、回復力を持つように言っています。私たちは自分で自分を生きなければなりません。あれこれやりながら、何かを食べながら毎日毎日泣きながら悲しくなるなんてやってられません。どんな状況でも私は起き上がって良い仕事をするつもり。それが私にとって希望を持って前進できる方法なんです。
「その希望を生かし続けなければならないよね」とシャロン先生。
希望といえば…、もしえお金がもう素晴らしく、どんどん降ってくるというような魔法が起きたらどうしますか?その時に線維筋痛症について何の研究をしたいですか?その理由は何ですか?
チャドウィック先生:「もし魔法のように研究費が天から降ってきたら、すべての線維筋痛症患者に温泉療法を届けたいですね!保険でカバーしちゃえるように。なぜなら、私は温熱療法の研究に心を奪われているから。」
実際に研究助成金を受けて行った温水浴槽に週3回・45分間・4週間入浴するというプロトコールを用いた研究では、被験者のうちの8名が、睡眠の質と痛みの軽減が統計的に有意に改善したといいます。これは、ヒートショックプロテインの産生を通じた炎症抑制や鎮痛作用と関連しており、今後の慢性痛治療の新たな道を拓く可能性があります。
基礎科学者と一緒に小さなラットを熱いお風呂に入れる研究を進めています。そして私の患者さんたちも、温熱療法が好きなんです。ねえ。この研究やってみない?これがとても楽しいのは、可能性が無限にあるように感じられているから。
音楽が痛みにどのような影響を与えるかを音楽介入研究している同僚がいます。線維筋痛症の患者さんが痛みを和らげるためにどのように音楽を使っているかを調べるアンケートをちょうど終えたところです。
例えばレディーガガがもし参加したいと言えば、それはすごく素晴らしいよね。より良い治療法が必要です。新しい発見が必要。私は生化学者ではありません。分子を開発できる人間ではありませんが。線維筋痛症を助ける可能性のある分子を開発するためには基礎科学レベルで資金提供を受け続ける人材が必要です。ご存知の通り、私たちは行動療法、温熱介入、XYZ介入が線維筋痛症に非常に効果的であることを示す優れた研究が必要です。費用がかかりすぎて、負担になる可能性がある。でも優れた研究があれば、いつか政策でカバーされるようになることが期待できるからやってます。
いろんな人からこれって効くんだよね?と聞かれた、確かに研究でそのことが証明されているよ!と伝えても、結局、費用が高いのよと言われちゃう。だって保険でカバーされてない。自費だから。
リプタン先生:私にもしいっぱいお金が降ってきたら、筋膜リリースについてもっと勉強したいと思うでしょう。個人的にはとても効果的だと感じた治療法でありそれを裏付けるデータもあるんだけど。保険で支払うことができない。つまり、私は線維筋痛症の治療には何百万ドルもかけなければならない!という印象を与えてしまうの。
まだ自費でしか今できないけど、慢性疼痛・筋膜疼痛にラジオ波がこれだけ有効だよっていうのが研究として証明が蓄積されれば保険適用内になるんじゃないかって話です。
(みおしん:でも保険診療自体が崩壊しはじめた日本は厳しいかもな・・・。)
ファイブロショーでは夢を見ています。私たちは夢を見るのが大好き。そして、チャドウィック先生が最初のゲストでほんとうによかった。
こっちこそ嬉しいですよ。私たち二人はあなたがやっている仕事を崇拝しています。リスペクトしています。お互いさまよと。
こうした多面的かつ温かみのあるアプローチは、従来の「原因不明」「治療困難」とされてきた線維筋痛症に対する希望の光となるものでしょう。チャドウィック先生の情熱、リプタン先生・シャロン先生たちの尽力、そしてオンラインケアの可能性——そのどれもが、慢性疼痛医療の未来をつくるピースです。5月10日の午後二時から四時までズームでライブ配信します。疲労研究センターの所長で、線維筋痛症の著名な研究者でもあるダニエルクロー博士も出席するから、みんな来てね!
ということで、三人による対談が終わりました。
・・・本当に早く気づきたかった。この動画。2週間前にこの方々にズームで会えていたかもしれないと思うと悔しいですね。日本には「線維筋痛症はない」っていう風に未だに言う先生たちいらっしゃいますけれども、これだけ必死に最前線で線維筋痛症の研究を進めたりしてくれている方が存在しますので、さすがにこれはやっぱりメンタル疾患です、認知行動療法、心理療法で治る、乱暴ですね。線維筋痛症の物理的変化は、基礎研究の方でも証明できていて、これを完治させる「新薬」はまだまだなさそうですけれども。
線維筋痛症のコミュニティを作って、皆さんのタイプに合わせた認知行動療法やそういった情報を提供することでご自身でケアできるようにしていくっていう基盤が出来上がりつつあるって感じですね。
あー疲れた。はい、コメント読ませていただきます。三人分の会話は疲れますね。
リプタン先生Youtubeに呼びたいけど、私英語がからきしダメだからなぁ。今回の件、いつかお礼のメールはしたいと思いました。世界啓発展に合わせて連絡できればよかったな。
いつもWiTH PAiN Youtubeを見てる人にとってはそんなに新しい情報に聞こえなかったかもしれないんですけど。私自身、この対談を聞きながら、総合診療科の大浦誠先生が常に語られている「つながりとナラティブ」略してつなナラの重要性を思い出していました。患者と医療者が物語を共有し、その中で意味を見出していくアプローチは、まさにSwing Careの思想と重なります。
病名に関わらずなんでも診る家庭医と線維筋痛症と慢性疲労症候群は、相性が良い
また、私たちが取り組んできた「いたみも、わくわくも、一緒に。WiTH PAiN」でも、見えない痛みを見える形にした「ペインカード」を開発し、他者との間に理解と共感できる世界を目指しています。
線維筋痛症のように、明確な検査結果が出にくく(画質のよいエコーではみえます)、症状が多様で主観的な病と向き合うには、医学だけでなく、人間関係や社会の構造にも光を当てる必要があります。誰かの物語に耳を傾けること、自分自身の経験に意味を与えること、それが「治療」の始まりになると私は信じています。
このWiTH PAiN YouTubeチャンネルでは、星状神経節へのスーパーライザーや温熱療法も勧めてきたし、マインドフルネスの話もできてるし、学びたい方はオンライン講座、コミュニティはペインラボ入りたい人は入ればいいし…。一番理想なのはご自身の通える範囲(30分から1時間以内に通えるところ)に主治医とか、主治医がダメでも鍼灸師や理学療法士とか話し合えるパートナー的な先生たちを配置できれば治していけます。その環境づくりを一人じゃ見つけられないから、ここで情報を拾ってやってくださいっていう今スタイルなのでそのまんまでいいんだなって改めて思いました。
スウィングケアが今スタートアップでやろうとしていることは、日本の静岡県三島痛みリハビリクリニックの寺田先生が、私をオンラインカウンセリングにつないでくれてやろうとしてくれている仕組みと似ていますね。
今私がやっているオンラインカウンセリング内容を心理士さんにそのままお渡しして患者さんと臨床心理士さんで話せるようになれば患者さんが支払う料金が減るので。医者がやるよりは、っていうのも考えてたりするのでそういったネットワーク作りを頑張らなきゃなって今日改めて思いました。
だから、今、
ここにたどり着いてる人たちは、大丈夫です。
鍵はしっかり自分の手の中に握ってらっしゃる。
ここにたどり着くまで、本当にいろいろな嫌なこともあったでしょうし、今現在進行形で環境調整が難しい方々もいるんだけども。もう絶対一人じゃないじゃない。同じ境遇というか、辛い思いをしていて。ここでいろんな情報を取って、自分なりにコーディネートしていけてる力があるんですから。
そこはもう自分で自分を認めてあげましょう。「わたしの痛みは、みえる。つたわる。うまくいく。」って感じで、うまくいくイメージを自分の中で作ってあげるの。今までの過去は結構大変で、失敗もたくさんしたとしても、それを経験として、これから先の人生はうまく修正していけるんだっていう風に、自分に良い魔法をかけてあげてください。
呪われた自分から解き放つのも自分だし、
幸せにする魔法をかけるのも自分という風にすると
徐々にうまくいくようになると思います。
すべては、あなた次第。 UP to You!
今じゃなくても、いつか、あなたの「周波数」をあわせていけますように
