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【ファジサポ日誌】206. ファジアーノ岡山 地域リーグラウンドの感想

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地域リーグラウンドの回顧、感想

本日のセレッソ大阪戦、プレーオフラウンド2戦をまだ残しているが、少しこの構想リーグにおけるファジアーノ岡山についての感想を述べたいと思う。

おそらく筆者の今後の人生においても二度とないであろう昇降格のないリーグ戦であった。

ファジアーノ岡山の当面の大目標は、2026-27シーズンにおけるJ1残留である。クラブはJ1初年度となった昨シーズンから今シーズンにかけて、若手育成クラブを目指すことを明確に明らかにし、そのための大型投資も行っているところである。
これらのプロジェクトを持続させる、そして念願の新スタジアム建設の機運を消さないためにもJ1に定着することは大きな命題とも言えるのである。

クラブの命運と目の前のサッカーが繋がっている。実は現在のファジアーノ岡山のフェーズは「勝っても負けても10,000人」を標榜していたJ2時代の過去とは、歴史的繋がりを持ちながらも大きく転換したものとも言えるのである。まさに冒険である。

その前哨戦としての百年構想リーグにおいて、岡山は即戦力的評価ながらもJ1では未知数となる若手~中堅を中心に補強した。前シーズンの佐藤龍之介(FC東京)の成長体験をイメージしながらとも言えそうである。

端的に述べるなら、GK(52)濵田太郎、CB(6)大森博、MF(5)小倉幸成、MF(88)山根永遠といった若き新戦力はそれぞれ従来からの持ち味に加えて「新味」を出してくれた。また、それがチーム戦術に上手く組み込まれた点は大きな収穫であったと言える。

また、CH(41)宮本英治は昨シーズンよりも走力、こぼれ球奪取力を強化、長期離脱が続いている同ポジション(24)藤田息吹不在の穴を感じさせない活躍を魅せている。
CF(98)ウェリック・ポポの成長も著しい。彼に関しては周囲とのコミュニケーション良化がピッチ内からも伝わってくる。そして、懐が深いボールキープと爆発的なスプリント力など、彼の長所を彼自身が理解し、ピッチ内で強みにしてくれているように思える。

開幕前に彼の決定力がチーム得点力のポイントになると予想していたST(27)木村太哉は、まだその決定力に向上の余地は残しながらもチーム最多の4ゴールを約半年でマークした。昨シーズンより大幅に改善されたCKを中心としたセットプレー強化の好影響も無視できない。
そして、(27)木村に関してはハイプレスを遂行するタイミングと構えて守るタイミングの判断、プレスのスイッチャーとしての判断力も大きく向上しているとみる。

昨シーズンと比べると、岡山のプレッシングに関する数値はその位置に関わらず概ね低下している。長いシーズンを持続的に戦い続けるためにも、消耗激しいプレスを控える試合、控える場面も増えたと捉えるべきであろう。
一方でローブロックに移行した際の堅さはデータ的にも昨シーズンの水準をキープしている。実際に様々なJ1の試合を観ているが、対戦相手にとって他チームであれば決まっているシュートが、岡山が相手の場合はシュートブロック等により防がれている場面も目立っている。
開幕前はGKスベンド・ブローダーセン移籍の影響も不安材料として取りざたされていたが、彼が在籍中から岡山はGKと最終ラインのデータに基づいた守備戦術により論理的に守ることが出来ている。そのことが証明されたと言えるだろう。

こうした流れからボール奪取位置が、昨シーズンよりも低い位置へと移っていると予想される岡山であるが、実はその分ロングカウンターをチームの武器に出来ている点は特筆である。

FootballLABのロングカウンター指標は昨シーズンの55から78へと大幅に数値がアップ、リーグ屈指となっているのである(ショートカウンターは53から60に上昇)。

要因には自陣でマイボールになってからの動かし方に多様性が生まれたということが挙げられるだろう。まず、CF(99)ルカオや(22)一美和成に直線的にロングボールを配球していた昨シーズンと比べると、その選択肢は残しながらも、地上戦を交えながら縦に速く繋いでいく攻撃を実行できている点は大きい。つまり、自陣からゴールへ向かう道が多様になっていることを示す。
その力になっているのが、前述した(41)宮本や(98)ポポに加えて、トランジションの速さが際立つベテランWB(51)白井康介、(88)山根の位置取りの巧さが挙げられる。

そして、そうした彼らの動き出しは2シーズン目(8)江坂任を目標に設定されているように見える。彼がやりたいこと、彼の予測、イメージを周囲の多くの選手が理解、共有できるようになった。この点も今リーグの大きな収穫である。

岡山に関しては一定のボール保持が今シーズンの新たな取り組みとなっていたが、保持の各種数値に関しては昨シーズンまでと大きく変わった点はない。その中身はカウンターの質向上のための保持と言えるのであろう。

さて、新シーズンに関しての課題を4点述べたい。
まずは、①苦手なスタイルへの対処である。昨シーズンから岡山は4-3-3を採用するチームとの対戦に課題を抱えていたが、この対処に関しては陣形をよりコンパクトにすることで一定の成果を出そうとしている。一方で、ホーム清水戦の後半のように、ピッチを広く使われ、ボールを動かされた場合に押し込まれっ放しになってしまうことがある。この点はボール回収位置をどの地点で考えるかで、その対抗戦術は変わってくる。

そして、シーズン序盤にみられた②決定力強化に関してはCF(9)レオ・ガウショの個の力量である程度解決できそうな予感はある。

③3点目は、戦力のキープである。個人的にはLCB(2)工藤孝太の動向は気になっている。今シーズン背番号2を付けてくれた気概から1.5シーズン前提の残留のように感じながらも、本人は以前より浦和への帰還を大目標にしているとも言われている。このタイミングで浦和の体制が変わりそうなことも影響しそうと推測するが、仮に彼がこのタイミングで浦和に帰還した場合、定期的な休養が必要な(43)鈴木喜丈のみのLCBは少々心もとない。同ポジションには(55)藤井葉大も控えているが、この構想リーグでは全く出番がない数少ない選手の一人になってしまった。
レフティにこだわらないのであれば(4)阿部海大を主軸の一人として考える手もあるが、彼も実力の割には出番が少なかった一人である。
レフティなら誰でも良いというポジションでもないだけに思案のしどころであろう。もちろん(2)工藤の残留が望ましいが、筆者の邪推であることを願いたい。

④そして最後に、負傷離脱者をどれだけ減らすことが出来るかという点である。今シーズンも4月に負傷離脱者が一定数に達していたものと思われる。
岡山はやはり怪我人が増えるとわかりやすく成績が落ちる。こうした時に試合に出ている選手も万全ではないのかもしれないし、強度が高い練習も組めなくなるのだろうと推察する。
岡山は過去にも開幕から2ヵ月が経過する段階で負傷者が続出、成績が落ち込む時期があった。来シーズンも2月中旬のリーグ再開から勝負どころとなる春の連戦がこの時期に差し掛かる。ここをどう乗り切るかはチームとしての大きな課題となりそうである。
また、攻撃の主軸(8)江坂を如何に休ませられるかもポイントである。この点はMF(66)西川潤が早期に高水準のプレーを魅せられるか、この点に懸かっていそうである。

今回もお読みいただき、ありがとうございました!

※敬称略

【自己紹介】
雉球応援人(きじたまおうえんびと)
J1ファジアーノ岡山、J3ギラヴァンツ北九州レビュアー
レビュー作成が趣味を超えてライフワークになりつつある。

J1定着と総合型スポーツクラブへの成長を図る岡山、念願のJ2復帰へ向けて再チャレンジに挑む北九州の戦いぶりを追っていく。

日々勉強、分析、解析、解釈、更に磨いていきたい。

岡山在住の開業社労士。今年も日常に追われる。
鉄道ファンでもあるが、最近は鉄分不足が続く。

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