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【ファジサポ日誌】210. 継続と新しい血~ファジアーノ岡山2026-27シーズン新体制発表会~

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毎シーズン、新体制発表会についてはそこそこの分量を割いているのであるが、今回はおそらく過去に例をみないぐらいコンパクトな内容になる。
クラブとしては昨シーズンから打ち出した成長戦略の途上にあり、トップチームにはJ1定着という明確な目標がある。

良い意味で今シーズンの新体制発表のまとめは簡易な内容にさせていただきたい。発表会において印象に残った点を筆者の私見と共に綴ってみたい。
なお、昨シーズンの新体制発表とほぼ同内容については割愛させていただきたい。

◆近くて遠いJ1定着

構想リーグ終了時点でのクラブの売上は39億円に到達、J1昇格を契機に急激に事業拡大を進めているファジアーノ岡山であるが、2025年度のJ1平均の売上は約65億円に達している。
この平均売上額も毎シーズン急激に上昇しており、岡山の売上順位はJ1リーグ内でも下から4番目に甘んじているのである。

これだけ頑張っていてもである。
更に岡山では、現在正式に議論が行われるようになったが、25,000人規模の新スタジアム建設にはまだまだ長い年月がかかる。
現在のJスタの施設規模での売上は1,000席程度の増設が予定されているが、約8億円で頭打ちとなっている。J1定着に必要とされる事業規模を達成させるのも茨の道のりと言えるのである。

(1)短期的視野

そのためにはJ1に居続けることが間違いなく短期的な目標になる。
構想リーグはJ1-WESTで4位の可能性を残す中、最終節のC大阪戦に敗れ6位にダウン、プレーオフでは浦和に初勝利を果たすなど11位の中位にランク、2025シーズンが13位であったことを踏まえても、中位をキープできる実力は身に付けつつある。

木山監督はこの2シーズンのJ1での戦いを自分たちの戦いが出来れば順位の上振れがあるし、出来なければ大きな下振れもあると表現した。
構想リーグ内での順位変遷を踏まえても非常に的確な評価と感じた。

一部の強豪を別にして、それだけ接近した現在のJ1リーグを戦うにあたり、路線継続の岡山においては伸びしろをどのように見出すかが、相手からの対策を上回る意味でも重要と感じる。
新加入のMF(44)森壮一朗が語っていたとおり、他チームから見ても目立つトランジションの速さなどの強みをより磨いていくしかないのであろう。

そうなると新シーズンも各選手が持ち前の強度、スピードを存分に発揮できるよう、出来るだけ良好なコンディションで試合に臨むことが必要になる。
そのためには一定の選手層の厚さは必要である。

筆者が「岡山の生命線」と呼ぶWBにこの(44)森を補強、(51)白井康介が完全移籍に移行した点は大きなプラス材料と感じる。

一方で、ユニフォーム発表で元気な姿を見せてくれたFW(27)木村太哉は骨折の影響により、新シーズンはしばらく欠場することになる。
このシャドーにはFW(20)河野孝汰の台頭も期待されるが、韓国籍選手の獲得も一部では報道されている。
山田FDによると同時試合出場可能な外国籍選手枠の残り2つは埋める予定とのことであり、この選手の獲得については一定の目途が立っているのかと想像させる口ぶりであった。

一方、もう一つ懸念されるポジションが左センターバックである。
レフティ工藤孝太の浦和復帰が決まり、このポジションはDF(43)鈴木喜丈に任せることになりそうであるが、彼も膝の古傷の都合により定期的に休養が必要である。6割程度の稼働と考えるのであれば、このポジションを外国籍選手で埋める可能性もある。当初はクラブもその可能性を模索していたようであるが、該当する韓国籍選手の獲得は振り出しに戻ったという情報もあるようだ。
構想リーグでは阿部海大が左CBを務めることもあったが、彼も鳥栖へ完全移籍。レフティDF(55)藤井葉大は新シーズンも岡山で過ごすことになりそうだが、この構想リーグで全く出番が無かった点は気になるところである。
それこそ新加入(44)森をこのポジションに充てるプランがあるのかとも思ったが、今日の会見の様子を見る限り、本人はWBで勝負する気に溢れている。

一方で最終ラインに関してはポジティブな材料もあると考える。
それはGK(1)レナート・モーザーのコミュニケーション改善である。
主に言語の問題が大きかったと思うのであるが、構想リーグでは彼と最終ラインのコミュニケーション不足による失点もいくつかあったように思えた。
それがプレーオフ第2戦では相手FKの壁づくりで密な連係を披露する場面もあり、連係については大きく改善しているものと思われる。
そもそも2025シーズンオフは絶対守護神スベンド・ブローダーセンの穴をどう埋めるかが争点となっていた。
当時と比べれば、そう大きな課題でもないとも思えるのである。

もう一点、本日の発表会で注目したのがダヴィド・マルティネスコーチの退団である。木山監督とは仙台時代に組んでいたスペイン人コーチを招聘したのが昨オフであったが、政田で練習を見学しているサポーターからも、彼の発案による岡山の攻撃パターンの増加は構想リーグ内でも「攻撃のための保持」を実現、岡山のボール運びに多様性と確実性をもたらした。
ひょっとしたら臨時的な就任であったのかもしれないが、彼が岡山にもたらした成果は今後クラブ史に残る大きな功績となる可能性もあると考えている。

(2)長期的視野

さて、マルティネスコーチについて述べたところで岡山の「保持」について色々と考えさせる動きについても発表があった。
それがU-21チームの指揮官に上野展裕氏の就任が発表されたことにある。

少し前のJリーグを見ていた方であれば記憶されていると思うが、かつてレノファ山口をJFL→J3→J2と昇格に導いた指揮官である。
特にその攻撃的なスタイルは当時注目の的であった。

U-21チームの実際の戦法、メンバーについてはまだまだ不明な点も多いがO.A.枠が大きくとられていることを考えると、トップチームで実績のある選手たちにも出場機会はありそうである。この場でチャレンジ的な保持が行われることがトップチームの試合にも影響を及ぼすことが考えられる。
この点についても今後の取り組みを継続的に見ていきたい。

これまでの岡山の人脈とは異なる路線と言える。なぜならそれは岡山が「堅守」をチームのスタイルとしていたからなのであるが、今回の新体制発表では奇遇にも木山監督から、堅守は結果であり目的ではないとの趣旨のコメントが出されていた。

実は神戸から招聘した安部雄大監督が率いるU-18も先日の広島戦で保持からの崩しにチャレンジしていた。岡山は路線継続ながらも、未来に向けて保持への取り組みを大きく意識していると言えそうである。

◆まとめ

以上、非常に簡単であるが、2026-27シーズンの新体制発表をベースにファジアーノ岡山の新シーズンへの取り組みについて個人的に気になった点を採り上げてみた。
短期的には補強の成功、長期的には保持への取り組みについて感じた面が強かった。
更なる進化のために外の血を積極的に採り入れる、進取の気勢に期待したい。

今回もお読みいただき、ありがとうございました!

※敬称略

【自己紹介】
雉球応援人(きじたまおうえんびと)
J1ファジアーノ岡山、J3ギラヴァンツ北九州レビュアー
レビュー作成が趣味を超えてライフワークになりつつある。

J1定着と総合型スポーツクラブへの成長を図る岡山、念願のJ2復帰へ向けて再チャレンジに挑む北九州の戦いぶりを追っていく。

日々勉強、分析、解析、解釈、更に磨いていきたい。

岡山在住の開業社労士。今年も日常に追われる。
鉄道ファンでもあるが、最近は鉄分不足が続く。

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