衆院選政策比較「ジェンダー平等」

「荻上チキsession」で総選挙について各党の政策を比較する特集が次々と組まれている。そのなか「ジェンダー平等」にフォーカスした回があったので、リンクと感想を置いておく。

取り上げられていたポイントは、選択的夫婦別姓と同性婚、そしてセクシャルマイノリティの人権、とくにGID特例法を今後どうしていくのか、改正するのかという点だった。また、LGBT理解増進法についてのスタンスも問われていて、このあたりは自民・維新・参政党、あと保守党と、それ以外の政党の違いがかなりはっきりしていると感じた。
自民党は「通称使用の法制化」をいう。これは選択的夫婦別姓を「阻止する」ための主張である、ということは押さえておきたい。問題を「利便性」に矮小化して、人権や尊厳というところから目を逸らさせる策である。自民党の中にも別姓制度導入を主張する人、実際に実現しようと頑張った人はいるのだが、高市首相については一貫して選択的夫婦別姓を「阻止する」ために努力してきた人である。
実際、民主党政権の時代に選択的夫婦別姓が実現しそうになったとき、自民党は通称使用拡大の法案を出したのだが、実現が遠のいたら引っ込めたそうだ。「通称使用拡大」とはそういうものなのである。
対して、中道・共産・社民・れいわ、というあたりは概して積極的だ。自民党と長年連立を組んできた旧公明も、与党の中で選択的夫婦別姓の実現を主張はしていたという印象がある。共産党が「今すぐ実現」などちょっと前のめりな表現をしていたりするが、中道とそれほど差があるとも思わない。ただ、論戦をリードしてくれるかもしれないな、との期待はある。
同性婚についても似たような印象である。G7諸国の中で日本だけ取り残されているのを恥だと感じないのだろうか。今や、この程度の政策は特に革新的といえるものでもなく、保守政治の範囲内でもさっさと実現してほしいものだが。さっさと実現してもらわないと、こちらとしては「もう戸籍制度まるごと廃止してしまえ」と言いたい。戸籍と住民台帳の二重登録で無駄が多いし、戸籍は天皇を軸とした「臣民の一覧表」であり、家父長制を維持するための装置だ、ということは指摘しておきたい。
GID特例法改正については、番組内で「これだけ違憲判決が出ているのに改正の動きがないのはおかしい」という指摘もあった。しかし、実態として性別変更は裁判所の判断になるため、既に不利益は解消されてきている。下手に触って改悪されたりヘイトスピーチが蔓延することを考えると気が重いので、現状のままでもいいのか、という気もしている。
特例法・理解増進法については参政党の「反動」ぶりが突出している印象もある。自民党内でも高市氏を含む「右派」(というか「極右」)の本音を参政党が代弁するような役割もあるように見える。
あと、余談だが、女性が党首の共産・社民、副党首のれいわに比べて、中道は「おじさん」が顔になってしまっているところは印象として不利だなと思う。しかし、旧立憲側の女性議員で期待している人が何人もいる。そうした人たちが、今後もっと党内で上の立場に立ち、意思決定に関われるようになっていけばいいなとは思っている。


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