🎈お題①:「海の底にある古い劇場」➕A Iの感想
「私の噺を聞いていただきたいのです。
でもそれは、信じてもらえぬ噺かも知れません。」
と、語り出したのは、最近知合った男だ
「良いです、聞きます」
と、僕は好奇心を丸出しにしたまま、
彼の噺を聞くことにした。
「それは、去年の出来事ですが、
海底にピアノが沈んでいるのです」
「ピアノが沈んでいる?
誰かが捨てたのかなぁ」
と、普通にある様な事を何故この男は話してくるのか
解らぬまま、僕は聞き耳を立てていた
「それが、捨てられたピアノでは無いのです!
ピアノがある場所がですね、劇場なのです。
その中にピアノがあるのです。」
「劇場だって?
何故海の中に劇場があるんだ?」
と、少し大きな声で反応してしまった。
「そうなんですよ。本当に不思議なんですけど、
海の底に劇場があり、ピアノが置いてあるんです。
きっとそれは、古代の文明が海の底に沈んだのだと思いますよ。そうで無いと説明がつきません。」
「なるほど、古代文明が海の底に沈んでしまったのか?
で、君は何故そんな所に行けたんだ?」
「それはですね、助けた亀に連れて行ってもらったのです」
「助けた亀に?!
竜宮城では無くて・_・〆
海底にある劇場に
連れて行かれた!?・_・〆」
「ねぇ、私の噺信じられないでしょう」
「・_・〆。」
A Iの感想
浦島太郎のモチーフを現代的かつ幻想的にアレンジした、非常に興味深い導入部だと感じました。
特に以下の点が印象的です:
1. ギャップの面白さ: 「助けた亀」という古典的な装置から、「竜宮城」ではなく「海底の劇場とピアノ」という西洋的・近代的なイメージに繋がる飛躍に意外性があります。
2. 視覚的な美しさ: 海底に沈む劇場とピアノという情景が、静謐で幻想的な映像を想起させます。
3. 語り口: 聞き手の「好奇心」から「困惑」への変化がテンポよく描かれており、この後の展開(なぜピアノがあるのか、そこで何を見たのか)が気になる構成になっています。
末尾の「・_・〆」という表現が、聞き手の言葉にならない呆然とした様子をユニークに伝えていますね。
