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盛夏の白馬岳・朝日岳3泊4日縦走 その1

はじめに

毎年恒例、夏の家族登山。今年は蓮華温泉を起点に、白馬大池、白馬岳、朝日岳を3泊4日で縦走してきた。白馬岳といえば、まず名前の響きがステキで、なんだか美しい池もあり山荘が立派で初級者向けの北アルプスの山、というイメージを持っていたのだが、計画した蓮華温泉からの周回ルートは決して初級者向け楽々ルートでは無く、去年の槍ヶ岳縦走よりもレベルアップした行程となった。
いつもよりスムーズに計画も立て小屋の予約も取れたのだが、直前まで決行するかどうか迷うことになった。まず、予定の3週間前に父が体調を崩してしまった。なんとか回復した父が母と2人で行ってきなと送り出してくれたので、行こうとなったはいいが、今度は天気が悪い。日本列島に全線停滞ということで、登り始めを予定していた8月10日は壊滅的だし、7日の暴風雨の中同じ白馬岳行きを強行した登山者の死亡事故(低体温症)のニュースまで入ってくる。ギリギリまで足掻き、1日後ろにずらした日程で運よく全ての小屋の予約が取れたので、母と2人出かけた。

2025年8月11日

朝8時前に自宅を出、高速を降りて白馬村、小谷村と車を走らせる。地元のお菓子を行動食にするのが楽しみの1つなので、道の駅を探しつつ走っていると、体感1kmおきという高頻度で出てくる。評価が高そうな道の駅おたりに寄ってみたが、雰囲気重視という感じの店で行動食になるようなものは無かった。道の駅あんなにあったのに!
前日はやはり相当降ったのだろう、川は茶色く濁り、流れもだいぶ激しい。ハンドルを握る手に少し汗が滲む。
蓮華温泉ロッジ方面への道に入ると、車がすれ違える場所がたまにあるだけの狭いグネグネ道になった。なんとこの道はバス路線で、登りカーブで大きいバスとすれ違う羽目になり肝を冷やす。その後も4台ほどとすれ違い、手汗をほとばしらせながらなんとか蓮華温泉駐車場に着く。70台分しかスペースがなく、夏の休日には1km先くらいまで路駐の列ができるらしいが(路駐禁止のポールがかなり先まで置いてあった)、この天気で10台くらいしか停まっていなかった。
蓮華温泉ロッジにチェックインする。電波はないが、StarlinkのWi-Fiを無料で使わせてくれて、家族に連絡できたり天気予報を確認できたりして大変助かった。なぜかカーテンのない個室は登山口の目の前だった。

部屋から丸見え


夕飯まで、歴代の登山雑誌が並ぶ談話スペースで、母とお互いの生まれた年月に発行された『岳人』を読む。私の生まれ年月の方は意外に今とそんなに変わらないような中身だったが、母の方は時代を感じる内容で面白かった。

表紙が田部井淳子さんでなんだか嬉しい


すぐに夕飯の時間になる。夕飯に集まった宿泊客は50人くらいで、登山客と温泉客が半々くらいに見えた。白米がとても美味しかった。
夕飯後は楽しみにしていた温泉だ。野天風呂が売りのロッジだが、風雨が止まないので山道往復40分かかる野天は諦めて(入りに行っている猛者はたくさんいた!)内風呂に入る。源泉そのままの温泉は46℃くらいだろうか、少し冷えていた足が火傷するかと思うほど熱く、水を入れてなんとか入る(母はそのまま入ってご満悦だった)。それでも熱すぎて1分くらいで出たが、1分でも体がポカポカになるかなりいいお湯だった。
明日の天気が不安で何度も調べたり、沢木耕太郎『天路の旅人』を読んだりして22時ごろ就寝。

「お品書き」好き
夕飯

12日

朝陽と共に5時前に目が覚める。
かなり早朝に出る登山客もいるので、夜中から食堂にカレーが用意されていて、朝食は何時からでもセルフで食べられるシステム。なかなか画期的だ。ゆっくり5時50分くらいに行って豆たっぷりのカレーを食べる。
ストレッチをしたりしながら雨の様子をみて、7時40分頃に登り始める。予報は風雨だが、今日の白馬大池までのルートはほとんど樹林帯のため行けるだろうと判断した。

名物(らしい)豆カレー
出発!


時折風速20メートル以上ありそうなすごい突風がごおおおおっと吹いてくるが、木々に守られて問題なくやり過ごす。むしろ熱くなった身体を冷やしてくれて気持ちいい。雨が降ってくると傘をさしてあまり濡れずに行ける。
初めて歩く道なので通常が分からないが、道を横切る涸れ沢のようなところはもれなく滝になっていて、渡渉箇所が何度もあったし、たまに道も小川になっていて軽い沢登り状態だ。危険な感じはなく、楽しく歩く。
8月の初めは蓮華温泉が枯れかけたくらい全く雨が降らなかったらしく、植物たちにとっては恵みの雨なんだなと思う。濡れた緑が濃く光って嬉しそうだ。
時折現れる気持ちのいい森はシラビソの甘い香りがふってくるし、コメツガの葉を擦るとレモンのようななんとも言えないいい香りがする。母と「いい匂い〜!!」と何度も葉をスリスリする。

シモツケソウの見事な色
このくらいの渡渉箇所多数
美味しそうな、ベニバナイチゴ?


2時間ほどで天狗の庭という名がつく開けた場所に出る。開けているので爆風だ。1分晒されるだけで冷えてきて手袋を装着する。後ろから高齢の登山者が来て、ビューポイントで座って休憩をとっていた。猛者すぎる。景色は確かに素晴らしく、晴れていたら休憩するのだが、私たちは通過して再び樹林帯に入りホッと一息つく。ふと、ずっと右に見えている山はなにかなと調べると、3日目に縦走する雪倉岳とその奥の朝日岳への長い稜線だった。この日は晴れてくれよ、と願う。

強風の天狗の庭と猛者さん
雪倉岳と右の雲の中に朝日岳


1時間ほどゆっくり岩の道を登り、白馬大池山荘に11時半頃着く。大池には白波が立つほどの風だったので早々に小屋に入りチェックインする。昼ごはんはHPに出ていた喫茶メニューを食べる計画だったのだが、営業していなかったのでカップ麺とパンで軽く済ませる。
そのあとは日記を書いたり本を読んだりして過ごす。この天気だし山荘はガラガラで相部屋にもならないのではないかと思っていたが、登山客がどんどん到着して、私たちのカイコ棚の部屋(?)も相部屋になった。あとで聞くと、この日中に白馬岳まで行こうとしていた登山者が自己判断あるいはパトロールの人に説得され、急遽宿泊することにしたため、当日受付が多くなりごった返していたということだった。
14時ごろから乾燥室と食堂にストーブをつけてくれて、ありがたいなと思ったのも束の間、外は風雨だし全部狭い相部屋なので客が食堂にぎゅうぎゅうに集まり、途中から人いきれもあり暑かった。
17時に夕食を食べる。1回で全ての客が食べられたようだ。隣になったご夫婦が面白かった。旦那さんの方は、ソロでもガンガン登山に行く奥さんに引っ張られ連れてこられたそうで、今日両足攣りました!と楽しげだ。明日は白馬岳に登り、そのままピストンで栂池まで戻るので、早朝出発だそう。「先に行っているので、落ちたら上の方でわぁー!とか聞こえるかもしれません!」と爽やかに言っていた。
夕飯後はカイコ棚に戻り、寝る準備を済ませて19時には布団に潜り込む。本を読みながら21時ごろ寝落ちした。

相部屋になると思わず散らかしている図
夕飯

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