Codexは「コードを書くAI」から「PC上で仕事を丸ごと進めるAI」へ――ファイル操作、Web調査、資料・サイト制作まで実演
このNoteは、2026年5月19日に公開されたAI仙人の動画に関するものです。
簡潔な要約:
動画では、AI仙人がOpenAIの「Codex」を実際に操作しながら、初心者向けに基本機能から応用的な使い方まで紹介している。Codexは単なるコーディング支援ではなく、PC内のファイルやフォルダを読み書きし、ブラウザを操作しながらWebを調査し、資料やWebサイトなどの成果物まで作成できるAIエージェントとして説明される。特に、危険な操作だけ確認を求める「自動レビュー」の利用が勧められ、フルアクセスでは意図しないファイル操作などに注意が必要だと指摘された。
実演では、過去のYouTube動画の文字起こしをCodexに読み込ませ、「AIについて重要な内容」を抽出して資料化した後、その情報からWebサイトを制作。さらに、Web検索を複数のサブエージェントに分担させてデザイン手法を調査し、その結果をコンテキストとしてサイト改善に利用した。AI仙人は、AI時代には「プロンプト」以上に、AIへ何の情報を渡すかという「コンテキスト」が重要になると強調する。一方、情報を大量に渡せばよいわけではなく、その質を人間が見極め、必要な情報に絞る能力も重要だとしている。
最終的には、Codexの価値を個別機能の操作方法だけではなく、「AIに何を任せられるかを発想し、試しながら仕事そのものをAI中心に再設計すること」に見いだしている。実演ではわずかな指示からサイトが段階的に自己修正される様子も確認され、非エンジニアでもAIを使い続けることで「何をAIにやらせられるか」という発想力を身につけられるとの見方が示された。
【超入門】一番強いAI!初心者でもスグに使えるCodexの基礎をやさしく解説するで
詳細な要約:
1.Codexは「コードを書くAI」ではなく、PCを操作して仕事を進めるAI
冒頭では、以前のClaudeとChatGPTの比較を踏まえ、ChatGPT側にClaude Codeに相当する存在として「Codex」があるという話から始まる。
AI仙人はCodexについて、GPTの能力を使ってPC内のファイルを操作したり、フォルダへ書き込んだりできるAIエージェントだと説明する。さらに「ブラウザユース」によりChromeなどのブラウザを自動操作でき、「コンピュータユース」によってアプリを含むPC操作まで自動化できるとする。画面上のボタンやUIをAIが認識できるようになったことが、操作精度向上の重要な要素だという。
特徴として挙げられたのが、人間が自分のPCで別の作業をしている間にも、AI側が別途作業を進められる点だ。AI仙人はこれを、人間の作業を奪うというより「分身」のように仕事を並行して進められる能力として評価している。
2.導入はChatGPTアカウントでログイン、作業フォルダを指定
実演ではCodexアプリをインストールし、ChatGPTと同じOpenAIアカウントでログインする流れを紹介。その後、作業対象となるフォルダを開き、Codexにその中身を確認させている。
この「フォルダをAIに渡す」という考え方が重要で、従来のチャットAIのように必要なファイルを毎回添付するのではなく、仕事に必要なデータが置かれたフォルダをAIの作業環境として利用する。
実演用フォルダには過去のYouTube動画の文字起こしが保存されており、後半ではこれらが資料やWebサイト制作の情報源として使われる。
3.推論能力は「高ければ高いほどよい」とは限らない
Codexではタスクに応じてモデルの「インテリジェンス」、つまり推論の強さを変更できると説明される。
大量のコードが複雑に絡み合うケースや、多数のファイルを横断して論理関係を追わなければならない作業などでは、より強い推論設定が適している。一方、単純な検索や整理作業で最高設定を使っても、必ずしも結果が良くなるとは限らないという。
AI仙人自身の経験としても、ベンチマークを試した際に「最も賢い設定=最も高いスコア」とならないケースがあったと説明している。
つまり、AIには常に最大限考えさせればよいのではなく、仕事の複雑さに合わせて推論量を調整する必要があるという考え方だ。
4.初心者は「フルアクセス」より「自動レビュー」が無難
重要な注意点として詳しく扱われるのが、Codexに与えるPC操作権限である。
「フルアクセス」は強力だが、AIエージェントがファイルなどを意図せず変更・削除する危険性があるため、通常利用では「自動レビュー」程度がよいのではないかと説明する。
自動レビューでは、安全と判断された操作はAIがそのまま実行し、危険性のある操作を行なおうとした場合だけユーザーに確認を求める。難しいシステムを作る場合には、いきなり実装させず、まず計画だけを立てさせる「プランモード」も利用できるという。
後半ではさらに踏み込み、別フォルダへのパスを与えると、AIがそこも操作対象と解釈する可能性があるため注意すべきだと説明。AI仙人によれば、フルアクセス環境では指定フォルダだけを厳密に隔離しているとは考えない方がよく、必要以上の権限を与えないことが重要だとしている。
5.Codexの音声入力は他のアプリでも利用可能
意外な機能として高く評価されたのが音声入力である。
設定でショートカットキーを割り当てると、Codex内部だけではなく、ブラウザなど他の場所でも音声入力できると説明される。これまで別の音声入力サービスを利用していたAI仙人は、Codexの機能で代替できる可能性があるとしている。
一方で、入力まで若干遅く感じることや辞書機能、モバイル対応などでは専用サービスに利点が残るとも述べており、完全な上位互換と断定しているわけではない。
6.YouTube文字起こしから「AIについての資料」を作成
ここから動画は説明中心から実演中心に移る。
過去のYouTube動画の文字起こしが大量に入ったフォルダをCodexに渡し、「AIについて大事なところを抜き出して資料化してください」という趣旨の指示を出す。
最初からPowerPointを作らせるのではなく、まずMarkdownで資料の骨子を作成する方法を採用する。これは、最終成果物に変換する前に、人間やAIが編集しやすいテキスト形式の「中間地点」を設けるためである。
生成された内容には、「AIは使うツールではなく仕事のOSになる」「AIと融合して仕事をする」「チャットAI→フォルダを扱うAI→分身エージェント」「プロンプトよりコンテキスト」といったテーマが整理され、AI仙人はCodexがコーディングだけでなく、こうしたビジネス系・文系の情報整理にも強いと評価している。
7.Markdownを「中間コンテキスト」として使う
動画の重要な考え方の一つが、最終成果物をいきなりAIに作らせず、途中に編集可能な情報層を置く方法である。
例えば、「大量の文字起こし → Markdownによる要点整理 → スライド」という流れにする。
Markdownであれば途中で文章を追加・削除したり、人間が内容を確認したりしやすい。その後、その整理済みデータからスライド、Webサイト、音声など複数の成果物へ展開できる。
AI仙人はこれを「コンテキストの中間層」のようなものとして説明している。
大量の元資料をそのままAIへ毎回渡すのではなく、目的に応じて一度整理した「中間コンテキスト」を作ることで、後工程の精度と編集性を高めるという考え方である。
8.「全部AIに任せる」ことで能力の限界を探る
続いて、作成した情報を基に、AI仙人を紹介する企業サイト風のWebページをCodexに作らせる。
ここでは細かなデザイン仕様を与えず、「いい感じに作ってほしい」という非常に抽象的な指示をあえて使用する。
目的は最高品質のWebサイトを一発で作ることではなく、現在のAIに何も指定せず任せた場合、どこまで自力でできるのかを確認することにある。
AI仙人は、このような指示を「AI全任せプロンプト」と呼び、AIの能力の現在地を把握する方法として利用している。
9.自分が知らない分野の「コンテキスト」もAIに集めさせる
Web制作の専門知識を持っていないという話から、「分からないならAI自身に専門知識を集めさせればよい」という方向へ進む。
そこでCodexに、プロのWebデザイナーや優れた企業がどのような手順でWebサイトを制作しているのかをWebから調査し、出典付きでMarkdownに整理するよう指示する。
さらに、「エージェントをなるべく多く出して分担して調査してください」と指示することで、複数のサブエージェントにWeb調査を並列化させる方法も紹介する。これにより、一つのAIに順番に検索させるのではなく、複数の調査担当に仕事を分担させる発想が示される。
10.「コンテキストがない」はAIを使えない理由にならない
この実演から、話題の中心はCodexの操作方法から「AI時代の仕事の仕方」へ移っていく。
例えば、自分にエンジニアリングの知識がなくても、AIに専門的な情報源を調査させれば、ある程度の「エンジニアのコンテキスト」を作れる。
金融なら信頼できそうな専門機関、エンジニアリングなら専門家が集まる情報源というように、情報源を指定すればコンテキストの質を改善できるのではないか、という議論も行なわれる。
つまり、「知識がない → できない」ではなく、「知識がない → AIに必要な知識を収集させる → その情報をコンテキストとして仕事を進める」という発想への転換である。
11.ただし「コンテキストは多いほどよい」わけではない
一方、動画ではコンテキスト万能論にも警鐘を鳴らす。
Web上から大量に情報を集めても、その内容が正しいか、優れているかを人間自身が判断できなければ、質の低い情報までAIに渡すことになる。
特に現在はAI生成コンテンツも増えているため、専門サイトに掲載されているからといって、すべてが良質とは限らない。
したがってAI時代には、「コンテキストを持っていること」だけでなく、「良いコンテキストと悪いコンテキストを見分けられること」も重要になる、との見方を示す。
さらにWebデザインの専門手順を大量に与えた実演では、情報量が多すぎるとAIがすべてを適切に反映できない可能性も指摘。「10~20項目程度」のように重要事項を絞った方がうまくいく場合があるという感覚も語られる。
つまり重要なのは「大量のコンテキストではなく、目的に合った質の高いコンテキスト」ということになる。
12.Codex自身がWebサイトを見て問題点を発見し、修正
サイト改善では、Codexが単純にコードを書くだけでなく、生成したページを自ら確認し、「H1が画面から切れている」「CTAが弱い」「レスポンシブ設計に問題がある」といった問題を分析し、スクリーンショットなどを確認しながら修正していく様子が紹介される。
またYouTube上の実際のチャンネルを確認し、赤・黒・白などのビジュアル要素や人物の特徴を把握し、それをサイトへ反映しようとする。
この過程を通じて、Codexは「調査 → 制作 → 確認 → 問題発見 → 修正」というループをある程度自律的に回せるAIとして描かれている。
13.ブラウザを経由すれば別のAI機能も仕事に組み込める
人物画像の品質が低いという問題が発生すると、AI仙人は普通のChatGPT側の画像生成機能を使うことを思いつく。
そこでCodexに対し、必要ならブラウザを操作し、画像生成を行ない、生成された画像を取得してWebサイトへ持ってくるよう指示する。
ここで注目されるのは、「Codexに直接その機能があるか」という発想ではなく、「ブラウザを操作できるなら、ブラウザ上にある別のサービスを使わせればよい」という発想である。
この点からも、Codexを単一の生成AIではなく、PC上の複数のツールをつなぐ「実行役」として捉えていることが分かる。
14.AIには人間とは違う「得意・不得意」がある
サイト制作は徐々に改善する一方、人物画像の選択やデザインなどでは、人間から見ると明らかに不自然な判断も残った。
AI仙人は、AIには「ものすごく賢い時」と「非常に単純なことが分からない時」があり、特に画像の認識や美的判断は人間と異なる可能性があると指摘する。
そのため、AIにすべてを丸投げするのではなく、背景透過済みの適切な人物画像を最初から渡すなど、AIが処理しやすい状態を人間側が作る工夫も有効だとしている。
15.わずか数回の指示でもサイトが段階的に改善
実演の終盤では、動画撮影開始から約1時間、しかも別の話をしながら片手間で動かしていただけにもかかわらず、Webサイトがかなり完成形に近づいたことに2人が驚く。
AI仙人によれば、投入したプロンプトは4~5回程度。それでもCodexは、自分が作った結果を確認し、人物写真の位置などの問題を認識して素材を作り直すなど、段階的に成果物を改善していた。
最終的な評価は、「一発で完璧なものを作れる」というものではない。
デザインテンプレート、サイトの目的、訴求内容、使用する文章などを人間側でもっと詰めて渡せば、さらに短時間で高品質な成果物を作れる可能性がある、という評価になっている。今回については、YouTube文字起こしを渡してかなり自由に判断させた実験だったため、改善余地も大きいとしている。
16.最も重要なのはツール操作より「AIに何をやらせるか」という発想
動画終盤では、「AI力」とは特定のAIツールの操作方法を覚えることだけではないという話に発展する。
聞き手はエンジニアではなく、AIを使い始めたのも比較的最近で、Codex自体も今回まだ本格的に触っていない。それでも、ブラウザユースの説明を聞いただけで「他の優れたサイトをAIに分析させてデザインの参考情報を抽出できるのではないか」などのアイデアを出すようになる。
AI仙人は、こうした発想こそがAI活用能力の重要部分だとする。
すなわち、
「このAIは何ができるのか」
→「では、自分のこの仕事も任せられないか」
→「足りない知識はAI自身に調べさせられないか」
→「別のツールまで操作させられないか」
→「結果をAI自身に確認・改善させられないか」
と考える能力である。
動画全体を通じたメッセージは、Codexを単なる「プログラマー向けのコード生成AI」と見るのではなく、ファイル、Web、アプリ、既存資料などを横断しながら、調査・整理・制作・修正までを担わせる「仕事の実行エージェント」として捉えるべきだというものだ。
同時に、その能力を引き出す鍵として「プロンプトの技巧」以上に、適切なコンテキスト、情報源の質、権限管理、そして「AIに何を任せられるかを考える発想力」が重要だという結論が示されている。
