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東京から那須に移住して古民家に棲んだら


今年、東京から那須に移住した。
夫がここで農家になると言い出したから、私も会社を辞めて着いてきたのだ。
とはいえ我々夫婦は、運転免許すら持っていなかった。私に至っては、学生時代にオートマを取ったのに、更新せずに失効していた。

人生2回目の教習所。

というわけでまずは一月に那須に来て、合宿免許でマニュアルを取得。仮免許で落ちるし難しくて散々だったけれど、なんとか無事に卒業した。

取得早々、地元の中古車販売店で20万円台の軽激安軽自動車を購入した。そこから数百キロは運転して、なかなか運転も慣れてきた。

家はとんでもなく広い。

そうしてようやく、購入していた築70年以上の古民家に移り住んだ。

結論から言うと、大変だけれど、素晴らしい場所だ。

なにが大変か。そもそも戸建てに住んだ経験が無かったので、家の維持管理自体が重労働だ。柚子の木が生えていて嬉しいのだが、手入れをしないと背が高くなりすぎてしまう。間伐をした夫の手は、柚子の枝の棘で傷だらけだ。

裏庭の柚子。

カメムシも多い。侵入経路を探しては、穴を塞ぐ作業をしている。

またトイレの換気扇が壊れていたので、シャッター式のものを通販で買って自分で付け替えてみた。

ビフォー。

30年ものの換気扇が、

アフター。

こうなった。
ちなみに生まれて初めて電動ドライバーを使った。設置はコンセント式なので非常に簡単で、二つ替えて延べ一万円。自分でやると安い!


こうして手探りで暮らし始めて、課題は山積みだ。階段に手すりをつけたいし、風呂場の換気扇が壊れているので買わなきゃだし……。

とはいえ、引っ越してきてよかったと思うことが本当に多い。
集落の方々は、突然やってきた、怪しい我々に対して本当に優しく接してくださっている。お米、鮎、漬物、ブルーベリーなど美味しいものをご厚意でたくさんいただく。先日は、我々の歓迎飲み会を公民館で開いていただいた。この地区に恩返しできるように、頑張らねば。

ご近所さんにいただいた焼き鮎。

地元のものを使って料理をするのもすごく楽しい。最近は、大田原市の唐辛子を使って自家製キムチを作っている。

地元の酒蔵の酒粕入り。
米も卵も直売所で購入した。
地元で人気のトマトと鶏昆布締め。

これまで東京ではウサギ小屋のようなワンルームに住んできたので、キッチンも一口コンロだった。いま広いキッチンで気ままに料理ができるのが嬉しい。

また、最近は東京から客人第一号が泊まりにきてくれた。
夫の学生時代の友人だ。近くに日帰り温泉も多いし、家も広いので気兼ねなく来客に泊まってもらえるのも嬉しい。
おもてなしは、地のものをふんだんに使った晩餐にした。

子持ち鮎の甘露煮、自家製キムチ、ご近所さんの白菜漬け。
古代米を混ぜて炊いた両郷米。
須佐木という地区にある酒蔵で買った幻の酒。

まさにテロワール。
この地区には、玄関にあがるとすぐに掘り炬燵がある家が多い。うちもまた同じくそうだ。ここで温まりながら、灯油ストーブをつけて、夕暮れから友人と酒を飲む。素晴らしい日だった。

庭にある小屋の解体や植木の剪定、水路掃除など……まだまだやることは枚挙にいとまがないけれど、ひとつひとつの問題を解決していく時間が、いまはとても貴重で、幸せだ。


これからも、定期的に地方移住の心境の変化、感想について記していきたい。

(おわり)

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タカイワ マサ | ライター・イラストレーター 面白いと思ったら応援のほどよろしくおねがいいたします! いただいたチップは執筆活動に使わせていただきます。