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【note戦略】開始から半年・フォロワー7,000人!|AIは答えをくれない。材料をくれるだけだった|一行のアイデアから、短編が完成するまで|コラム|感謝

みなさま、こんにちは。
カケルンです。

noteへ本格的に投稿を始めてから、半年を超えました。

そして、ありがたいことに、フォロワーも7,000人を超えました。

最初の一記事を書いた頃には、半年後もこうして書き続けていることも、これほど多くの方と出会えていることも、想像できていませんでした。

記事を読んでくださる方。
スキやコメントをくださる方。
マガジンに加えてくださる方。
そして、言葉を残さなくても、静かに見守ってくださっている方。

一つの記事を書くだけでは、この場所にはたどり着けませんでした。

半年の間にいただいた、一つひとつの反応や言葉が、次の記事を書く力になりました。

皆さまのおかげで、ここまで書き続けることができました。

本当にありがとうございます。

6,500人を超えたとき、僕は、

「それでも、記事を書くたびに僕は『0人』に戻る」

という記事を書きました。

フォロワーが何人いても、過去の記事がどれだけ読まれていても、次の記事まで読んでもらえる保証はない。

だから書くときは、7,000人全員へ届けようとするのではなく、目の前にいる一人へ向けて書く。

そう決めました。

そして7,000人を超えた今、あらためて思います。

小説の最初の一行も、やっぱりゼロから始まる。

AIがいても、そのゼロは消えません。

書きたいものが決まっていなければ、AIはそれらしい物語を作ることはできても、自分が本当に書きたかった物語までは教えてくれない。

でも、一人では見つけられなかった材料を、机の上へ並べてもらうことはできます。

今回は、実際にAIと一つの短編小説を作りながら、どこで迷い、何を捨て、どう自分の物語へ戻していくのかを書いてみます。

完成までの、あまりきれいではない過程も含めて。



「AIでひとり編集部を作る」の、その先へ

フォロワー5,000人のときに書いた、

「AIで『ひとり編集部』を作るという話」

は、ありがたいことに3,130PVを超えました。

6,000人のときに書いた、

「100点の文章より、80点の総合力が読まれる」

という記事も、1,515PVを超えています。

それだけ、AIを創作へどう取り入れるか、そして一人で作品全体をどう整えるかに、迷っている人が多いのだと思います。

だから今回は、

「AIをどう使うべきか」

という考え方ではなく、僕がAIの案を疑い、捨て、選び直すまでの実際の過程をお見せすることにしました。


最初に決めたのは、物語ではなく感情だった


いきなり登場人物や世界設定を考えようとすると、何も浮かばなくなることがあります。

そんなとき、僕は、

「読んだあとに、どんな感情を残したいか」

から考えます。

悲しさ。
あたたかさ。
寂しさ。
安心。
後悔。
小さな希望。

今回は、こんな感情を選びました。

大切な人を失った寂しさの中に、
少しだけ前へ進める温かさを残したい。

まだ主人公もいません。
出来事も起きていません。

物語と呼べるものは、何もありません。

でも、この感情だけは捨てたくない。

それを今回の出発点にしました。

次に、物語へ入れてみたいものを三つ挙げました。

* 閉館が決まった古い図書館
* 誰が書いたか分からない手紙
* 亡くなった母に言えなかった言葉

そして、この三つをAIへ渡しました。

次の三つの要素を使って、2,000字程度の短編小説のアイデアを3案出してください。

・閉館が決まった古い図書館
・誰が書いたか分からない手紙
・亡くなった母に言えなかった言葉

読後感は、「寂しさの中に少しだけ温かさが残るもの」にしてください。

まだ本文は書かず、物語の概要だけを考えてください。

最初から本文を書いてもらわなかったのは、物語の方向が決まっていない段階で長い文章を作ると、その文章を捨てにくくなるからです。

AIがきれいに書けば書くほど、

「せっかくここまでできたのだから」

という気持ちが生まれます。

でも、整っていることと、自分が書きたいことは同じではありません。

まずは文章ではなく、物語の可能性だけを並べてもらいました。


三つの案から、B案を選んだ


AIからは、次のような案が返ってきました。

A案

閉館前の図書館で働く主人公が、返却された本の中から、亡くなった母の筆跡に似た手紙を見つける。

B案

母を亡くして以来、図書館へ行けなくなった主人公が、閉館の知らせを受けて最後の日に訪れる。そこで、幼い頃の自分が母へ書いた手紙を見つける。

C案

閉館する図書館の返却箱に、毎朝一通ずつ宛名のない手紙が入っている。主人公は、その文章が亡くなった母の口癖と似ていることに気づく。



このとき、僕はB案に惹かれました。

「幼い頃の自分が、母へ書いた手紙」

という部分に、少しだけ胸が動いたからです。

そこで、図書館では昔、

「十年後の自分へ手紙を書く」

という催しが行われていたことにしました。

母と一緒に参加した主人公は、十年後の自分ではなく、隣にいた母へ手紙を書いていた。

でも、その手紙は渡されないまま、図書館の倉庫に残っていた。

物語の形が、少しずつ見えてきました。

このまま書ける。

そう思いました。


でも、途中で「違う」と感じた


AIと構成を作り始めると、物語はきれいにつながっていきました。

主人公が閉館前の図書館を訪れる。
倉庫から手紙を見つける。
母との記憶がよみがえる。
言えなかった感謝を思い出す。
最後に手紙を読み、少しだけ前を向く。

物語としては成立しています。

でも、並べてみると、

閉館する図書館。
亡くなった母。
二十年前の手紙。

少し、“読者を泣かせるために用意された物語”に見えました。

間違っているわけではありません。

むしろ、きれいに整っています。

だからこそ、違和感を見逃しそうになりました。

僕は一度、作った構成を止めました。

B案を選んだのに、また入口まで戻りました。

そしてAIに、新しい結末を考えてもらうのではなく、今の物語に感じている違和感を渡しました。

この物語は、読者を泣かせるための出来事が都合よく並んでいるように感じます。

どこに作為が見えるのか、遠慮せず厳しく指摘してください。

返ってきた答えを読みながら、ひとつ気づきました。

僕は、母からの「答え」まで用意しようとしていたのです。

実は最初の構成では、母もその手紙を読んでいて、裏面に娘への言葉を残していたことになっていました。

主人公が母の言葉を読み、救われる。

分かりやすく、感動的な結末です。

でも、それは今回描きたいものとは違いました。

僕が描きたかったのは、亡くなった母から何かを受け取る奇跡ではありません。

言えなかった言葉を、今の自分がようやく認めることでした。

だから、母からの返事はなくしました。

手紙が主人公を救う展開もやめました。

残したのは、幼い自分が書いた一行と、その余白へ大人になった自分が書き足す一行だけです。


AIは正解ではなく、違和感を映す鏡にもなる


AIを使うというと、答えやアイデアをもらうことばかりに目が向きます。

でも、今回一番役に立ったのは、AIが出してくれた正解ではありませんでした。

AIが整えた物語を見て、

「これは、自分の書きたいものではない」

と気づけたことです。

一人で考えていると、自分の頭の中だけで話が進みます。

でも、AIに一度言葉として出してもらうと、それを少し離れた場所から見ることができます。

好きか。
嫌いか。
きれいすぎないか。
説明しすぎていないか。
本当に残したいものは何か。

AIの案を採用しなくてもいい。

むしろ、何を採用しなかったかに、自分らしさが表れることもあります。

AIは、答えを決める人ではありません。

自分の違和感を映す鏡にもなる。

今回、僕が一番強く感じたのは、そのことでした。


結末から、物語の道を作り直した


残したい一行が決まりました。

お母さん。あの日、ちゃんと嬉しかったよ。

この一行を、物語の最後に置く。

そこから逆算して、構成を作り直しました。

* 導入:閉館が決まった古い図書館を主人公が訪れる。
* 発見:閉館準備で見つかった保管箱の中から、子どもの頃に書いた手紙を見つける。
* 記憶:母と一緒に図書館へ通っていた頃を思い出す。主人公は当時も、母に気持ちをうまく伝えられなかった。
* 選択:手紙の余白へ、大人になった自分の言葉を一行だけ書き足す。
* 結末:手紙を本棚へ戻さず、自分の鞄へ入れて図書館を出る。

最初の構成にあった、母からの返事はありません。

大きな奇跡も起きません。

主人公の悲しみが、完全に癒えるわけでもありません。

ただ、自分があの日感じていたことを、自分の言葉で認める。

それだけの物語になりました。

でも、僕にはこちらの方が、最初の案よりも少しだけ本当らしく感じられました。


AIの初稿を、自分の体温へ戻す


構成が決まったところで、AIに冒頭の下書きを頼みました。

先ほどの構成をもとに、短編小説の冒頭を400字程度で書いてください。

静かで落ち着いた文章にしてください。

説明しすぎず、閉館前の図書館の寂しさを、匂いや音などの描写から伝えてください。

返ってきたのは、このような文章でした。

AIの初稿

図書館の中には、静寂が広がっていた。

古い本の匂いが漂い、窓から差し込む夕日が床をオレンジ色に染めている。

来週、この図書館は閉館する。

主人公の美咲は寂しさを感じながら、思い出の詰まった館内を見渡した。

意味は伝わります。

文章としても、大きくおかしいところはありません。

でも、

「静寂が広がっていた」
「古い本の匂い」
「夕日が床をオレンジ色に染める」
「思い出の詰まった館内」

このあたりは、どこかで見たことのある表現でもあります。

間違ってはいない。

でも、この主人公にしか見えない図書館には、まだなっていません。

そこで、僕なら次のように直します。

自分の体温へ戻した文章

返却台から、本の山が消えていた。

いつもなら閉館間際まで誰かの本が積まれているのに、今日は木目の上に、貸出期限を知らせる小さな紙が一枚残されているだけだった。

母と通っていた頃から変わらない柱時計が、五時を二分過ぎて鳴った。

来週、この音を聞く人はいなくなる。

図書館が寂しいとは、直接書いていません。

その代わりに、

返却台から本が消えている。
小さな紙だけが残っている。
柱時計の音を聞く人がいなくなる。

という具体的な変化で、閉館の寂しさを表しました。


AIの初稿を使ってはいけないわけではありません。

ただ、一度立ち止まって、

「この場面を、自分ならどう見るだろう」

と考えてみる。

AIが置いた一般的な風景を、自分の目に映った風景へ置き換えていく。

その作業によって、文章に少しずつ自分の体温が戻ってきます。



完成した短編のラスト

こうして、物語の最後は次のようになりました。

『返却期限のない手紙』

母へ。

きょう、いっしょに本をよんでくれて、ありがとう。

「ありがとう」の「が」が、鏡文字になっていた。

美咲は、指先でそこをなぞった。

二十年前の自分は、この手紙を母へ渡さなかった。

書いたことさえ、もう覚えていなかった。

けれど母は、覚えていたのかもしれない。

この催しのあと、母は何度か笑いながら聞いてきた。

「美咲は、十年後の自分に何を書いたの?」

そのたびに美咲は、「秘密」と答えた。

本当は、十年後の自分になど書いていなかった。

隣にいた母へ書いていた。

恥ずかしくて渡せないうちに十年が過ぎ、さらに十年が過ぎた。

母は、その途中でいなくなった。

美咲は受付から借りたボールペンを持ち、幼い文字の下に一行だけ書き足した。

お母さん。あの日、ちゃんと嬉しかったよ。

インクが乾くまで待ってから、手紙を二つに折った。

柱時計が六時を鳴らす。

「閉館します」

館長の声が、誰もいない閲覧室へ静かに落ちた。

美咲は手紙を本棚へ戻さなかった。

返す相手はもういない。

それでも、ようやく受け取れたものがあった。

鞄の内ポケットへ手紙をしまい、美咲は図書館を出た。

外には、まだ少しだけ明るさが残っていた。



自分でも書いてみたい人へ

ここまでの流れを、自分でも試せる形にすると、次のようになります。

* 感情を一つ
* 材料を三つ
* 概要だけ複数案
* 心が動いた部分を拾う
* 違和感が出たら戻る
* 風景を自分の目で書き直す


全部を一度に決めなくても大丈夫です。

何も浮かばないときは、まず一つだけAIへ渡してみてください。

「言えなかった、ありがとう」という感情から考えられる短編小説の入口を、違う方向性で3案出してください。

まだ物語を完成させず、主人公と最初の場面だけを考えてください。

返ってきた答えの中に、少しでも気になる言葉があれば、そこから始められます。

そして、どの案にも心が動かなければ、全部捨てていい。

AIが出した案を採用しないことも、創作の一部です。

先ほども書いたように、AIが出した材料を何度も疑い、最後に何を残したか。

そこに、書き手自身が表れるのだと思います。



7,000人いても、次の一行はゼロから始まる

小説は、特別な人だけが書けるものではありません。

心の中に残っている風景。
まだ言葉にできていない気持ち。
誰かに届いてほしかった一言。

そのどれか一つがあれば、物語の種になります。

AIは、その種の代わりにはなれません。

でも、どんな場所へ植えるかを一緒に考えたり、芽が出るまで隣で土を整えたりすることはできます。

AIは答えをくれない。

材料をくれるだけ。

どの材料を選ぶのか。
何を捨てるのか。
最後に、どんな物語として届けるのか。

それを決めるのは、自分です。

フォロワー7,000人。
そして、noteへの本格投稿を始めてから半年。

ここまで僕が書き続けられたのも、AIがいたからだけではありません。

書いた物語を読んでくださる方がいて、感想を残してくださる方がいて、次の一話を待ってくださる方がいたからです。

半年の間、記事を書くたびに、僕は何度もゼロへ戻ってきました。

それでも、そのたびに誰かが、次の一行を受け取ってくれました。

物語は、書いた瞬間に完成するのではなく、誰かの心に届いたとき、もう一度生まれるのだと思います。

これからも、自分の心が動いた言葉を選びながら、一つずつ物語を届けていきます。

半年を超えても、次の記事が読まれる保証はありません。

7,000人いても、次の一行はゼロから始まります。

でも、その一行を最後に選ぶのは、やっぱり自分です。

半年間、本当にありがとうございました。

そして、これからもよろしくお願いいたします。

ミキティからステキなありがとう✉️



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