イフリート

イフリート

名称:イフリート
英名:Ifrit(Efreet、Afrit)
別名:イフリット、アフリート
分類:精霊・魔神
系統:ジン(精霊)・アラブ神話・イスラム伝承
出典:アラブ世界の民間伝承、イスラム教文献
生息域:砂漠、火山地帯、地下世界、古代遺跡
危険度:★★★★★
知性:★★★★★
属性:炎

イフリートは、アラブ・イスラム世界に伝わる強力なジン(精霊)の一種である。
イスラム教の伝承では、ジンは「煙のない炎」から創造された存在とされ、その中でもイフリートは特に強大な力と高い知性を持つことで知られる。多くの物語では誇り高く気性が激しい存在として描かれ、人間に対して敵対的な場合もあれば、契約や知略によって協力者となる場合もある。
その存在は単なる怪物ではなく、一国を滅ぼすほどの力を持つ魔神として恐れられ、王や魔術師が使役しようと試みたという伝承も数多く残されている。

イフリートは巨大な人型で現れることが多く、燃え盛る炎そのもののような赤い肌と灼熱の身体を持つ。
頭髪や髭は炎となって揺らめき、鋭い角や巨大な牙、黒曜石のような爪を備える姿が一般的である。また、背中から炎の翼を広げる姿や、黒煙をまとって現れる姿も語られている。
伝承によっては自在に姿を変える能力を持ち、人間や旅人へと変身して人前に現れることもある。

イフリートは炎を自在に操る能力を持ち、その一撃は岩石すら溶かす灼熱を生み出す。
また、人間を遥かに超える怪力と耐久力を誇り、通常の武器では傷一つ付けられないとも伝えられる。
さらに高い知性を有しており、魔術や古代の知識にも精通する。契約を結ぶことで莫大な力を貸し与える一方、契約の隙を突いて相手を破滅へ導く狡猾さも兼ね備えている。
古い伝承では、地下に眠る財宝や失われた都市を守護する存在ともされている。

イフリートは現代のファンタジー作品において「炎の精霊」や「火の魔神」の代名詞ともいえる存在である。
RPGでは火属性の召喚獣や精霊王、あるいは終盤の強敵として登場することが多い。巨大な炎の巨人として描かれる作品もあれば、人間に近い威厳ある姿や悪魔的な姿で描かれる作品も存在する。
炎属性を象徴する存在としての知名度は極めて高く、世界中のゲームや小説に多大な影響を与え続けている。

イフリートは「悪魔」と混同されることが多いが、本来はジンという独立した種族の一員である。
人間と同じように善悪の概念を持ち、信仰する者もいれば反逆する者もいるとされる。そのため、必ずしも邪悪な存在とは限らない。
燃え盛る炎は破壊だけでなく、生命を育み文明を支える力でもある。イフリートは、その二面性を象徴する精霊なのかもしれない。
