奈良の刑務所で知った言葉の大切さ
愛知県勝川PortBooksのサラリーマン棚主タケシマ・シンです。
言葉によって人は変われる
今回はそんなことを実践された、
ある童話作家と奈良少年刑務所の受刑者の話です。
僕がこの話を知ったきっかけは、先日オープンした奈良監獄ミュージアム(元少年刑務所)を訪れたこと。

2017年まで運営されていた少年刑務所の建物。
建物内に入った途端、ヨーロッパにいる感覚に襲われた。
以前、ヨーロッパで暮らしていた頃に感じた匂い、雰囲気。
そうだ。この赤煉瓦。これはヨーロッパだ。
展示で確認したところ、明治時代にドイツ建築を見本として作られた建築だという。こんな素晴らしい建物が日本にあるのか!と驚くばかり。
そして建物の中でかつて受刑者が入っていた部屋の様子をじっくりと観察できました。

ここは観光施設というよりも、
塀の中にいるということはどういう気持ちか?
自由とは何か?
普段考えることがないことについて、深く考えさせられる場所でした。

僕自身も普段何かに縛られて生きているのではないか?
自分自身をこの人形に投影した
そして、帰りの近鉄奈良駅前の書店で手にとったのは、
かつて奈良少年刑務所で暮らしていた少年・少女受刑者に、
詩を作る授業を教えていた寮 美千子さん(童話作家)の詩集。
この本には、受刑者たちへの授業で受刑者の少年少女が作った詩が編集されています。
入所前に詩を書いた経験など無い少年少女たちが
美しい言葉、素直な言葉をつづって詩を書かれています。
少年刑務所に入った後も決して
自分を見捨てることのないオカンへの想い
母を捨てて出て行った父に対する想い
自分が過去に行ったことへの振り返り
この詩集を読むと、言葉に出すこと、表現することは自分の内面を振り返り内省につながることを感じます。
寮さんはそれを詩という形で授業に活かしています。
そして罪を犯した少年少女が何か変わるのではないか、ということに期待を込めて授業をされていたのだろうと想います。
寮さんの詩の授業は、奈良少年刑務所が閉鎖後に終了したそうですが、そのココロは、
受刑者との対話アプローチ(刑務所職員が受刑者の話を聴く)
という形で受刑者の再生プログラムとして現在も活きているそうです(関連する役所に勤務する友人に確認しました)。
単なる観光ではない、自分が知らなかった世界をのぞき、
言葉によって人は変われる、という素敵なことを実践しようと努めた方が
かつて古都奈良の地にいた
こんなことを知ることができたゴールデンウイークでした。
