経営方針発表会で「難しいことは一切言わない」と決めました
こんにちは!元激流カヤックガイド、現在板金加工会社アトツギの安永翔太です。僕は現在、承継準備中まっただなかです。
突然ですが、皆さんの会社の経営方針発表会、聞いている社員の顔は上がっていますでしょうか?
うちは正直、ここ数年上がっていない年が続いていました。僕自身、聞く側として参加してて「これじゃあモチベーション上がらないよなあ」と感じながら座っていた時期があります。
ですが、今年度の方針からは僕が発表会を最初から組み立てて、自分で話す側に回って考えたことを書きたいと思います。

聞く側だった僕が決めた、一つのルール
うちの発表会はここ数年、資料を作る人と、話す人が分かれた形式でした。数字がびっしり並んだ資料を、順におって読み上げていく。真面目には作られているんですが、聞く側からすると、どうしても「難しいことを言われている」時間になってしまうと思うんです。
うちの社員達は毎日、朝から晩まで鉄板と向き合っています。経営の数字を眺める時間なんて、ほぼない。その人達に数字を一方的に浴びせても、響かない。むしろ、会社から置いて行かれてる感覚になるんじゃないかと思ってます。
そんな状態なのに、難しい数字をかみ砕こうとせずに話すって、これはとても乱暴なことなような気がしてました。それで今年、僕が意識したことはひとつだけ。
「難しいことは、一切言わない」。これだけです!
世界のニュースが会社に与える影響をわかりやすく
最初に話したのは、世界情勢。このパートは毎年「今年の出来事 」的な感じで、さらっと箇条書で話されていたことではありました。
今年はわかりやすさを追求しました。例えば「戦争があって、ホルムズ海峡が実質閉鎖されて、石油の輸入が厳しくなった。その影響で、塗料や油が入らなくなり、ヤスナガの営業にもダメージを与えている」というような話かたを徹底しました。
ニュースでちらっと見たことがある出来事は、実は自分の仕事にも繋がっている。まずそこをスライドでとにかくわかりやすく見せまいた。
ここで言いたかったことは一つです。「会社の運命は、外部要因に大きく左右される」ということ。
うまくいかないことを誰かのせいにする話すではない、という前提を最初に共有したかった。その前提に立って上で、やれることをみんなでかんがえようよ!という文脈を作りたかった。

数字の隣に、「解釈」をひと言添える
36期の振り返りでは、数字の出し方を変えました。
数字はもちろん出します。ただ、そのたびに「この数字はどう解釈すればいいのか」を一言添えるようにしました。
例えば、会社の資金や自己資本比率などの話をしたあとに、「つまり、そう簡単にはつぶれない会社になっている、ということです」という数字の解釈と、「これは、これまでの皆さんの積み重ねがあってこそです」感謝をセットで伝えました。
この数字の解釈、この一言があるだけで聞いている人は「あ、そっか、うちの会社大丈夫なんだ」と安心できます。逆に損益計算書で利益が薄くなっていることもしっかり伝え、「これは世界情勢からくコスト増が関わっている、だから、いま営業チームが値上げ交渉を頑張ってくれています」という話に繋げました。
数字そのものをではなく、解釈を渡しながら。専務は何を言おうとしているのか、をとにかく伝わる方法を考えて話しました。
42人の声から、一つに絞る
最後は今期、37期の挑戦の話です。
実はここにくるまでに、4~6月までかけて42名の社員達全員と、個人面談をしました。そこで出てきたのは「ちょっとギスギスしている」とか「やりがいが感じられない」「課ごとの仲がよくない」という声です。
細かくいこうとすれば、課題はいくらでも挙げれます。でも僕は、この発表会の場では7~8割方がそうなら、大枠で言い切ってしまった方が、伝わりやすさ重視で言い切ってしまうことを決めていました。
いい会社の条件を4象限のマトリクスをスライドに出して、確認しながら、皆にも少し考えてもらうような問いかけもしながら、いまのヤスナガに足りていないのはどこだっけ?ということを、話していきました。

「今年はチームワーク。難しいことは考えなくていい。それだけでいい」
言い切ることに。これは勇気がいりましたが、全員に意図を届けたいなら、絞るしかないと思っています。

アンケートで一番多かった言葉
発表会はちょうど1時間、終わった後のアンケートで一番多かった言葉は「わかりやすかった」でした。
他にも、「今年1年はチームワークを高めればいいんだとわかった」「専務の想いが溢れてて時間オーバーするかと思った(笑)」という声ももらえて、伝えたかったことはこれだけだったので、よし…まず一つ、意図が伝わったことに、心底安心しました。
【余談】資料作りのAI活用
ちなみに、方針発表会の資料、カンペは全てクロードコードと一緒に作りました。前期の経営方針発表の資料と、42名分の面談記録を全て渡して、30~40枚程度のスライド案を出してもらう。そして、いったん自分で全部通して話してみる、そうすると、ぼくが言わなそうな言葉やそもそも、そこ重要じゃないんだけどな、みたいなスライドや言い回しなどがでてくる。その違和感をどんどん修正していって、ととのえていきました。
作りこみの時間はしっかりかかりましたが、一人で白紙で作るよりはおそらく10分の1程度の時間で済んでると思います。
今年は社員と目線を揃えるに振り切った
今年の方針発表は、立派なことやワクワクする遠い未来のビジョンを語る場ではなく、全員の目線を揃える場に振り切ってやってみました。
初めての方針発表会としては成果は上々、みんなの心に火をつけるきっかけにはなったかなと思っています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
