Community Marketing Conference 2025に参加しました。
皆さんこんにちは。原田(@yasuhirox)です。
2025年6月13日に、東京・ベルサール神田で開催された「Community Marketing Conference 2025」に参加してきました。
家庭の事情もあり、すべてのセッションに参加することはできなかったのですが、特に印象に残った2つのセッションについて、簡単にメモがてらレポートしておこうと思います。
あくまでも私個人の視点からのレポートとなりますし、メモに残した内容から書いているので、間違いないなどございましたら、その点はご了承ください。
CxO視点で見る、コミュニティマーケティングとビジネスの「これまで」と「これから」

ゲストトークセッションでは、カオナビCOOの最上さんと、LOVOTを展開するGROOVE X代表の林さんが登壇。この2社が共通して語られていたのは、「コミュニティ施策は経営陣のコミットなくして成立しない」という言葉でした。
カオナビが本格的にコミュニティ施策を始めたのは、レッドオーシャン化が進んで、機能競争だけでは差別化が難しくなったタイミングだったそうです。
プロダクトだけでは語りきれない“タレントマネジメント”という文脈の中で、ユーザー会・オンラインコミュニティ・メディアを掛け合わせた「カオナビキャンパス」が誕生。

興味深いのは、その設計思想でした。他社のコミュニティの設計が見れるのは僕としてはとても嬉しかったです。
はじめは「機能を学ぶ場」として始まったユーザー会を、あえて“小規模 × 高頻度”で開催し、次第に他社の話を聞ける場所=「交流の場」へとシフトさせていったようで、その交流が「ユーザー同士で課題を話し合う場」になっていったようです。
当初はカスタマーサクセスの延長線に位置付けられていたコミュニティ施策だったようですが、今では部門横断型の戦略部門に進化しているとのこと。
ヌーラボでも同じように、部門横断型の組織になっているので、ここはとても共感を得られる内容でした。
また、カスタマージャーニーに最も触れているのはコミュニティだという認識のもと、既存顧客との関係構築だけでなく、新規顧客の想起・創造を担う存在として再定義されていったようです。
印象的だったのは、段階的にフェーズに分けてコミュニティが語られた資料でした。

フェーズ1:既存顧客向けのサポートポータル
フェーズ2:ユーザー主導の会合やコミュニティ創出
フェーズ3:コミュニティマーケティングへ進化、そして“人事コミュニティ”としての再定義
今後は、「プロダクトを導入していない人事」も巻き込んでいく、オープンな学びの場を目指すようです。
この領域になってくると非常に難しく、ヌーラボでも一度壁にぶち当たってしまったので、カオナビさんの今後の活動は気になるところです。
このセッションを通して改めて感じたのは、コミュニティはプロダクトの補助線ではなく、価値そのものを増幅させるモノになりうるなと思いました。
例えば下記のようなことがまさにそうですね。
既存顧客との対話の質を変える
他社事例を通じてユーザーが推奨者になる
活用の声が次のユーザーを惹きつける
プロダクトの導入前から“想起”を生み出す起点になる
コミュニティの目的は「顧客理解 → 顧客育成 → 顧客創造」と拡張していくことですが、売上への貢献という視点を超えて、顧客接点のあり方そのものを再設計する試みでもあるのかなと思いました。
また、コミュニティは他社の事例をコピペできないことも語れており、それぞれの文脈に合わせて、問いを持ち続ける姿勢こそが、唯一の普遍なのかもしれないなと思いました。
あと、JBUGもここまで言語化できていないなぁと感じたので、あらためて、実施体制や現在のフェーズなど含めて、目的の言語化を進めていかなきゃいけませんね。
キーノートスライドはこちら
RevOps本とコミュニティマーケ本の著者が本音トーク

今回のカンファレンスで楽しみにしていたセッションのひとつが、A会場で行われた「RevOps本とコミュニティマーケ本の著者が本音トーク」でした。
川上さん、小島さんで、テーマはズバリ、「コミュニティはレベニューに貢献できるか?」。
そこで印象的だったのは、「レベニュー組織の課題は“実行主導のプロジェクト”にある」という指摘です。

GTM戦略やテクノロジー導入が個別に動き、パッチワーク的に最適化されてしまうと、結果的に全体がシームレスに連携します。
だからこそ、「戦略・戦術・実行」が連携して進むこと、そして、ガバナンスが機能することが、テクノロジーの価値を最大化する前提になると。これはRevOpsをテーマにしていなくても、多くのチームに突き刺さる話でした。

そして、話は「The Model」の構造にも及びました。分業と見なされがちなこのモデルだが、本来は協業”の体制であるべきで、各フェーズ間の連携があって初めて成果が最大化するという指摘は腑に落ちました。
ヌーラボも組織が分業とならないように、ビジネスグロース部の中で、全てのチームをまとめてみることで、協業しやすい環境を整えています。
とはいえ、課題は山のようにあるんですけどね。
そして、後半はコミュニティが果たす役割が語られました。
中でもMarketoのコミュニティの紹介がものすごく腑に落ちたというか、まさにこれを目指すべきだなと。
情報交換を超えて、マーケターならではの悩みや問いを持ち寄り、成功体験だけでなく“学び合う場”として機能していたというエピソードです。
まさにそれこそが、レベニューに資するナレッジ基盤であり、ユーザー起点の成功循環のスタート地点になるんだなと思いました。ここは絵で描ける内容だったので、あとで追加するかも。
さらに、コミュニティが機能することで生まれるレベニューへのインパクトの紹介されました。
Xでもポストしたんですが、顧客の自己解決力が上がることで、継続利用につながるという話。そして、他社事例がアップセルの文脈で語られる土壌形成にもなると。
既存顧客の自己解決力を高めることで継続利用につなげる。「あの企業が使ってるなら、うちもあの機能を」という文脈でアップセルにもつながる。
— 原田 泰裕 / Yasuhiro Harada (@yasuhirox) June 13, 2025
機能を売るのではなく、活用される状態を育てる……顧客満足度を「別のかたち」で上げていくことの大切さ、あらためて考えさせられた。#CMC_2025 pic.twitter.com/DqRhdhgjSu
要するに、「売れる仕組みをつくる」だけでなく、「活用され続ける土壌を育てる」ことが、今の時代には求められているんだなと。そして、アンケートでは本音が得られないので、お客様同士のリアルな対話こそが価値になるとのこと。
これは納得しすぎて、思わず首がもげそうになりました。
アンケートって、あらかじめ用意された選択肢の中から選ばなければならないし、回答する側にメリットがあまりないので、どうしても適当になりがちなんですよね。
だからこそ、アンケート結果を鵜呑みにするのは危ういし、だからこそ、コミュニティでお客様から直接対話することに価値があるんですよね。

最後にコミュティの戦略のことも語られました。コミュニティという施策を単体で評価するのではなく、「他の施策とどう“掛け算”していくか」。施策を足し算ではなく、掛け算で捉える視座が必要なんですよね。
これはいつも言い聞かせています!
こちらのセッションのスライドはこちら
まとめ
今回のカンファレンスを通じて、「コミュニティがいかに経営や組織成長に寄与するか」という視点から、多くの示唆を得ることができました。
大事なことはコミュニティを通じて、顧客に継続的な価値を提供し続けること。
それが結果として、企業としての信頼の構築やブランドの確立につながっていく――その重要性を、改めて実感する機会となりました。
また、今回のカンファレンスで得られたのは「コミュニティは誰のものか?」という問いに対する多様な答えです。
それは、運営者のものでも、ユーザーのものでもなく、“ともにつくっていく場”であるからこそ、戦略としても文化としても成熟していくのだと。
そして、ヌーラボでは、今後ますます「コミュニティをどのように位置づけ、育てていくか」が問われるフェーズに入っていくので、この学びを、日々の実践に落とし込んでいけたらと思います。
