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「デザイナー終了のお知らせ」と言うけれど、Astraでデザイナーにとって本当に怖いのはそっちじゃない。

はじめに…僕はAstraでデザイナーは滅びないと思ってます。

でも、「じゃあ安心だね」と言われると、そこは全然そうじゃないwwww

YETISのガリです!

Astraの海外作例を見ていると、きれいなLPも、3Dの商品ページも、動きのあるポートフォリオも出てきます。

これまでデザインや実装をしてこなかった人にも、作れるものが増えていく。自分でも試したいと思う一方で、別のことが気になりました。

顧客や商売を理解しているマーケターが、デザインまで自分で作れるようになること。

僕は、こっちが怖い。

デザイナーという職業がなくなる前に、「この仕事はデザイナーに頼まなくてもいい」が増えるかもしれない。

仕事が残ることと、自分に依頼が来ることは、同じではないんですよね。

今日は、Astraの作例を見た僕が、なぜそこを気にしているのかを書いてみます。

それっぽく作れることと、よいものを選べることは別

AIが出したページを見て、「お、いい感じ」と思う。

大きな写真があって、文字もきれいに並んでいて、スクロールすると何かが動く。でも、そのページが仕事としてよいかどうかは、もう少し見ないと分からない。

たとえば、初めて犬を預ける人に向けた、ペットホテルのサイトを考えてみます。

かわいい犬の写真が大きく載っていて、色も優しい。見た目としては好きです。

ただ、預けようとしている人は、何が気になっているんだろう。

夜もスタッフがいるのか。ほかの犬が苦手でも大丈夫なのか。体調が悪くなったらどう対応してくれるのか。持っていくものは何か。

そういう疑問を残したまま「今すぐ予約」のボタンだけが目立っていたら、きれいにできていても、その人は先に進めないかもしれません。

反対に、最初の画面から規約と注意事項をぎっしり詰めればいいわけでもない。

必要な情報を、必要な順番で、伝わる見せ方にする。

そこまで含めて、デザインを判断したいんです。

見た目が整っていても、予約する前の不安に答えているかは別の話。

「この写真はきれいか」だけでなく、「この写真で、預ける場所を想像できるか」。

「このボタンは目立つか」だけでなく、「このタイミングで予約を求めていいのか」。

作る手段が手に入っただけで、こうした評価の基準まで自動的に身につくとは思っていません。

これは「非デザイナーには分からない」という肩書きの話ではないです。顧客をよく知っていて、的確に判断できる非デザイナーもいる。逆に、デザイナーでも自分の好みだけで選んでしまうことはある。

「なぜ、その案を選ぶのか」を、使う人や仕事の目的に結びつけて説明できるか。僕はそこを見たいです。

マーケターが作れるようになると、何が違うのか

では、誰が買うのか、何に困っているのか、何と比較しているのかを把握しているマーケターが、Astraを使ったらどうなるか。

すると、制作の依頼も具体的になります。

「おしゃれなLPを作って」ではなく、

「初めて利用する人が、預けている間の様子を想像できるページにしたい。施設での一日の流れを見せて、料金の違いを説明してから、見学予約につなげたい」

という頼み方ができる。画面が出てきたあとも、「なんとなく好き」で終わらない。

これなら不安に答えられているか。説明が足りないところはどこか。実際に見てもらったとき、どの言葉で迷ったか。予約につながらないなら、どの仮説を見直すか。

何を試すかを考える人が、そのまま試すためのものを作れて、結果を見て直せる。

僕が脅威に感じるのは、このつながりです。

顧客を知る、作る、試す、直す、の流れを一人でつなぐイエティ。
顧客を知る人が、案を作り、試して直すところまで進められる。

最初から細部まで洗練されたデザインを作れなくても、顧客に見せて、分からなかったところを聞き、修正できるなら、完成度を上げる道筋があります。

顧客理解が外れていれば、この進め方もうまくいきません。強いのはマーケターという肩書きではなく、作ったものを何に照らして判断するかが分かっていることです。

怖いのは、依頼する理由が一つ減ること

たとえば、新商品の見せ方を二つ試したい担当者がいるとします。

一つは「手入れが簡単」を前面に出す案。もう一つは「長く使える」を伝える案。どちらなら興味を持ってもらえるか、まずは見せて確かめたい。

そのための試作品を自分で作れて、検証に使えると判断できたら、「二案の制作をお願いする」という発注が、そもそも発生しないこともありそうです。

これは、デザイナーとの勝負でAIが勝った、という話とは少し違う。

担当者にとっては、「今回確かめたいことなら、これで足りる」という判断です。

細部をもっとよくできるとしても、その改善に今、時間とお金を使う理由がなければ、依頼にはつながらない。

一方で、方向が決まったあとに「本格的に展開したいから、一緒に仕上げてほしい」と相談されることも考えられます。白紙から作る依頼が、すでに動いている案の評価や改善へ変わるわけです。

僕が気になっているのは、この変化です。

手入れが簡単と長く使えるの二つの試作品を見ながら、改善案を考えるイエティ。
白紙からの制作依頼が、すでにある案の評価や改善へ変わることも考えられる。

デザイナーは滅びないと思う。でも、今ある依頼が、今と同じ形でずっと来るとは思っていない。

「プロが作ればもっとよくなる」だけでなく、どこをよくすると、相手の何が解決するのか。そこまで話せるかが大事になると思っています。

「それなりで十分」に、デザイナーは何を返せるか

だからといって、見た目の細かいところはどうでもいい、とは思いません。

写真の選び方。文字の大きさ。余白。色。画面が切り替わる速度。ちょっとした動き。

それらは、伝える内容と別にある飾りではありません。

たとえば宿泊施設のサイトで、静かに過ごす時間を売りたいなら、写真をゆっくり見られる構成が合うかもしれない。そこに割引の点滅表示や、次々に飛び込んでくる見出しが入ったら、伝えたい滞在の印象とずれる。

「この動きは好きじゃない」より、「静かに過ごせる宿という魅力と、この演出が合っていない」と説明したい。

商品ページの3Dもそうです。回せるだけで楽しいし、僕もまず回してみたくなる。でも、購入を検討している人が知りたいのが素材の手触りなら、回転するモデルだけでは答えが足りないかもしれません。

ディテールの写真を足すのか。使っている場面を見せるのか。サイズを比較できるようにするのか。

単に「もっときれいにできます」ではなく、「買う前に知りたいことが、まだ見えていません」と指摘できる。そこには、頼んでもらう理由があります。

また、よいデザインを「ボタンが何回押されたか」だけで決めるつもりもありません。

押されても、その先で期待外れになっていたら困る。読みにくい人が置き去りになっていたら、それも見直したい。目先の反応は取れても、ブランドの印象を損ねる表現なら、採用しない判断もあります。

美しさ、使いやすさ、商売の目的。それぞれを見ながら、今回の案を決める。

この判断を、具体的な改善案にして渡す。それをデザイナーとしてやっていきたいです。

デザイナー側も、商売の話に一歩入る

では、デザイナー側は何をするのか。僕は、今作っているものが商売の中で何を担っているか、知るところから始めたいです。

たとえば、ページを作る前に、こんなことを聞く。

「どんな人が、何をきっかけにこのページへ来るんですか?」

「買う人と、迷って買わない人は、どこが違うんですか?」

「今、お客さんから何をよく聞かれていますか?」

「このページを見たあと、どうなっていたら役に立ったと言えますか?」

たとえば、問い合わせのたびに同じ説明をしているなら、ページに情報が足りていないのか、載せていても伝わっていないのかを確認する。

そこから「この情報を、ここで見せてみませんか」と提案する。

知らないことは担当者に聞く。用意できるなら、問い合わせの内容や顧客の言葉を見る。AIに相談するときも、その材料を使いたい。顧客が何に困っているかまで、それらしく作ってもらっては困ります。

そのうえで、Astraを使って自分でも案を形にしてみる。

ペットホテルの例なら、一日の流れを見せる案を作って、想定する利用者に「預けている間、犬がどこでどう過ごすと思いましたか?」と聞いてみたい。

意図したことが伝わっていなければ、見せ方を直す。相手が別のことを気にしていたら、最初の仮説から見直す。

ペットホテルのページを見た利用者の疑問を、イエティが聞いてメモしている。
想定する利用者に見せて、何が伝わり、どこで迷ったのかを聞く。

「この見た目が好き」で止めず、相手にどう届いたかまで見に行く。それなら、自分が次に何を直すべきかも分かります。

脅威だと思う相手とは、一緒に仕事をしてもいい

もちろん、一人で全部やる必要はありません。顧客を理解しているマーケターと、一緒に試すのもいい。

マーケターが作った試作品を見て、デザイナーが「この見せ方なら、伝えたい違いがもっと分かる」と提案する。デザイナーが考えた表現に対して、マーケターが「その情報より、先にこの不安へ答えたい」と返す。

そのやり取りを、動く画面を見ながらできるなら、僕は面白いと思う。相手が作れるからこそ、最初から具体的な相談ができるわけです。

ただ、その場でも「何を直すと、何がよくなるか」を持ち寄りたい。相手が作ったものをきれいにするだけなのか、相手が気づいていなかった問題まで見つけられるのか。自分が加われるところを考えたいです。

デザイナーは滅びないと思う。でも、肩書きに安心はしていない

僕は、Astraで誰でも作りやすくなること自体を、悪いことだとは思いません。

形にできなかったアイデアが動き始めるのは楽しいし、自分も使いたい。

でも、「プロだから、違いは分かってもらえるはず」と待ってはいられない。その違いが相手にとって必要なのかまで、考えて提案したい。

まずは次の一件で、「どんなデザインにしたいですか?」の前に、「お客さんは、何で迷っていますか?」と聞いてみる。

その答えをもとに、表現を考えて、Astraで試してみる。

僕は、デザイナーの仕事が残ることを信じるだけでなく、頼んでもらう理由を自分で増やしていきたいです。


Astraの海外9事例と、制作を頼むための指示例はこちらにまとめています。

GPT-6 Astraで、Webデザインはどこまでできる? 海外9事例と、デザイナーのための指示のコツ

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