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高値掴み・バブル・集中リスク。それでもオルカンを選ぶ理由

前回の記事では、オルカンが採用している「時価総額加重平均」が、いかに合理的で低コストな仕組みであるかを整理した。

しかし、この優れた仕組みにもいくつかの「欠陥」がある、という指摘は一般的になされている。今回は、その代表的な論点を整理し、実務的な視点からどう考えられるのかを掘り下げる。

一般に挙げられる「オルカンの欠陥」は、主に次の点である。

第一に、高値掴みの構造だ。時価総額が大きい銘柄ほど多く組み入れるルールのため、値上がりしたものほど、さらに買い増す形になる。

第二に、バブルへの脆弱性である。1989年の日本株バブルのように、実力以上に価格が膨らんだ国やセクターでも、時価総額が大きければ自動的に多くの資金を投じることになる。

第三に、成長の「後追い」だ。その国や企業が十分に成熟し、株価が上がった後でなければ比率が増えないため、新興国などが急成長する初期段階のリターンを取りこぼしやすい、という見方がある。

第四に、集中リスクである。現在のビッグテック企業のように、特定の巨大企業が市場全体を占める場合、分散投資でありながら特定セクターに資金が偏る可能性がある。

これらの指摘は、仕組みの性質上、一定の事実を含んでいる。ただし、これを是正しようとして具体的なアクションを取ると、「摩擦コスト」という別の問題に直面する。

ここでいう摩擦コストとは、資産を動かす際に発生する確実なマイナスである。バブルを避けるために銘柄を入れ替えたり、特定の国の比率を調整したりすれば、その都度売買手数料が発生する。さらに、含み益のある資産を売却すれば、本来は運用に回って複利を生んでいた資金が、税金として流出する。

良かれと思ってメンテナンスを行うたびに、資産は少しずつ削られていく。これが投資の現実である。

結局のところ、指摘される欠陥は、極限までコストを抑えて市場平均に乗り続けるための「仕様」と捉えることもできる。問題は、欠陥とされるものが将来発生するかどうかわからない不確実なリスクであるのに対し、それを是正するための手数料や税金は、今すぐ発生する確実な損失だという点にある。

不確実なリスクを避けるために、確実な損失を受け入れるのか。それとも、多少の歪みを抱えたまま、最も低コストな仕組みを使い続けるのか。時価総額加重型を採用するということは、このジレンマを理解したうえで、使い続けるという選択なのである。

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