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「これなに?」

私を父親にした初めての子は
令和に生まれた元気な男の子だった

立ち合い出産から
早くも2年と11か月
黄疸や風邪に悩まされた慌ただしい日々からも
少しずつ解放されてきた
最初は泣くことだけだった息子は
少しずつ言葉が出るようになり
2歳にもなれば単語も良く出るし
言葉を並べて思いを伝えることもある

2年という歳月で
こんなにも急成長すると
大人の自分が置いていかれているような
感覚もありつつ
驚かされる日々でもある

そんな息子が欲を出し始める
アイスやお菓子
ご飯や遊び道具
好きなキャラクターなど
沢山のものに興味を持ち
息子の頭の中は大人の自分から見ても
うらやましいぐらい
ハッピーワールドだ

2歳になってから
よく質問するようになった
「あれなに?」
「これなに?」

答えられる事には
全て答えるが
大人でも悩まされる質問が来る

細かな部品や
自然に存在するものなど

彼の中で見ている景色は
全てが謎だらけ
全てが珍百景なのかもしれない

私は息子と外出すると
すごく楽しい気持ちになる
そんなところ見ていたのか!
そんなにこれが気になるのか!
いつもは気にしていないことも
その時ばかりは注意が向く

大人になるにつれて
興味や嗜好は変わっていくが
それとは違う素直な心の動きのような
無垢な感覚に感動する
そして私は今の息子が使う眼鏡を通して
見ている感覚が新鮮だった

ある日
三輪車にまたがる息子を
後ろから押しながら路地を進んでいた時
一匹の毛虫がそそくさと横断していた
息子は興味津々に問い始める

息子「これなに?」
父 「毛虫だよ」
息子「へー」
  「どこ行くの?」
父 「暑いから草むらに行くのかな?」

そんな会話をしながら
草むらに隠れるまでじっと
2人で毛虫を眺めていた

ふと自分の中で
毛虫はいろいろな毛虫がいるけど
何になるかは知らなかった
父として次の興味に繋げることも
今後の課題だなと感じた

息子の見る世界は
まだまだ真新しものばかり
いつも当たり前に在る日常が
非日常になるとき
息子の「これなに?」が出てくる
私も「これなに?」が出てくる人生に戻って
息子と同じ歩幅で道を歩いていく
確かな成長を共に歩めている感覚が
何よりも幸せに感じる今日この頃だ

「パパ!!」
息子が呼んでいる

私は「どうしたの?」と歩み寄る
また人差し指を何かに向け
笑顔で呟く

「これなに?」

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