二つのアトラスと文献台帳から考える AI事故再構成基盤―― ログ発生源・証拠保全基盤・関連文献を一つの証拠鎖として読む ――

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本資料は、AIおよびAIエージェントに関するログ発生源、証拠保全基盤、関連文献を整理した比較・設計資料である。収録対象の完全網羅、製品の性能保証、法令への適合、裁判上の証拠能力を示すものではない。外部資料の適用範囲、施行時点、製品仕様、URL到達状態は変化しうるため、実際の採用・運用時には一次資料による確認を要する。

目 次

序章 対象となる問題    2

第I部 記録はどこから生まれるか    4

第1章 証拠はAIの内部ではなく境界に現れる    4

第2章 八十の発生源が示す分散構造    5

第II部 記録をどう証拠へ変えるか    7

第3章 百五十六の比較単位が示す機能分解    7

第4章 十三の証明対象という文法    8

第5章 AI固有の保存項目と過剰保存の緊張    10

第III部 何が根拠になり、何がまだ根拠にならないか    11

第6章 六十七の文献が示す議論の偏り第6章 六十七の文献における根拠分布    11

第7章 「関連する」と「直接支える」を分ける    12

第IV部 三資料から導かれる設計原則    14

第8章 三層を切らずに設計する   14

第9章 独立照合を原則とし、固定数の義務にしない    15

第10章 調達と運用へ落とす    16

第11章 事故対応へ落とす   17

第12章 未支持・間接支持の領域と調査課題    18

結章 「ログ基盤」から「再構成可能性の基盤」へ    21

第I部 記録はどこから生まれるか

第1章 証拠はAIの内部ではなく境界に現れる

1.1 「思考」よりも外形を記録する

 AI事故では、モデルがなぜ判断したかという説明と、実行の外形を再構成する作業を分ける必要がある。本概要の設計対象は後者である。どの主体が起動し、どの権限が与えられ、どのツールが呼ばれ、どの外部システムが変化したかは、必要な計装と外部記録が存在する範囲で記録できる。これはモデル内部の判断理由を完全に説明することとは別である。

 発生源アトラスには、端末・OS・起動、サーバ・クラウド・DB、ネットワーク・時刻・通信、ID・認証・特権・鍵、業務アプリ・API・データ処理、AI・Agent・トレース・来歴、フォレンジック取得、物理的な媒体搬送までが収録されている。必要なログ生成と保持が有効であれば、AI実行の痕跡はAIシステム内部だけでなく、周囲の構成要素にも現れうる。ただし、発生源の存在は実際の計装や事故時取得を保証しない。

 重要なのは、意図された境界を同時点の記録として残すことである。実際の通信先、API応答、DB変更は事故後にも回収できる場合がある。一方、許可された通信先、権限範囲、承認条件、反復回数、停止条件は、事故前または実行時の設定記録がなければ、後から信頼できる形で確定しにくい。行動ログだけでは、何が逸脱だったかを判断する規範状態が不足する。

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