イチから始める.hack//感染拡大 Vol.1 ver1.14
以前、謎の少女の目撃情報を元にブラックローズと共にそのダンジョンへ行くももぬけの殻だった事がある
ブラックローズはこの情報をBBSに書き込みした”まりんさん”とのコンタクトに成功したようで、前回はまりんさんが書いたワールドへ行くためのキーワードを”誰か”に書き換えられていたらしい
どうりで何もなかったはずだ
まりんさんは気味悪がってこの話題に触れたくなかったようだが、ブラックローズがしつこく食い下がったら教えてくれたらしい
謎が再び隠される前に…俺たちは合流した後、隠蔽されたワードを入力する
情報通りプロテクトされていたのかゲートハッキングプログラムが起動する
しかし、指定されたウィルスコアQが足りない…
出鼻をくじかれてしまった…
今回のワード書き換えも、以前俺の書いたオルカに関する書き込みも削除改変したのは同一人物なのか…
手がかりがそこにあるのに、手をかけてもびくともしない扉の前に立たされた俺は、これを解く鍵がどこに隠されているのかを想像してみたが…
わからない…無力感に苛まれようとしたその時、1通のメールが届いた
急いでデスクトップに戻りメールを確認するとミストラルからのメールだった
ミストラルは以前、俺がデータドレインする瞬間を目撃した杖を持った少女
こんにちはーーーっ。
最近、見かけないけどどうしてるぅ?
あのすんごい技、また見たいなぁ。
見せて見せて!
あまりの緊張感の無いメール内容にふっと肩の力が抜けたような気がした
何かを期待していた俺だが…ここは一度気分を変えてみるのもいいのかもしれない
The Worldに再ログインしカオスゲートの前に降り立つとそこにはミストラルともう一人、アペイロンという鎧を身にまとった重斧使いの男の人と会話…というよりは交渉しているようだった
アペイロン
「勘弁してよ…これって、超のつくレアアイテムなのよ。9999GP!それ以上は無理!」
ミストラル
「ニコニコローンとか無い?」
アペイロン
「高い金利付きでいいなら」
ミストラル
「うあぁぁ。ローン地獄は勘弁・・・`s(-'-;)」
アペイロン
「ローン地獄か・・・嫌な言葉だな」
ミストラル
「身にしみるよね・・・(T^T)」
軽快な会話劇を繰り広げた後、交渉決裂に終わったようだ
「あぅ・・・どっから見てた?(^^;)」
俺の視線に気が付いたミストラルが慌てふためく
ミストラルはどうやらアイテムを全部そろえないと気が済まないコレクター気質な用で、所持していないアイテムの交渉に熱中していたようだ
「んにゃ~。そのへん一回りしてアタマ冷やしてきますわん(*^-^*)」
と言い残しどこかへ行ってしまった
「やあ!」
と次の獲物へ食らいつく一言が響く。アペイロンは交渉の相手を俺に変えたようだ。どうしても売りたいのだろうか
どうやら『鉄壁の書』という高い確率で敵の攻撃を無効化するアイテムらしい
嘘臭いチート能力のようなアイテムだ。私もこの世界に長くはないが慣れてきた一人。こんなチート能力のアイテムをみんなが使ったらバランス崩壊してしまうレベルだ。そんなアイテムを知らない相手に売りつけるなんてどうも怪しい
それを999GPで売ると言ってきた。ミストラルには9999GPだったのに。さっきは一桁間違えていた、なんて言っているが怪しい…
まさか、最初から999GPで俺に売りつけるために先に高い金額をちらつかせて安くなったと錯覚させ買わせる手口…
ミストラルもグルか!?
混乱する俺。とは言え999GPと高価な物を買う財力は私にはない。「いらない」と断ると
アペイロン
「そんなこと言わないでさ、買ってよ。あの攻撃がなきゃ・・・って思うっしょ?」
俺
「でもいらない」
アペイロン
「おりょ?なんて意固地なやつだ・・・」
頑なに拒むと何故か別方向に折れるアペイロン
アペイロン
「そんなら、おれにだって意地があらぁな。なーんもいらん。だまって、持ってけ!」
そう言い『鉄壁の書』を俺に押し付けて来た
(ど、どういうことなの…)
アペイロン
「あ、それからな・・・ヘルバっつー悪質なハッカーがいるから、気ぃつけぇや」
そう言い残し去っていった
代わるようにミストラルが帰ってくる。いらないモノを売ってお金を作って来たのか、さっきの人が帰ったと知ると涙目の顔文字で気持ちを表現する
「おっ、そうだ!」とあまりのテンションの切り替え具合に驚く暇もなく耳寄りな情報を提供してくれた
武器屋で小耳に挟んだ情報で”危ないエリア”があるという。危ないエリア…またバグモンスターだろうか…
俺が行かなくては…気を引き締めようと意識を集中させようとすると
ミストラル
「一緒に行こう。またあの技見たいしぃ。ね。行こう!わくわく」
ちょっぴり強引で能天気な少女。この嘘偽りのない自然体な振る舞いがこの混沌とした世界の中の閉ざされた扉を開く鍵になるのだろう…
つづく…
