第三十四話 ローマ編 その2 名物
ローマ二日目。
昨晩、若干飲み過ぎたジェニーと私は、とりあえず、ホテル近くのバールに行った。
「朝から甘いもの、イタリアだよね。」ジェニー
「私、朝、甘いものじゃないと目覚めない」
ケイコ
「えっ?意外」ジェニー
「そお?でも、とりあえず生搾りオレンジジュースとエスプレッソで酔い覚ますわ」ケイコ
「だねー。飲みすぎた。」ジェニー
ジェニーも私も、ローマは何度も来ているので、今回は、ヴァチカン美術館だけ事前にチケットをとり、あとは気分で決めようとなっていた。
「まず、ヴァチカン美術館、散歩がてら歩いて向かうのはどう?まあまあ、いろんなとこ通るよ」ジェニー
「いいねー。賛成。
因みに、美術館のあと、ユダヤ人街行って、カルチョフィ食べない?今、秋の旬らしいよ。」ケイコ
「行く!アーティチョーク大好き」ジェニー
「ランチメインで、朝は飲み物だけでいいや」
ケイコ
「私無理。クロワッサン食べる。」ジェニー
旅に出ると、ドイツ人ジェニーと私の個体差、体力差を実感する。ジェニーは、すらっとしているが、背も高いし、食べるし、俄然体力がある。
バールで簡単に朝食を済ませ、私たちは、ヴァチカンに向かった。途中、スペイン階段やトレヴィの泉、パンテオン、ナヴォーナ広場、などのこれでもかという美しい場所を通り、サンタンジェロ城が見えてきた。
「ねえ、この辺のお土産屋で、例のカレンダー売ってるはず。」ジェニー
「魅惑の修道士?」ケイコ
「そう。」ジェニー
「寄ろ!探そ!」ケイコ
私たちは、観光地には必ずある、わかりやすく雑多なものを売るお土産屋に入った。
「・・・・・」ジェニー
「・・・・・ぇ、、、もしかして」ケイコ
「これ」ジェニー
暫く二人で笑い転げてしまった。
涙を流しながら、二人で、笑った。
「すごいわぁー、予想を超えたわー」ケイコ
「めくっても、めくっても、めくるめく修道士」
ジェニー
「好み、何月?」ケイコ
「選べない」ジェニー
「いいの、こんな商売して?」ケイコ
「こんな堂々と売ってるんだから、承認とってんでしょー」ジェニー
「いやぁー、すごい。優しい微笑み。」ケイコ
「買ってあげようか、ケイコ?
クリスマスプレゼントにしようか?」ジェニー
「いや、私には柔らか過ぎる。もっと、こう、なんて言うの、オス感が出てるのがいい」
ケイコ
「いいじゃーん、優しい微笑み。」ジェニー
「神聖すぎて、ウチに飾るの、罪深い」ケイコ
「ほんとにいらないのー?」ジェニー
「ヴァチカンのスイス兵のか、カラビニエリのカレンダー売ってないかなぁ?」ケイコ
「それ!彼らはやばい。美しすぎる。」ジェニー
「私、あのくらいガッツリがいいな、修道士の優しい微笑みより。」ケイコ
「探そ!ヴァチカンの中じゃない、スイス兵のカレンダー売ってるとしたら?」ジェニー
「だねー。」ケイコ
私達は、道中の典型的なお土産屋にはほぼ全てに立ち寄りながらヴァチカンに向かったが、ヴァチカンのスイス兵や、カラビニエリのカレンダーは見つからなかった。
第三十四話 ローマ編 その1 あの話
