初めての音源制作で、順番を間違えて金を無駄にした
初めて音源を作ったとき、いきなりスタジオを押さえた。結果、当日に決まっていないことが多すぎて、時間を金で買っただけになった。順番を間違えたせいだ。
先に決めるのは、誰に届けるか
物販で手売りするのか、配信に出すのか、審査に送るのか。これで必要な仕上がりが変わる。手売りなら盤の形も要る。配信だけならデータで完結する。この一点を決めずに録り始めると、あとから作り直しになる。
次に決めるのは曲数と尺
四曲入りと一曲入りでは、必要な日数も金額も違う。俺は最初、五曲を一日で録ろうとして失敗した。二曲に絞れば、同じ予算で仕上がりは倍良くなった。数を減らすのは妥協ではなく設計だ。
録る前に完成形を作っておく
スタジオでアレンジを決め始めると、そこから金が溶ける。テンポ、キー、構成、誰がどこを弾くか。全部決めて、通しで演奏できる状態にしてから入る。俺は今、入る前に必ず自宅で通しを録って、全員で聴いてから行く。
最初の音源で一番損をしたのは、プレスした枚数だった。刷る前に予約を取れる場所があれば、あの枚数にはしていない。売り場を先に作ってから枚数を決める。BASEで無料のネットショップを作ってみる
予算は仕上げの分を残す
録音で使い切ると、混ぜる工程と盤にする工程で足りなくなる。俺は録音、仕上げ、制作物の三つに分けて、最初から配分を決めるようにした。録音が一番楽しいので、放っておくとそこに全部使ってしまう。
音源のジャケットで一週間止まったことがある。録りが終わっているのに出せない期間ほど無駄なものはない。作れない部分は最初から外に出す。ココナラでデザインや編集の依頼先を探す
データの置き場所を先に決める
録り終わったあとの素材は、後々まで残す価値がある。作り直すときに使えるからだ。最初から保管場所を決めておくと、五年後に助かる。
スタジオを押さえる前に、相手の得意を調べる
録音できる場所ならどこでもいいと思っていたのが、最初の失敗だった。エンジニアにも得意な音がある。太い音を録るのが上手い人、隙間のある音を作るのが上手い人、歌をきれいに立てるのが上手い人。これは機材の値段では分からない。俺が今やっているのは、その場所で録った音源を三本聴いてから決めることだ。公開されている作品を聴けば、その場所の癖はだいたい分かる。自分のバンドの音と方向が合っていなければ、どれだけ設備が良くても噛み合わない。
問い合わせのときに聞くことも決めている。一日で何曲まで現実的か、当日持ち込むべきものは何か、仕上げまで含めた場合の総額はいくらか。この三つを事前に文字で残しておくと、当日に「聞いていない費用」が出てこない。金のトラブルは、たいてい口頭で決めた部分から起きる。
当日の進行表を一枚作る
俺は今、録音日の朝に一枚の紙を作る。何時に誰の何を録るか、それだけの表だ。ドラムを二時間、ベースを一時間、ギターを二時間、歌を二時間。休憩も書き込む。この紙があると、遅れが出たときに「どこを削るか」を全員が同じ情報で判断できる。紙がないと、遅れた瞬間に空気が悪くなり、そこから残りの時間が全部おかしくなる。
そして最後の一時間は、必ず予備として空けておく。予定通りに終わったことは一度もない。予備を取っていない日は、決まって歌の最後の一本が雑になる。一番聴かれる部分が一番雑になるのは、順番を間違えている証拠だ。
リリース日を先に決めると、全部が動き出す
音源が完成してから告知を考えるバンドが多いが、順番としては逆だ。俺は今、録音日を押さえるのと同じ日にリリース日を仮で決めてしまう。日付が決まると、そこから逆算して「いつまでにジャケットが要るか」「いつまでに予約を開けるか」「いつ告知を始めるか」が自動的に出てくる。決まっていないと、全部が「できたら」になり、できたときにはもう熱が冷めている。
逆算の目安はこうしている。リリースの二か月前に仕上げを終える。一か月半前にジャケットを確定。一か月前に予約を開始。二週間前から試聴を出す。この形にしてから、出す日に何もない、という状態がなくなった。作る作業と売る作業は同時に進めるものだ。
一本目は、次のための資料でもある
最初の音源は、たいてい思った通りにはならない。それでいいと思っている。大事なのは、何がうまくいかなかったかを言葉にして残すことだ。俺は録音が終わるたびに、その場でメモを取る。時間が足りなかった工程、音がイメージと違った箇所、事前に決めておけば済んだ判断。この記録が二本目の設計図になる。
二十二年やってきて分かったのは、良い音源を作れるバンドは録音が上手いのではなく、前回の失敗を次に持ち越さないバンドだということだ。順番を守るというのは、結局この積み上げのことでもある。
音源より先に、見せる形を用意しておく
順番を間違えた話をもう一つ足しておく。音源が上がってから、ジャケットと告知画像を慌てて用意して、結局そこで一週間止まった。音は完成しているのに世に出せない一週間ほど無駄なものはない。今は録りに入る前の段階で、正方形の画像と横長の告知画像を先に一枚ずつ作ってしまう。ラフでいい。完成版と差し替えればいいだけだ。
作るのに大掛かりなソフトはいらない。俺はスマホだけで文字と写真の見た目を整えられるものを使っている。凝ったデザインより、曲名とバンド名が小さい画面で読めるかどうかの方がずっと大事だ。無料の範囲でも十分に試せる。
宅録は、入口の機材を替えると音が一段変わる。最新である必要はないが、用途に合っているかは見ておきたい。
まとめ
届け先、曲数、完成形、予算配分。この四つを決めてからスタジオに入る。順番を守るだけで、同じ金額でも仕上がりは全く変わる。
道具は、いちばん安く効く投資だった
この話に直接効いた道具を挙げておく。KORGのメトロノームMA-2を見てみるは、値段のわりに毎日の手間を確実に減らしてくれた。どちらも特別なものではないが、無いと同じ失敗を繰り返す。
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