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撮影もキャスティングも不要。AIで弾き語り動画広告を作ってみた話

大学時代、軽音部でギターを弾いていた私が、まさか20年後「 AIにギターを弾かせる 」ことになるとは思いませんでした。

はじめまして。株式会社kubell(旧Chatwork)の高瀬と申します。普段はBPaaS事業の広告運用を担当しています。エンジニア6年、Webマーケ(ほぼ広告運用)10年のキャリアで、いまの会社は2年目です。

こちらの記事は、AIやBPaaSをテーマとした、#kubellブログリレーの一記事として執筆しています。


まずは、私が作ったこちらの動画をご覧ください。

この動画広告を1から作ろうと思うと200万円くらいかかるそうです(Gemini調べ)。キャスティング、撮影、楽曲制作、録音、MAなど。

タイトルでネタバレしていますが、この動画、すべてAIで作りました。人物も、曲も、動画もすべて架空の存在。

この動画広告は「AIツールのサブスク代」と「私の人件費」だけで作れます。今回は、この動画広告をどういう経緯で、どうやって作ったのかという話をします。

なぜ弾き語りなのか?

「なんで弾き語りなの?」という疑問がまず湧くと思います。当時の運用体制ではバナー広告が主流で、動画広告をどう活用するのかが課題になっていました。

他社の広告を調査した際に、訴求を歌詞にした音楽と静止画を組み合わせた動画広告を見つけ、これを自社に活かせないかと考えていました。

転機になったのは、リップシンク(口パク)技術でMVを制作しているXの投稿を見かけたこと。「この技術と組み合わせれば、もっと伝わる動画広告になる」とピンときました。

音楽と静止画だけで作った場合、私は広告っぽさを感じてしまうのですが、「歌ってみた」に近いフォーマットであれば、オーガニック投稿に馴染んで、より自然に見てもらえるだろうと考えました。

自分がAIを本格的に触り始めたのは2025年11月頃。バイブコーディングでGASを動かして感動してから、興味のあるAIツールを片っ端から試す日々が続いています。

弾き語り動画広告は、そのなかで生まれた一つの実験でした。

どうやって作ったの?

簡単にどんな流れで動画広告を作ったのか解説します。
全部で6ステップ。正直、だいぶ手間がかかります。

ステップ1:コンセプト設計(成功パターンを言語化)

💡 最初は成功パターンの横展開から歌詞を作ると◯
最重要ステップなのでよく検討しましょう

ステップ2:音楽生成(Gemini x SUNO)

💡 歌詞が固まる前に生成ガチャを回さないのがコツ
奇跡の1曲ができても歌詞を直すと曲が変わります

ステップ3:歌詞の内容チェック(重要)

💡 ステークホルダーへの確認もここでやりましょう
後工程になってから変えたいとなると手戻りが地獄

ステップ4:画像生成(Freepikでのシーン構築)

💡 静止画の画質が動画生成クオリティに直結します
高画質化とメタプロンプト活用が生成のカギ

ステップ5:動画生成(DOMO AIで静止画と音楽を合成)

💡そのまま作ると静かな曲でも叫び出します
メタプロンプトで制御すると操作しやすい

ステップ6:編集・仕上げ(Premiere Pro)

💡 わからない部分はスクショを生成AIに投げましょう
何でも丁寧に教えてくれるので、操作方法に迷いません


次世代型ABテスト

実は、さきほど共有した動画広告には冒頭違いの別パターンが存在します。

これは音楽生成AIの機能で、部分的に曲を再生成する機能を使って作っています。 この機能を使えば、なんと「歌詞の内容でABテスト」ができるわけです。

広告運用をそれなりにやってきましたが、まさか、歌詞でABテストができる時代が来るとは思いませんでした。

ただしこの機能、前後の曲調を読み取って生成してくれるらしいのですが、100回以上ガチャを回しても納得できるものが出ない事もザラです(要根気)。AIにはもっと進化して欲しいと願うばかり。

やってわかったこと

AIとは魔法の杖ではなく「終わりのないガチャとの戦い」です。

AI活用と聞くと、多くの人が「プロンプト一発でポンと完成する魔法」を想像するかもしれません。しかし、現実は違います。

楽曲生成、画像生成、動画生成。そのどれもが「ガチャ要素の塊」なのです。シーン数が5つのものを作ったとき、気づいたら丸1日溶けていました。

思い通りの曲、歌手の服装や背景、理想の歌い方を作るために、架空の人物の口パクを延々と調整していると「自分はいったい、何をしているんだ?」と思う瞬間は正直あります。

しかし、です。 

ガチャを回し続けて何とか仕上げてみると、不思議と達成感が湧いてきます。大学の頃は曲を作る能力がありませんでしたが、AIの力を借りて曲を形にできた。20年前にできなかったことを、違う形で果たせるというのは感慨深いものです。

最後に

音楽生成・画像生成・リップシンク(口パク)生成の精度は使ってみると本当に驚くレベルです。 今回は弾き語りという特殊なフォーマットで紹介しましたが、日常シーンから語りかけ系まで、動画広告全般に応用できる水準になっています。

いまは撮影も、キャスティングも、ロケハンもせずにそれなりの動画広告が作れる時代です。 広告運用に関わる方は、ぜひ一度、この「無限ガチャ」を回してみてください。


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