6言語を勉強して分かった「語学の才能」の正体
「語学が得意なんですね」
これまで何度か、そう言われてきた。
英語、中国語、スペイン語、フランス語、韓国語。プロフィールに「6言語」と書くと、大体この反応が返ってくる。
でも正直、自分では「語学の才能がある」とはあまり思っていない。思っていないというか、たぶん才能とかセンスはない方だ。
高校生のとき、TOEFLのスコアがまったく伸びなかった時期がある。勉強しても勉強しても、数字に出ない。「自分は英語向いてないのかも」と本気で思った。
それでも、なぜか言語の勉強自体を嫌いにはならなかった、と思う。むしろ英語以外の言語は、けっこう楽しく勉強してきた。
そうやってなんだかんだ6言語やってきた今、少しだけわかったことがある。語学の才能って、「覚える能力」そのものじゃない気がするんだよなぁ。
「なぜ」その言語を始めたのか
そもそも「6言語マスターしよう!」と思って勉強を始めたわけじゃない。それぞれの言語にはそれぞれの理由があった。
英語は、大学進学に必要だったから。
中国語は、日中関係を中国側の視点からも見てみたいと思ったから。
スペイン語は、カリフォルニアでメキシコ出身の方に出会って、「せめてありがとうくらい伝えたい」と思ったから。
フランス語は、単純に習ったことがなくて気になったから。
韓国語は、マレーシアのインターナショナルスクールで韓国人の生徒が多くて、身近だったから。
こうして並べてみると、共通点が見えてくる。
私が言語を勉強する背景には、だいたいいつも「人」がいる。
この人と話したいとか、この人にありがとうを伝えたいとか、この国の人をもっと知りたいとか。
そういう小さな「気になる」が、いつもスタート地点だったから、なんやかんや楽しめているんだと思う。多分。
私にあるのは、たぶん「話す勢い」だけ
結局、自分に才能があるのだろうか?
上海で自転車を漕ぎながらウンウン考えていた。
そこで一つだけ自信を持って言えることがある。
才能はないかもしれないけど、話す勢いだけはある。
通じなくてもとりあえず話す。間違っていてもとりあえず言う。伝わらなければ言い方を変える。それでもダメなら身振り手振り、などなど。
そして、それをあまり恥ずかしいと思わない。むしろ伝わらない瞬間すら面白いと思ってしまう。
「今の全然伝わらんかったなー!」
「じゃあこう言ったらどうやろ?」
そうやってまた試して、躓いて、また試してみる。
もちろん文法や単語を覚えるのは必要だ。でも実際に使う場面で、完璧な文章を頭の中で組み立てている暇なんてない。とにかく口に出す。伝わらなかったら直す。また話す。
この繰り返しが、結局は一番効いていた気がする。
中国語もそうだった。大学1年生の終わりには、日常会話ならそれなりに回るようになっていた。知らない単語もあるし、文法だってよく間違える。それでも「間違えたら恥ずかしい」で黙っているより、「たぶんこう!」で使ってみたほうが、言葉が自分のものになるスピードは速かった。
「好き」より効いた、「理由」
「言語学習が好き」という気持ちはもちろん大切だ。
でも6言語やってきて、それ以上に大事だと思うようになったものがある。
「なぜその言語を習得したいのか」という理由。
「話せたらかっこいい」だけだと、正直長続きしない。長続きしないというか、途中で飽きるし、ギブアップしやすいと思う。
でも、
「この人と話したい」
「この人に喜んでもらいたい」
「この国の人の考え方を知りたい」
「自分の気持ちを、この人の言葉で伝えたい」
というふうに、理由を「他者」や「他者との関係」に置くと、不思議と続く。
言語は結局、コミュニケーションの道具でしかない。「言語そのもの」を目的にするより、「その言語で誰と何をしたいか」を考えたほうが、学習はずっと面白くなる。
語学の才能とは、結局何なのか
6言語やってきた今でも、「語学の才能」が何なのか、正直まだよくわかっていない。
記憶力かもしれない。発音のセンスかもしれない。文法を理解する速さかもしれない。
でも少なくとも、自分について言えるなら、才能と呼べるものがあったとしたら、もっと単純なものだったと思う。
間違いを恐れずに話せること。
「伝わらなかった、じゃあ次はどうしよう」と考えられること。
そして、「この人と話したい」という気持ちを持てること。
語学を始める理由は、人それぞれでいい。大学進学のためでも、就職のためでも、好きな人と話したいからでも、その国の文化が好きだからでもいい。
ただ、「話せたらかっこいい」だけじゃなく、その先にいる誰かを想像してみる。
「この言葉を話せたら、誰と何ができるんだろう?」
そう考えてみることが、たぶん一番の語学学習法なんだと思う。
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