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白い鹿が渡る、朝の星庭

夜の端が、
うす青くほどけるころ、
一頭の白い鹿が目を覚ましました。

その角には、
小さな灯りがいくつも宿っています。

桃色の記憶。
紫の祈り。
金色にゆれる、まだ言葉にならない希望。

白い鹿は、
草原でも森でもない場所へ歩き出します。

そこは、
雲が花のように咲き、
風が音楽のように流れる
朝の星庭でした。

遠くでは、
透明な楽器たちが静かに鳴っています。

その音は、
忘れていた涙の奥まで届き、
心に積もった冷たい影を
少しずつ光へ返していきました。

やがて鹿は、
虹の雫が集まる泉にたどり着きます。

泉のほとりでは、
小さな命たちが目を細め、
やわらかな湯気の中で
そっと世界を見守っていました。

聞こえてきたのは、
慰めではなく、
静かな祝福でした。

「あなたの光は、
迷った日にも消えていません」

その言葉に触れた瞬間、
白い鹿の角は朝焼けの色に染まりました。

そしてまた、
鹿は空の庭を歩いていきます。

音をまとい、
光を抱き、
誰かの心に春を届けるために。

旅は終わりません。

私たちの魂もまた、
見えない朝へ向かって、
今日を静かに渡っていくのです。

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