扉の向こうに
白く灼けた道
軒先から落ちる陽炎
乾いた塀に張りつく蝉の声
アスファルトは
夕暮れの熱を抱いたまま
長い影を揺らしている
伸び放題の草むら
傾いた自転車
水の切れた植木鉢
遠い空に
薄紫の雲がほどけてゆく
夜の田んぼから
蛙の声
開いた窓
回りつづける扇風機
氷の沈むガラスの音
細い雲を透かして
月が浮かぶ
軒下に光る風鈴
濡れた髪を揺らす夜風
浴室に残る湯気
机の上には
半分だけ残った飲みもの
白いカーテンが
ふくらんで
ゆっくり戻る
眠らない街の端に
短い静寂
熱帯夜の片隅に置かれた
大人の夏休み
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