人差し指ダブルトラボの変則配列の分割キーボードを作った話 (前編)
ここでは、最近人差し指トラボの新しいキーボードをつくった話を書いていこうと思います。
最近分割キーボードが流行っていますよね。Cornixがもりもり売れてるのをみて、エルゴノミクスキーボードが普及してきたぜと嬉しくなっています。
どうせ分割キーボードを使うなら、キーボードの間にノートや手帳置いて運用したいですよね? 少なくとも私はそうです。
ノートを机の真ん中に置き、その左右にキーボードをおき、気持ちよく打鍵できる人差し指トラックボール付きの分割キーボードがほしいとずっと思っていました。
ここ2年ぐらいずーといろんなトラボつきキーボードを買ったり、作ったりを繰り返してきました。
最終的に、 人差し指ダブルトラボ x Lotus配列という特殊配列 x 40%キーボード という、やっと自分のエンドゲームではと思えるLotusOrb(ロータスオーブ)ができましたので、ここにこんなことを考えながらつくった!みたいなことをメモっていきたいと思っています。

§1. 作ったきっかけ; ノートも体の正面におきたい

そもそものライフスタイルの話なのですが、私は考え事をするときにひたすら紙に書き出すタイプの人種です。
そのため、デスクにはいつでもノート、白紙、情報カードがたくさん転がっています。
そして、考え事の種類についてそれらをかき分けつつ、気分によって複数種のペンや万年筆を使い分けています。
これまでは分割していないキーボードを使っていたのですが、いつもノートの置き場所を迷っていました。
キーボードの手前におくと、キーボード入力のときに手にあたっていやだし、右手側におくと、書きやすいけどマウス操作の邪魔だしといった具合です。
そのため、「ノートを中央に置き、肩幅の間隔で置いて気持ちよく打鍵できるキーボードがほしいぜ!」を最大のコンセプトとして、自分にあったキーボードを作ることにしました。

§2. 自分の好きを盛り込んでいく
ついでにせっかくなので、自分の大好き要素をもりもりに盛り込んで、僕の考える最強のキーボードにしようと思いついたわけです。
盛りだくさんですが、こんな要素も盛り込みました。
人差し指トラックボール
ダブルトラボ
左右分割
Lotus配列 (Lotus、つまり蓮の花を思わせる美しい独自配列です)
有線
40%
ノーマルプロファイルキースイッチ
シンメトリー
§3. トラボのデザイン
§3.1. そもそも、なんでトラボ採用するのか
まず、ノートを中央に置くという基本コンセプトを決めた開発初期から、トラックボールは搭載しようと決断していました。
なぜかというと単純にノート+分割キーボードをおくと、かなりの机のかなりのスペースを占領し、マウススペースがかなり限定されるからです。
私はA4用紙を横向きに使うのが好きなんですが、これをキーボードの間に置いた場合、A4用紙の横幅約30cmに加え、キーボードがそれぞれ20cm位とすると、合計70cmを占領することになります。

男性の肩幅が大体45cmぐらいであることを考えると、もうほとんど正面のスペースは使い切っており、マウススペースは残されていません。
そのため、トラボ一体型キーボードとすることで、マウスの用途も果たすことができるようにしようと決めていました。
§3.2 親指トラボか?人差し指トラボか問題
次に迷ったのがトラボを人差し指トラボとするか、親指ドラボとするかですが、最終的に人差し指トラボとしました。
実は、私はKeyballを所有しており、一時期ずっとつかっておりました。
Keyballはすばらしいキーボードなのですが、一部不満もありました
どうしても、トラックボールを横向きに動かすときに、なぜか肩に力が入ってしまうんですよね。

これは、Keyballのトラボ操作をする際にどうしても右手が時計回りに回転してしまい、無意識にだんだんと右手が持ち上げられるためかなと思ってますが詳細不明です。
少なくともだんだん右手だけが疲れてくるということが生じていました。
さらにその状態で使いつづけると軽い腱鞘炎のような症状も出始めたので、あまり親指トラボは私には合わないなぁと感じました。
そのため、親指ボールではなく、人差し指トラボを採用することに決定しました。
§3.3 使いやすいトラボの場所を探して
人差し指トラボを採用すると決めたあとは、使いやすいトラボにできるようにトラボ配置で右往左往しました。
私は人差し指トラックボールを使う際、指先でトラックボールを触るタイプの人種です。
そのため、ホームポジションの真横にボールを配置するよりも、ボールを少し上に配置したほうが、指先で触りやすいと思ったので、最終的にこの位置にしています。

加えて、人差し指トラボの思想として、打鍵時ホームポジションとは別の、トラボ用のホームポジションを設定するつもりでトラボの位置を決定しています。
通常のホームポジションでは上の画像のように打鍵します。
そして、トラボ操作を実施するときには、やや手首を回転させ、以下のようなトラボポジションに遷移して実施する想定で、デザインしました。

2つのホームポジションを持つことで、打鍵するモードとマウスを操作するモードを意識的に使い分けられるようになったので、打鍵時の考え事をしているときに無駄にトラボを動かすということが減り、よい感じと個人的に感じています。
§3.4 ベアリングでスルスルにする
さらに、トラボの支持方法はベアリングを採用しています。
当初、シリコンの支持球でのトラボを想定しておりました。
が、まじで小人キーがかっこよかった!
写真やらAIやら編集やら中身はごっちゃごちゃごちゃなんだけど、全部良すぎねぇか??毎朝、どれ使うかマジで悩むからな!!贅沢〜#小人キー pic.twitter.com/PpPtZF20gX
— 五十川 十一 (@11_50iil) November 23, 2025
そして真似してデザインをしたら五十川さんにトラボ部分の試作品を譲っていただけるとの連絡をいただきました!
ということで、小人キーのデザインをインスパイアしたベアリングトラボを採用しています。
スリットがかっこいい(自画自賛)

§4. 有線という割り切り
このキーボードは 有線 です。
ノートを中央に置くのであれば、TRRSケーブルが必要な有線キーボードよりも無線のほうがよいかなと当初計画しておりました。
しかし、最近別の無線トラボ付きキーボードを試作していたところ、遅延が気になり始め、一旦は有線での作成を目指すという路線変更を行いました。
具体的なトラブルとしては、カーソル飛んだり、ラグって文字が入力されなかったり、同じキーが複数回入力されたり(特にTeams会議中)といった症状です。
自分の設計のせいか?とおもい、Cornixも試していたのですが、こちらも特定のキーが連打されたりということもあり、ZMKの限界なのかなと割り切りました。
もしかしたら、ファームの修正でどうにかなるかもと思い、ちょいちょい試していましたが、これらのラグ類ってテストで検出するには発生頻度が低く、なかなか根治にいたらないということもあり、一旦は有線でつくることにしました。
そのぐらいのタイミングで「その無線化、本当に必要? 自作キーボードの沼で考えた「投資対効果」の話」という記事も見たので、それにも影響されています。
個人的には、過酷な環境や雑に使っても期待どおり動作することがキーボードに求められることではとも思うとこもあります。
突然アイデアが思いついて書き出したい時には内容だけに集中したいですし、そのときにキーボードのトラブルがあると思考にノイズがはいるので、できればさけたいです。
ただ、今回作成したLortusOrbは、かなり気に入ったこともあり、移動用にZMK版も作りたいと思っています。てすと(調べた結果必要な認証やら、法規制対応がめんどくさ過ぎて、現時点では厳しいとの結論に至りました。誰かのブレイクスルー待ちです。)
長くなったので後編へ続く
このあと、配列だ、デザインだ、TRRSの配置だとかいろいろ買い始めたら膨大な量になり始めたので、後編に分けることにしました。。。
なおNote始めたばっかりなので、フォローしたり、スキを押してくれると嬉しいです。
ついでに、めっちゃいいのができたと自負してるので、初めて頒布予定しています。
Boothでスキしてくれると嬉しいです。
この記事はLortusOrbを使って書きました!
