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strollingricky
What Existed Around the Irori 囲炉裏のまわりにあったもの
冬になると、
火の近くに人が集まる。
それは今も、
あまり変わっていない気がする。
炉端焼きの店に入ると、
みんな自然と火の方を見ている。
炭の音。
ゆっくり上がる煙。
赤く光る火。
誰かが話して、
誰かが黙る。
会話が止まっても、
不思議と気まずくならない。
火を見ている時間には、
少し独特な静けさがある。
昔の日本には、
囲炉裏があった。
部屋の真ん中に火があり、
そのまわりに人が座る。
食事をしたり、
お茶を飲んだり、
ただ火を見ていたりする。
囲炉裏は、
何か特別な場所だったというより、
毎日の中にある風景だった。
でも、
そこには少し不思議な空気があった気がする。
火を囲むと、
人はあまり急がなくなる。
言葉も少しゆっくりになる。
沈黙が増えても、
無理に埋めようとしない。
ただ、
同じ火を見ながら、
同じ時間を過ごしている。
日本人は昔、
そういう時間を、
自然に持っていたのかもしれない。
囲炉裏には、
強い灯りはなかった。
部屋も、
今よりずっと暗い。
でもその分、
火の小さな揺れがよく見えた。
湯気。
炭の音。
誰かがお茶を注ぐ気配。
冬の静かな夜。
囲炉裏のまわりには、
会話だけじゃなく、
もっと曖昧なものが流れていた気がする。
時間。
距離感。
沈黙。
ぬくもり。
たぶん人は今でも、
火を見る時間が好きなんだと思う。
焚き火。
暖炉。
炉端焼き。
火の前では、
何かを急いで話そうとしなくなる。
ただ座って、
ぼんやり火を見ているだけで、
少し落ち着く。
囲炉裏のまわりにあったのは、
暖かさだけじゃなかったのかもしれない。
