感想で“批判”してはいけないのか?
つい最近、あるミュージカル公演で、演者の声がやや不調に感じられた回があったらしい。
終演後、客席で「声が出ていなかった」と大きな声で否定的な感想を述べた人がいたことに対し、不満を表明するXのポストが話題になっていた。
批判することや、否定的な感想を言うことは、いけないことなのだろうか。
正直、自分の応援している人がそのように言われていたら、嫌な気持ちになるのは分かる。
わざわざ他の人が聞こえるような場所で言わなくてもいいのではないか、という意見にも頷ける。
また、演者も人間である以上、不調な日があるというのも事実だ。
一方で、観客もお金を払って舞台を観ている。
演者はプロであり、パフォーマンスが万全でなければ評価される立場にある。
その結果、出来について言及されること自体は、ある意味では避けられないことだとも思う。
お金を払って観に行く舞台やミュージカルは、観客にとって代替のきかない体験だ。
高額なチケットを取り、予定を調整し、その日を楽しみにして劇場へ向かう。
だからこそ、
「今日は声が出ていなかった」
「正直、期待していたものと違った」
と感じること自体は、ごく自然な感情ではないだろうか。
それは、演者の人格を否定することでも、努力を否定することでもない。
仕事としてのパフォーマンスに対する感想にすぎない。
今回ポストした方の真意は分からない。
ただ、もし問題にしていたのが「ファンのいる場所で、大きな声で言われたこと」なのであれば、確かに言い方や場所への配慮は必要だと思う。
しかし、何でもかんでも盲目的に「批判を許さない」姿勢が広がるのは、少し違和感がある。
もちろん、何を言ってもいいとは思わない。
けれど、否定的な感想を一切口にできない空気も、健全とは言えない。
では、誹謗中傷と、批判・批評はどう違うのだろうか。
私が、その判断の指標としているのは、
「支払った対価に対して、そのパフォーマンスがどうだったのか」という点である。
これに尽きるのではないか。
何でもかんでも褒め称えるのではなく、
一方的な誹謗中傷するのでもなく、
健全な感想を言えたらいいなと自分は思う。
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