点と点がつながるとき
企画の種が芽吹いていく
11年前のわたしが、こんなことを書いていた。
いま自分が「面白いー!」と思って調べていることを、どう伝えていったらよいのかを、ここのところモヤモヤと考え続けている。マニアックなんだけど、いかにもマニアックでなく取っつきやすくできないものか。
なにかを気にし始めて見る資料からは、いろんなものが見つかる。なんでいままでこれを調べなかったんだろうという資料がザクザク出てくる。点と点がつながっていくのが最高に興奮するときで、それを伝えたい。
やがてこの「面白い!と思って調べていること」は、企画持ちこみを経て三省堂WORD-WISE WEBの連載となり(2018〜2020年)、2021年8月、書籍にまとまった。
かつて、活字のデザインは、ごく限られた天才=「種字彫刻師」の頭の中にのみあるものだった。現代の「書体デザイン」につながる手法を伝えたのは、三省堂とベントン彫刻機だったのだ。これは、「書体」が生まれるその舞台裏で奔走したひとびとの記録である
本書では、それまであまり知られていなかった、しかし「文字」「書体」「書体デザイン」「活版印刷」にとってとても重要な役割を果たしたひとびとのことを書いた。登場人物ひとりひとりがかっこよく、そのひとたちのことを知ってほしい一心で書いたものだ。
小塚明朝・ゴシックの小塚昌彦さんから推薦の言葉をいただいたのは感激だった。
日本の印刷界近代化の貴重な記録。
それもタイポグラフィの原点にスポットを当てた内容は、我が国では初めてではないだろうか。
まさに“渾身の作品”だ。
冒頭に引用文した〈点と点がつながっていくのが最高に興奮するときで、それを伝えたい〉は、テーマが変わっても、つねにおもっていること。これからも点と点をつなげていきたい。
すこし前の自著についてだけれど、書籍企画の種をかかえて興奮していた自分自身のつぶやきにふれたことを機に。
◉書籍の詳細ページ(目次および一部内容見本が見られます)
◉『「書体」が生まれる』告知動画
『「書体」が生まれる ベントンと三省堂がひらいた文字デザイン』の核は「美しい文字で印刷した良い出版物を、どうしてもつくりたかった〈人々〉の奔走の記録(物語)」だと思っています。そのために必要だった未知の機械を、三省堂は大正時代どう入手し使いこなしたのか。そこにドラマがありました。 pic.twitter.com/BjMuHQKSj5
— 雪 朱里 / YUKI Akari (@yukiakari) September 21, 2021
【新刊が出ます!】雪朱里著『「書体」が生まれる ベントンと三省堂がひらいた文字デザイン』(三省堂)8月31日ごろ発売。amazon、楽天ブックスなどで予約受付が開始しました。目次など内容詳細はこちら→ https://t.co/nEtb616tq3 pic.twitter.com/jDzn8ATgup
— 雪 朱里 / YUKI Akari (@yukiakari) June 29, 2021
◉「もしベントン彫刻機がなかったら、秀英体は途絶えていたかも?」オンライントークイベント動画
【トーク概要】
市谷の杜 本と活字館では、12/10(金)に現在開催中の開館記念展「秀英体111 秀英体ってどんな形?」関連イベントとして、オンライントークイベントをYoutube配信いたします。
今回は「もしベントン彫刻機がなかったら、秀英体は途絶えていたかも?」と題し、2021年9月に三省堂から刊行された『「書体」が生まれる ベントンと三省堂がひらいた文字デザイン』の著者であるライター・編集者の雪朱里さんと、担当編集者の三省堂荻野真友子さんをお招きしました。ベントン彫刻機の国産化と秀英体のかかわりを実物資料とともにご紹介しつつ、ベントン彫刻機導入が、その後から現在までの書体デザインに果たした大きな足跡についてお話しします。
2021年12月10日(金)
出演:雪朱里(ライター・編集者)、荻野真友子(三省堂)
司会:佐々木愛(大日本印刷/市谷の杜 本と活字館)
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