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検査のあとも、頼れる場所をつくれるか—AI Dockリリースから約2週間

AI Dockを正式にリリースしてから、だいたい2週間が経ちました。

この間、ローンチパーティを行い、 ICCサミット KYOTO 2026にも初参加し、久しぶりにピッチしました。

短い期間ですが、外からの反応は具体的でした。 今日は、その声と、そこから決めたことを書きたいと思います。

AI Dock ローンチパーティーにて

リリース直後に一番多かった反応は、「結局、何をやるサービスなんですか」という問いです。

質の高い人間ドックですか、とか。 今はやっている全身スキャンですか、とか。 経営者向けですか、とか。

どれも、完全な間違いではない。

ただ、自分が引っかかっているのは、そこより手前です。

毎年のスキャンが、ワクワクする体験にならないといけない。 異常なしを見つけて帰るための儀式ではなく、知的好奇心を満たすコンテンツに、本来なるべきだと思います。

8割の人を異常なし、で終わらせるのは、もったいない。

「健康」という、どこか脳死した言葉からは、自分のことはほとんどわからない。 でも人は、みんな、自分に興味があるはずです。 それが、科学や技術でわかり、エンジニアリングできる時代になっている。

その拠り所になりたい。 検査は起点で、その先に続く物語をつくる。 それが、AI Dockの出発点です。

検査結果表示画面

ローンチパーティでは、出資者の方、医療の先生方、一緒に走ってくれている仲間、興味を持ってくださった方々が集まってくれました。

その場で出た言葉も、印象に残っています。

「提携のクリニックに行けばいいんじゃないか」 「Claudeで、自分でもできる」

ネガティブというより、期待が大きいのだと思います。 良いクリニックがある。自分でツールも作れる。そこまで見えている人たちの声です。

その延長線上に、もっとできることがある。 クリニックに行くこと、自分で考えることは、むしろ出発点に近い。

ただ、その方々にも見えていないものがある。

MRIひとつとっても、良いものと安いものでは、価格がだいたい2倍違う。 技師さんの気の利いた撮像、熟練の技も、当然ながら、そのまま顧客に伝わるわけではない。 顧客にはわからないから、と妥協すれば、安い方になる。撮像も、早く終わらせてしまう。

私たちは、そこには当然こだわる。 でも、それだけではわからない。わからないままでは、品質は削られやすい。

だから、読影も徹底したい。 専門性の高い医師と、AIも活用する。 撮像の質と、読影の質。まずそこに、徹底的にこだわっていく。

そのうえで、わかりやすく説明し、長く伴走する。 医療データの土台があって、初めて「検査のあとも頼れる場所」になる。

だからこそ、そこはぶれずに追求しようと腹が決まりました。

全身MRI(DWIBS)画像をスマホで見ることができます!

ICCサミットは、今回が初参加でした。

しばらくは審査側に回ったり、落ち着いた学会で講演したりすることが多く、ピッチは久しぶりでした。 正直に言うと、ピッチと講演は、100メートル走とフルマラソンくらい違います。 圧倒的に緊張します。

改めて、ピッチに立つすべての方を尊敬します。 短い時間で、自分たちの未来を言葉にして、相手の時間を預かる。 あの緊張感は、やってみないと分かりません。

会場では、「受けて終わり」にしない、という点へのポジティブな反応が多かったです。 健診を予防や行動につなげることが大事だ、という声。 健康寿命の話。 遺伝子検査のように、どうやって新しい当たり前を作るか、という視点。

メンタリングセッションというありがたい時間もあり、もう少し先の話もありました。 すでに全身スキャンを受けたことがある方でも、「受けたから十分」ではなく、血液検査や、これまで見たことのない所見への関心が強かった。

一回のスキャンで完結するサービスだと思われがちですが、関心が向いているのは、その先です。 何が見えたか。 次に何を見るか。 どう続けて、どう相談するか。

ピッチの動画はこちらです。AI Dockについて7分で紹介しています!


この流れは、日本だけの話でもありません。

世界ではいま、全身スキャンがブームになっています。 スウェーデン発のNeko Healthは、短時間で身体をスキャンし、その場で臨床家と次の行動を決める体験を広げています。 Prenuvoは全身MRIを軸に、年次の検査と継続的な健康把握を組み合わせた会員プログラムを展開しています。 Midjourney Medicalも、全身超音波スキャンと新しい体験構想を発表しました。現時点では研究・開発段階ですが、動きは速い。

技術も体験も、それぞれ違います。 それでも共通しているのは、病気になってから病院へ行く、という一本道だけでは足りなくなっている、という感覚です。

こんな話も多く聞きました。

「異常がないか」を一回知るだけでは、安心になれない。 自分の身体の変化を、時系列で見て、ケアしたい。 日々の睡眠、運動、食事、血糖の揺れと、検査結果をつなぎたい。 でも、全部を自分でアプリに入力し続けるのは、続かない。 AIと相談するだけでは、他者との比較ができず、予後予測の精度も期待できない。クリニックに行くこと、自分で考えることも大事だが、それだけでは足りない、という感覚もある。

検査そのものより、「検査のあとも頼れる場所」を探している、と感じます。

longevityのブームも、サプリや機器の消費というより、自分の身体を知り、もっと良くしていきたい、という欲求に近いのだと思います。

もちろん、検査を増やすほど安心が増える、という単純な話ではありません。 所見が出ること、追加の確認が必要になること、解釈に迷うこと。そこも含めて、伴走できるかが問われます。

私自身も、複数のジムに通い、サプリを試し、血糖値を測ったりしながら、試行錯誤しています。

健康データは、集めれば集めるほど、一人では意味づけに迷う。 机の上の構想だけでは足りない。 自分の身体でも確かめる。 その感覚は、プロダクトにも返ってくるはずです。

だからAI Dockも、さまざまなサービスと連携して、データ連携していきます。 スキャン単体で閉じず、日常の側と、伴走の側と、つながっていきます。そしてそれが有用であるか、しっかり研究して、成果を報告していきます。

臓器ごとの体積も表示されます..!?

ご加入いただいた方々は、我々と同じ方向を向いています。

ご加入いただいた経営者の方は、身近な病気の経験から、健康管理を自分ごとにされています。

以前利用していた別のサービスは、毎月支払う実感が得られず、途中で解約したそうです。 いまはその方は、血糖測定、毎日の食事をAIに送ること、Apple Watchなどを組み合わせて、日々の健康アプリで見ています。

求めていたのは、日々のデータが自然に入り、健康相談の場所になることだった、と。 コミュニティは、いらない、ともおっしゃいました。

一方で、まったく逆の声もあります。

検査はいい。 でもコミュニティにも入りたい。 もっと頻度高くスクリーニングしたい。 個別のウェットなサービスもほしい。

この二つは、矛盾というより、求める厚みが違うのだと思います。 全員に同じ伴走を押しつける必要はない。 欲しい人には、きちんと届ける。

支持されていたのは、方向性そのものでした。 差がつくのは、施設名でも、AI機能の羅列でもない。 検査のあとも頼れる場所になること。 毎月・毎日、相談できる実感があること。 医療データに裏打ちされた説明があること。

毎月送られてくるナラティブレポートは、自分を見つめ直すきっかけに。

だから、近々やることも、ここから逆算しています。

まず、日々のライフログ連携を強化します。 近いうちにApple Watchとも連携し、検査の点だけでなく、日常の線で健康を見られるようにしていきます。 毎月払う実感が薄い、という声に対する、いちばん正直な答え方だと思っています。

検査の項目も拡充します。また、採血は年に1回で終わり、ではなく、複数回とって変化を見ていくプランも展開します。一回受けたから十分、ではない、という関心に応えるには、スナップショットではなく、時系列が必要です。

医療機関にいき、自分でも考えられる。その先に、伴走がある。 期待が大きいからこそ、まだ伸ばせる余地があると思っています。

変えないことも、はっきりさせています。

MRIや撮像の質に妥協しないこと。 専門性の高い医師の読影と、AIの活用も惜しまないこと。 全身スキャンを中心とした医療データを土台にすること。 検査を受けた日からが本番で、毎月のレポートと相談が続くこと。 AIは診断せず、医師の評価を土台に、説明と相談の体験を担うこと。これは、ブランディングとして我々が守るべきことだと考えております。


パーソナライズされたAIに健康相談できます

ただ、欲張りすぎるのも危険です。

まずは、いまのプランが「使い続けたい」と思えるところまで、速度を落とさず固める。 来年には、その先へ踏み出す。

いま優先するのは、広告の拡大より、ご加入いただいたあとの「毎月の実感」と、施設だけでは得られない体験への投資です。

海外展開の話もいただいていますが、いま組み立てている中心は、日本で受けてくださる方、海外文脈があったとしても、インバウンド中心です。 外に出ていく前に、目が届く範囲で、まずは素晴らしい体験をつくるために注力していきます。

また、来年、2027年の春には画像診断クリニックの立ち上げを準備しています。 ここを起点に、全国への届け方も見据えて動いています。


まだまだ、AI Dockはこれからです。

リリースして2週間でわかったのは、大きな構想を語ることより、一つひとつの体験を磨き切ることのほうが先、ということです。

検査を受ける。 結果がわかる。 その先の生活につながる。

この一連が、当たり前になるまで、やり続けます。

実はメニューにはない特別なプランも、顧客の声から生まれました。 健康意識が高いコミュニティにも入りたい。頻度高くスクリーニングしたい。個別のサービスもほしい。 医療スタッフによるコンシェルジュが欲しい。そのような要望に応えたプランもあります。 招待制ですが、すでに多くのお申し込みをいただいています。

AI Dockは、どんどんアップデートしていきます。

AI Dockに興味のある方、サービスに意見のある方、ぜひお気軽にご連絡ください!

AI Dock https://ai-dock.ai  


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